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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第二章
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破壊力



まだ様子のおかしい未亜は途中で合流した明ちゃんに任せた。

今は私が傍にいる方が、ややこしくなりそうだしね。


「姉ちゃん、未亜姉ちゃんホントに大丈夫?何があったのさ」

「聞きたい?ほんとに聞きたい?」

「やめとくよ…」

「それがいいよ。知らないほうがいい事もあるの」

「それってあの先輩も含めて?」

「ん? って奈々ぁ!?」

すごい勢いで走ってくるんだけど…。よしっ逃げよう。


「ユウキ、またねー」

「あ、うん…。なんなんだよほんとに…」  


「アスカー! ちょっ! なんで逃げるのっ!?」


「姉ちゃん、目立ちたくないんじゃなかったの? …まぁいいけどさ」

走り去り際に振り返った姉は楽しそうに笑ってたから。




教室まで軽く走ってきた。

「はぁ…はぁ…はぁ…」

「奈々はバカなの?アスカちゃんに追いつけるわけないじゃない…」

「はぁ…そう…だけど…逃げられたら、追いかけたくなるっ、よ…」

「追われたから逃げたんだけど私」

「アスカちゃんは息さえ上がってないし…運動音痴の私には羨ましいわ」

「麻帆ってそんな運動だめだっけ?」

「ダメってことはないけど、奈々が運動神経いいからね。そこにアスカちゃんだし」

「高スペック美少女にはクラス委員も勝てないね! あははっ」

「「復活早いな!」」

奈々も大概な気がするけど。


「それで?奈々は朝からなんでストーカーしてたの?」

「麻帆、言い方に悪意を感じるよ」

「委員長…朝から追いかけられて私…」

「アスカも乗るな!」

「てへっ」

「可愛いかよっ」


「それで、何か用事だったの?」

「そうだよ。なのに逃げるから」

「なんとなく…? それで何だったのよ」

「そんな理由で私は全力疾走するはめに…。 これよ! これ」

「ちょっと! 流石に人目につくような所では止めて」

送った写真を開いたスマホを見せてくるから画面を隠す。


「ごめん! うっかり。でもあの後メールの返事こないし…」

「ねぇ…なんの話?私仲間はずれなんだけど」


麻帆に、昨日モールで会ったことやプレゼントの事、それをつけた写真を送ってきたことを話した。


「私が送ったのはこの写真」

「貧相ね」

「麻帆!?ひどいよ!」

「それで誘惑とか…しかもアスカちゃん相手に。よくそんな無謀な戦い挑んだわね」

「私は送られてきて、どうしていいかわからなくてね?困惑したのよ」

「それはそうよ。ひん…残念な写真だものね」

「麻帆ー?」

「冗談よ。大変可愛いらしいわよ?奈々」

「うむ」

今の嫌味だよね!?麻帆、恐ろしい子!


「まぁ、それでね…私の困惑を思い知れ! と思って私も写真を送ったの」

「え? 見せて見せて!」

「アスカ、いい?」

「…麻帆なら」

「ありがとう。どれ?  うわっ…すごっ。 ちょっ…私鼻血出てない?平気?」

「大丈夫よ、そんな漫画みたいな事起こるわけないじゃない」

ベタすぎるよ、そんなの。


「…起こったよ。 私、それで倒れた」

「またまた〜奈々、笑えないよそれ」

「……アスカちゃんはもう少し自分の破壊力を自覚したほうがいいわよ?」

「破壊力って…人を魔王かなんかみたいに」

「ある意味そうだよ!? まぁアスカが魔王なら私魔王軍に入る!」

「私も」


えー。魔王の時はこの姿じゃなかったし…。 (でも女の子の姿してたときあったー)

ティー、それ内緒にしてね?あれはちゃんと理由があるの。 (しってるー)

相手の油断誘うためだったり、人の街に潜入したりね。 (魔王様がしないでって怒られたの)

そうだね…。部下にやらせるように釘刺されたっけ。

でも自分で行ったほうが早いし確実なんだもの。



「それで結局用事は何だったの?」

「え?この話をしたかっただけ」

「はぁ…真面目に聞いたのに」

「奈々はこういう子よ。諦めて」

「そうね」

「なんかひどいこと言われてる!!」


「でもアスカちゃん、こういう写真安易に送ったらダメよ?」

「うん、妹にもバレて怒られたから懲りたよ」

「妹さんがしっかりしててよかったわ」

私の信用の低さが悲しくなるレベルだよ。 (自業自得ー?)

何も言えないわ…。 

あと、最近ティーが私に辛辣な気がするよ…。 (心配してるのにー)

そう?ありがとね…。 (♪)




ーーーー放課後



今日はリアと魔力操作の訓練する予定だから早めに帰らないとね。


夜ご飯のお買い物は、一人でぱぱっと済ませた。

ユウキ達とも別行動だったし。


和食が食べたいから何かないかな?って見に行ったら、豚肉が安かった。

しょうが焼きにしようと思って、サラダ用の野菜とかも買い込んできた。

後、異世界へ持っていくためのお弁当用のとか食材も沢山ね?

大きなカートに山盛りに買えるのはストレージあってこそだよね。

不審がられないようにカモフラージュはしてるけど。



家に帰ったら、今日もリアは起きて待ってた。

ティーに聞いたらお昼寝はしっかりしてたらしい。


部屋で着替えてたら思い出した。

渡しておかないと。

「リア、ちょっといい?」

「何かしら」

「これ、マジックバッグに入れておいて」

「え?お菓子?こんなにどうして…」

「昨日買いに行ったけど、足らなさそうな気がしたからね」

「…ありがとう。でもなんでそこまでしてくれるの?ドラゴンが迷惑かけたのよね…?」


「それはあの一人のドラゴンだけでしょ?もう私にとってドラゴンは戦うだけの相手じゃないの。 リアに、ルナティア。ルナシアさんや赤ちゃんにも会ったからね。ちゃんと話が出来て、笑ったり怒ったり…そういう感情があることも知った。 だから、ただドラゴンって一括にして、判断しないって決めたんだよ」

「アスカ…ありがとう。すごく、すごく嬉しいわ。誰に理解されるよりも、アスカにそう言ってもらえるのが一番嬉しい…」

うわっ…と。急に抱きつくからびっくりしたよ。

こんなに感情豊かで可愛らしいドラゴンがいるって知ったら考えも変わるよね。


「だからコレ受け取ってね?」

「ええ、ありがとう! アスカ」

「ラブラブー? ティーもー!」

「おいでー」

しばらく三人で戯れてた。




「じゃあ私はご飯の仕度するから、待っててね」

「ティーも手伝うー」

「私も何かできないかしら」

ホントに良い子達だよ…。


三人で台所へ。


「じゃあ大きめのお皿と、サラダ用の小皿を人数分出しておいて貰える?」

「わかったわ」

「はーい」

お米を炊いて…それから、

今日は豆腐サラダにするから、先に作って冷やしておこう。


未亜とユウキ遅いね。いつもなら帰ってると思うんだけど…。

メール来てたりしないかな。

キッチンカウンターに置いたままになっているスマホを確認する。


ユウキから…。えっと、帰りに未亜と会って、買い物に付き合ってるのね。

二人一緒なら心配ないか。 気をつけてね。っと…。


じゃあ、しょうが焼きは二人が帰ってきたのを確認してからにしよっと。

タレだけ作っておこう。ミリン、砂糖、ポン酢、おろしショウガを混ぜるだけ。


時間ありそうだからアレも仕込みますか。


卵にミルクと生クリーム、砂糖にバニラビーンズ。

焼かないで蒸す、なめらかプリン。

茶碗蒸し食べてて、プリンって言ってたからね。こっちにした。


茶碗蒸しもまた今度作るよ?約束したからね。










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