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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第二章
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妹の心配と嫉妬



「んんっ…朝かぁ」

あれ?見慣れない天井…。


…そう言えば昨日未亜の部屋で寝たんだっけ。 (ママーおはよ。 いないの)

ごめんね、昨日未亜の部屋で寝ちゃったから。 (おぉ…ついにー?)

何がよ!? (いってみただけー?)

もぅ。


時間は…6時か。お弁当作る時間ありそうだね。ってメール来てるな。

奈々?って何件送って来てるのよ…。

何かあったのかな。えっと…

……昨日の写真のことね。送ったことすら忘れてたよ。

なんか興奮しすぎてて要領を得ないな。

いいや、学校行ったら聞こう。 (ママどんな写真送ったの?)

見る?今からそっち行くから。 (うんー)


隣の私の部屋へ。着替えないとだからね。


「ティーおはよ。リアは…流石に落ちてないね」

「うん、でも尻尾でびたーんってされて起きたの」

「大丈夫?怪我とかは?」

「へーき。びっくりしただけー。それより写真ー」

「はいスマホ。操作わかる?」

「うんっ! ママの見てたから」


スマホを渡したから、今のうちに着替えよう。

最初は抵抗のあった制服も、服を選ぶために悩むより、よっぽど楽なことに最近気がついた。

「ママ…これ送ったの?」

「奈々にね、あの子も似たようなのを送ってきて困惑したから仕返しにね」

「…仕返し…? ママ、未亜に報告します!」

ピシッと敬礼は可愛いけど、それダメなやつだよね?

「ティー待って! それ多分ダメなやつ!」

てててっと部屋を出ていってしまった。


どうしよう、なんか悪い予感しかしない…。

逃げなきゃ。でも何処へ?

「あすかぁ…」

ちょっと…リア今はダメ! 着替えてるから! 

それに逃げないと!

「んー」

「リア、すとっぷ…んんんっ…」


「お姉ちゃん! この写真! どういうこ…と…」

タイミング最悪…これ私やばいかも…。


「ママ…朝からはれんちー」

「違うから! 助けて…」

「はーい。リアー。早くちゃんと起きるの。命の危険が危ないのー」

「んっ…おはよ…ってアスカ?なんで下着姿!?  私ついに!?」

リアもか! 


「未遂ー?ママを開放してあげてー」

「ええ…。ごめんねアスカ」

「うん、びっくりしたけどね。それより…」

「え? ひぃっ…」

私が扉の方を見たのにつられて、そっちを見たリアが真っ青になる。

わかるよ。完全に目のハイライトが消えてなんの感情もない目でこっちを見てるもんね。


「アスカ、助けて…」

私も助けてほしいよ!? 

逃げようにも着替えも終わってないから、こんな姿で部屋を出たら更に怒られそう…。

あれ?


くるっと向きを変えて部屋を出ていったけど…何処へ?

自分の部屋に戻ってったね。

「アスカ…」

「うん、私行ってくるね」

「ええ…」

取り敢えずちゃんと制服だけ着て未亜の部屋へ。


扉あいたままだし…

「未亜、入るよ」

…返事は無しか。


ベッドの隅で丸まってる…というか泣いてる?

「未亜…」

なんて声かけたらいいの…。

なんとなく頭を撫ぜる。落ち着くといいけど…。


しばらくそうしてたら顔を上げてくれた。

「未亜?」

「お姉ちゃん、ああいう写真を人に送ったらダメだよ」

「はい…」

「後、ルナリアちゃんとイチャつきすぎ」

「そんなつもりはないよ!?あの子寝ぼけてるとああなるだけだし」

「お姉ちゃんが無防備だからだよ」

「えぇ…」

「だって…」

ちょっと…まっ…え? なんで私未亜に押し倒されてるの…?


「ほら…私でも押し倒せる」

それは…抵抗したら危ないし。力の加減ができるとは言え、もしもがあるから…。


「未亜、落ち着いて!」

「落ち着いてるよ?」

「未亜、これ以上は冗談で済まないよ?私が抵抗しない理由わかってるでしょう」

「それでも心配なの! お姉ちゃん優しすぎるから…」

「本当に嫌な相手のときは抵抗するし、相手の事を気遣うなんて事しないよ」

「絶対に?私達だから?」

「うん、未亜やリア、ティー、ユウキもだけど、傷つけたくない相手には抵抗しないだけ。まぁ…本当にヤダって思えば何か対応はするよ?」


「じゃあルナリアちゃんにされて嫌じゃないって事?」

「寝ぼけてるじゃないあの子。無意識の状態にどうしろと…」

「納得いかない…」

まぁ気持ちとしては無理なのかもだけど。


事故みたいなものだと思ってる私がおかしいのかな? (んーリアも悪い?)

そうね、でも寝ぼけてるのを責めるわけにも。 (もしも確信犯だったらー?)

それだったら怒るかも? んーでも挨拶みたいなものだと思えば…? (ならティーも)


…てててて

「ママおはよーんっ」

「んっ…!? ちょっとティー!」

「ただの挨拶なのー」

「挨拶…なるほど。海外なら当たり前…」

「ちょっと、未亜? まっ…んんっ〜〜」

これ挨拶じゃない! 絶対に違う!


やりきったーって満足そうな顔してるとこ悪いのだけどそろそろ開放してほしい。

まったく…。

「みーあー! それは挨拶のレベル超えてる! 私怒るよ?」

抱き上げて、私の上から下ろす。


「だって…」

「悪い子にはお仕置きだね?」

逆に押し倒してやる!

「…えっ…お姉ちゃん…まだ心の準備が…」

違うわ! デコピンだよ! まったくもー。

「痛っ…ひどいよ、お姉ちゃん」

「お仕置きだから、当たり前でしょ」

「ごめんなさい…」

「私も気をつけるから、未亜もこういう事はしたらダメだよ? ほら、本当に好きな人としかしたらダメとか言うじゃない」

「うんっ」

なんで嬉しそうなのよ…。


「ママーお腹空いたのー」

「あっ…いま何時!?」

「7時ちょっとー」

「お弁当作ってる時間なくなったよ! 未亜も早く着替えて」

「はい…」



キッチンでパンをかじる。

「はぁ…朝から疲れた」

「姉ちゃんおはよ」

「ユウキおはよ」

「朝から騒がしかったね?」

「ほんとにね…家族増えたしそういう時もあるでしょ」

「そういう事にしとくよ」

含みのある言い方するわねー。


「あ、お弁当作ってる時間なかったから。はいこれ」

「いや、充分だよ。ありがとう」

おにぎりと、さっき急いで焼いた卵焼き。


ティー達にも、お昼用にって多めにおにぎりと卵焼きを渡しておいた。

喜んでたからいいけど。


「今日はみんなで登校するよね?」

「うん、未亜もそろそろ降りてくるでしょ、あ、ほら」

「…おはようございます」


「未亜姉ちゃんどうしたの?」

「あーユウキ、そっとしといてあげて」

「? アスカ姉ちゃんがそう言うなら」


「未亜、お弁当のおにぎりね。そろそろ学校いくよ」

「はい…ありがとうございます」

「ほら! しゃんとしなさい。友達に心配かけるよ?」 (ママ言うー?)

ティー?ママに喧嘩売るのー? (冗談なのにー)

まったくもぅ。 (お留守番しとくのー)

お願いね。


まだちょっと落ち込んでる未亜を連れて三人で家を出た。




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