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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第二章
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くるくる回る



席が空いたって呼ばれたから奈々達と別れてテーブルに。

先に譲ろうかと思ったけど、まだお父さんたちが来てないからって断られちゃった。


ティーとリアをそれぞれレーン側に座らせてあげる。

店員さんがティーの為にチャイルドチェアを持ってきてくれた。

「よく見えるーいっぱい回ってて悩むよー?」


「ティー、リア。大事なルールを教えるから、ちゃんと守ること。いい?」

「あい!」

「わかったわ」

「その蛇口みたいなのは、お茶用に熱湯が出るから気を付けるように。手にとったお皿は絶対に戻したらダメだよ?ちゃんと食べること。 食べた後のお皿も戻さずに、重ねておくこと。それだけだよ」

「はーい」

「じゃあ…慎重に選ばなくちゃね」


「お姉ちゃんのママ化が止まらない…」

「変わるものだよね。あの姉ちゃんがだよ?」

言いたい放題だね君たち。



「ママ、これなに?」

「しょうがだよ。こうやって、お皿に出しておいて食べるんだけど、辛いから気をつけてね」

「ちょっと食べてみる…」

「私も…」


ティーは平気で、リアはダメだったね。

「からいっ! なにこれぇ…」


「お姉ちゃん、端末取ってもらえる?」

「はい、どうぞ」

「ありがとー」

「未亜! それ何ー?」

「回って来ないけど、食べたいものがある時はこれで頼めるんだよ」

興味を示したティーに、未亜が操作を教えてくれてる。


「プリンあるー?」

「デザートのところにないかな?」

「あったー! ママこれがいいー」

小さなプリンアラモードね。

「食べたいの頼んでいいよー」

「わーい。リアはいるー?」

端末に興味はあるけど、目の前に流れてくるお寿司には勝てなかったリアもデザートは別らしい。


「見せて? いっぱいあるわね…私これにしてもいい?」

「いいよ、頼んでおきなー」

「ありがとう!」

小さなパフェを選んだみたい。


私も端末を借りて人数分の茶碗蒸しを頼む。

家で作るのもいいけど、お寿司屋さんのも美味しいからね。


端末から頼んだものが流れてるくるよ、ってお知らせがなる。

ティーと端末を見ていたリアがビクッってしてて可愛かった。

「ティーのプリンが来るって!」

「私のは!?」

端末を睨んでても来ないから…。


「すみません、お熱いのでお持ちしました」

「ありがとうございます」

お礼を行って受け取る。茶碗蒸しだね。


「アスカ、それは?」

「茶碗蒸しっていうんだけど…熱いから気をつけてね」

「わかったわ」


「甘くないプリンー?」

「そうだね、確かに近いかも」

「美味しいー! ママも作れる?」

「うん、出来るよー」

「姉ちゃんのは大きな丼にうどんと一緒ってやつが美味しかったなぁ」

あーそんなのも作ったね。


「ユウキ。ズルいわ…私も食べてみたい。ここのでも美味しいのに…」

「そんなこと僕に言われても」


「お姉ちゃんが作ったら…どうなるの!?」

「ママの…プリン」

「はいはい、今度作るから。今はちゃんと目の前のご飯を食べないと」

「そうね、美味しいものに感謝して食べないと…」

「うん。お姉ちゃんのご飯は今度の楽しみにとっておかなきゃ」

ハードル上がってるなぁ。一人プリンが混ざってるし。


ん?スマホ…奈々からね。

斜め後ろくらいの席になったって。隣じゃないってボヤいてるわ。

えっと…いたいた。手だけ振っとこう。

奈々の隣にいるおじさんも手を振ってきたけど…お母さんに殴られてるってことはお父さんかな。


「お姉ちゃん?」

隣にいた未亜に不審がられてしまった。

「奈々がいたから手を振っただけだよ」

「あぁ。 ホントだ」

またメール。

お父さんがごめんって。やっぱりね。

別にいいのに。


「姉ちゃん達、ちゃんと食べてる?」

「え?うん。食べてるよ」

「ならいいけど…世話焼くのもいいけど姉ちゃんも食べないと」

そう言うユウキの横には高く積まれたお皿。

ティーとリアもいい勝負してるねー。


確かに私と未亜の前には数皿しか積まれてない。だから心配したのね。

この身体になってから、かなり少食になったんだよね。

だから普段からあまり食べないの知ってるでしょうに…。


「お姉ちゃんって前はユウキ君みたいに食べてたの?」

「そうね、こうなってから本当に入らなくなったよ」

「不思議だね…でも山盛り食べてるお姉ちゃんって想像できないかも」

「あぁ…なんか食べ方まで可愛らしくなったもんなぁ。前はもっと豪快でさ、お寿司とか両手に持って食べてたよ」

「ユウキ…?」

「ごめんって…それ反則」

「今のはユウキが悪いわよ。乙女の過去を暴露するなんて」

「だって前は…」

「ユウキー?やめたほうがいいのー。敵しかいないよ?」


「そうだね、僕の懸念が現実になったよ…」

「懸念?」

「ほら…男一人だと立場が弱くなるって話」

「あぁ…ごめん。気をつけるよ、ユウキにそんな思いさせたくないし」

「僕も発言に気をつける」


「この二人って基本的に仲がいいわよね」

「それはそうだよー。二人で何度も戦い抜いてきたって言ってたもん」

「ティーも仲良しだよー?」

「そうだね。魔王時代の相棒だもんね」

「うんっ」




みんなお腹いっぱい食べて、お会計。

くるくる回るお寿司さんで5桁のレシートは初めて見た。

みんなが楽しそうに食べてたの見れたから気分的にはお釣りが来るけどね。


帰るときに奈々に手を振っといたよ。

また手を振ろうとしたお父さんは直前にまた殴られてた…可哀想に。

お母さんのとなりにいた小さい子は奈々の弟かな?



またバスに揺られて帰宅。途中で眠気に負けたリアを抱いてきたけどね…。



起きなさそうだし、魔法で全身と服をキレイにしてあげて、ベッドに寝かす。

ティーとお風呂に入って、可愛い着ぐるみパジャマ姿を愛でた。

青色のウサギさんになったティーは無敵だね。


ティーも眠そうだから寝かせて、私は魔道具を作ることにするよ。






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