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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第二章
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美亜の受難 二度目



上級生の教室に駆け込んでくる未亜。

どうしたの?って…えぇ! ここで抱きつくの!?


「わぁ…大胆」

「羨ましい…」

奈々達も止めてよ!


「未亜、どうしたの?取り敢えず離れて。目立ってるから」

「うぅ…ぐす…」

泣いてるし、何があったのよ…。


「トイレで見たの…白い髪の女の人…」

「え?」

「お姉ちゃん、大丈夫って言ったのに! うぇぇ…ん」

しまった…ティーの工作のことを伝え忘れてた。 (んあっ?ママ呼んだー?)

寝てた? (うん…お腹膨れると眠くなるのーリアも寝てるー)

ごめね、寝てて大丈夫だよ。 (あーい…ふぁ…)


「未亜、大丈夫だから落ち着いて…」

「うぅ…くっ…怖いよ、お姉ちゃん」

話せそうにないな…。


「すみません! 私の友達が…先輩の教室に。すみません!」

教室の入り口にいる、あの子って未亜の親友の、明ちゃんだっけ…。


「明ちゃん、で合ってるよね?入ってきていいからおいで」

入り口で周りに頭を下げて謝ってるから流石にほっとけない。


「は、はいっ…失礼します」

窓際の私の席までビクビクしながら入ってきた。誰もいじめないから。


「ごめんね、未亜に何があったか話してくれる?」

「は、はい。 お昼休みに未亜と屋上でお弁当を食べてたんです」

よりによって…。私が大丈夫って言ったから信じたんだよね。ごめん未亜。


「食べたあとに一人で未亜がおトイレに行って、戻ってきたらこの調子で…」

タイミング悪かったのかぁ…。


「お姉ちゃんーって叫びながら学校中走り回って探してました…。追いかけるの大変でした」

それは…。

「ごめんね、ありがとう。未亜もスマホに連絡くれればよかったのに…って言ってもこれじゃ無理か」

この様子だとそんな事考えてる余裕はないよね。

「明ちゃん、私の連絡先教えておくね」

未だグズる未亜をあやしながら明ちゃんと連絡先の交換をする。

また何かあった時もこの子なら大丈夫でしょ。それに未亜の親友なら連絡先知ってて困ることもない。


「ふわぁぁぁ…アスカ先輩の連絡先…」

スマホ掲げて回りだしたけど大丈夫よね?


「ちょっと私、未亜と話してくるから、授業に間に合わなかったら先生に適当に言っといて貰える?」

「クラス委員として適当には出来ないけど状況が状況だもんね、任せて」

「ありがとう、麻帆」

「麻帆…さっきまで貴女も怯えてたのに。どれだけおまじないの効果ヤバいの!?」

今の麻帆なら実際にお化けと遭遇しても平気なくらいには…。 数日で落ち着くけどね。


「明ちゃん、ありがとうね。未亜は預かるから、そっちの先生にも話を通しておいてもらえる?」

「はいっ! お任せください」

「落ち着いたら連絡するから」

「わかりましたっ!」


抱きついて泣いてるし…仕方ない。

「未亜、ちょっと移動するからね」

そのまま抱き上げる。

「うわぁぁ…お姫様抱っこ…本物だよ」

「奈々、うるさい」

「ひどいっ!?」

ザワつく教室を出て…あ、何処行こう?

お昼休みそろそろ終わるから廊下にはそこまで人はいないけどめっちゃ見られてるわ。

こういう時は保健室だ! 先生居ないといいけど…。




いるよね…。保健の先生だし。

「あ、アスカちゃん…何をして…」

「すみません、先生。妹がちょっと体調悪いのでベッド借りますね」

「え?ええ…それは構わないけど」

「ありがとうございます」

一番奥のベッドに寝かし…たかったけど、離れないな。

どうしたものか…。


「体調悪いのよね?診ましょう…ええ!? どういう事…」

「すみません、先生。後で必ず説明しますから、少し二人にして貰えませんか?」

「……わかったわ。この事は内緒にしておきます。そのかわり…1つお願いを聞いてもらえるかしら」

「はい?私にできることなら…」

「できる事だから! 言質とったわよ!」

「はぁ…。まぁそれも含めて後でお願いします」

「わかったわ! ごゆっくりー」

なんか誤解してるよね、あの先生…。まぁいいや。


取り敢えず話もできないから一度寝かせて、麻帆にやったように魔法使いますか。

一応探知はかけてる。いきなり誰か来るかもだし。

先生は…廊下で待機? ごめんなさい…。


眠ったことでようやく離れてくれた未亜をベッドへ寝かす。

魔力の乱れが酷い、よほど怖かったのね…。真っ青な顔してたし。ごめん未亜。


乱れを整えて安定させたら顔色も良くなった。

少ししたら起きるから待ちましょう。





スマホを見たらユウキからメールが来てたから返信。

どうやら学校を走り回ってた未亜の噂を聞いたらしく心配してたので、全容を伝えた。

ちゃんと話しておかない姉ちゃんが悪いって怒られた。まったくもってその通りです…。


「んんっ…」

「大丈夫?無理に起き上がらなくていいから」

「おねえちゃん…?」

「うん、大丈夫だから」

「私、お化けを見て…お姉ちゃんを探してて」

「うん、その事なんだけど…本当にごめん。私のせいなんだ」

未亜が落ち着いてる間に事の全容を話す。



「じゃあ、あれはティーちゃん?」

「そう、私が怪談話に無関係になるようにって、細工をしてくれたのよ」

「…そうだったんだ」

「先に話しておかなかった私のせいだからティーを責めないでね」

「うん、でも本当に怖かったから…」

「ごめんね…。まさかタイミング悪く遭遇するとは思わなくて」

いや、これは言い訳だよね…。


「本当にごめんなさい。怖い思いさせて…」

「うん…なんか今は怖くないし大丈夫」

「それは…私が魔法で落ち着かせたからだね」

「そう…。魔法切れたらどうなるの?」

「それまでに本当に落ち着くようになってるから、切れた途端パニックとかにはならないよ」

「ありがと、お姉ちゃん」

「私のせいだから…」

あ、明ちゃんに連絡しておかないとだね。


「お姉ちゃん、スマホ?」

「うん、未亜を追いかけて心配してた明ちゃんにね」

「あ…」

「連絡しておくからもう少し休んでて」

「うん。連絡先交換したんだ…」

駄目だったのかな?未亜の親友だしなぁ…。


「勝手にごめんね」

「それはいいの。明ちゃん大喜びしたんだろうなぁって」

そう言えば…。

「スマホ掲げて小躍りしてたね」

「あははっ、想像できるよ」


よし、次の休み時間にはメールに気がついて迎えに来てくれるでしょ。

後は先生に説明かな。


「未亜、先生に説明してくるから、ちゃんと休んでるのよ?」

「うん、わかった」


先生廊下だし、私も廊下へ。

「先生、お待たせしてすみません…」

「もういいの?」

「今は落ち着いて寝てますから」

「そう…なら、こっちの部屋にしましょうか」

保健室の隣にある先生の控室。と言うかほぼ私室。

生徒は先生の指示でもなければまず入れない。


「私の部屋だから大丈夫よ」

「はい、お邪魔します…」

中は何ていうか小さい旅館の部屋?和室だし。


「忙しいと泊まり込んでたりするから少し散らかっててごめんね」

「いえ、大丈夫です」

先生が座布団を出してくれたのでお礼を行って座る。


「それでそれで? ナニしてたの〜?」

何もしてませんけど!?








 

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