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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第二章
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階段



大好きなお風呂から出て私の部屋で寛いでるリアに、ティーの偵察の結果を報告してあげた。

「あの、かあ様がねぇ…」

「うんー。氷漬けのまま力も封印されてたー」

「そう…安心したわ。ありがとうティー」

「ふふん」

ティーの分体はもう少し偵察したら帰ってくるみたい。

魔力でバレないかな?と思ったら、リアの時に気づかれたのを教訓に対策済みらしい。

街でルナティアへ接触したときもバレなかったもんね。

てっきりあの時はルナティアが動転してたからかと思ってた。

さすがだよ。 (ドヤァ)


「アスカ、かあ様と弟の事、本当にありがとう」

「いいよー。私も心配だったからね」

無事に帰れたみたいだし何よりだよ。

大きくなったベッドで、ティーとリア、二人と話しながらまた一緒に寝た。








次の朝、何時も通りお弁当をティーとリアに渡し、3人で登校途中、奈々に捕まった。

「ちょっとアスカ! アレどういう事?」

「え?アレって何?」

「かけてくれたおまじないだよ! あれから痛みがなくてすごく楽なの!」

あぁ〜。そう言えばお弁当箱届けてくれたお礼に魔法かけたんだっけ…。


「良かったじゃない」

「そうだけど…。どうなってるの?」

「さぁ?私は奈々が楽になればいいなーっておまじないかけただけだし」

「ありがとうアスカ!」

いや…通学路でハグするのはいかがなものかと。

未亜の目からハイライト消えてるから!


「離して奈々。ここ通学路だし人がいるから」

「えー。いいじゃんー。私とアスカの仲でしょ?」

どんな仲だったら通学路でハグするのか…。

文句を言いながらも離してくれるだけいいけどね。


「そう言えば、アスカは達は知ってる? 学校で新しい怪談が噂になってるの」

「なにそれ…」

ユウキと未亜も首を振る。知らないみたい。


「私も昨日の帰りに少し聞いたけだなんだけどね。トイレの開かずの扉と変な光っていうの」

私そういうの興味ないからなぁ。他にもいくつかあるらしいのを知ってる程度だし。

奈々もまだ詳しくは知らないけど、今日はその話題が学校で盛り上がるーとか言ってる。


「みんなに聞いてくる!」

そう言って走り去っていった。朝から元気ね。


「お姉ちゃん、怪談って…」

「うちの学校のある場所って城跡だったはずだから元々そういうの多いよね」

そう言えば…。籠城したけど結局攻め落とされた城のあった場所だとか聞いたような。


「姫が身投げした井戸〜とか、落ち武者のでる坂〜とか…」

「ユウキ君、ストップ! 私そういうの無理だから…」

震える未亜がユウキを止めたから他の怪談はわからなかった。


まぁいいや、私には関係ないよ。怪談なんて。 (ソウダネー)

何よティー。変な言い方して。 (なんでもないのー)

そう? 今日もリアとお留守番でごめんね。 (大丈夫! ゲーム一緒にしてるの)

そっか。 早くリアの魔力操作も鍛えてあげないとなぁ。 (それも頑張ってる!)

ええ!?いつの間に…。 (ママの魔力ドームの小さいので練習中ー)

確かにアレなら他の魔法を混ぜなければ、危険もないね。

ドームにするために繊細な魔力操作が必要になるから訓練にはちょうどいいか。 (そうー)

ティーが見てるなら平気だとは思うけど魔力の枯渇だけは気をつけるのよ。 (はーい)




学校行かない、帰る。って言い出した未亜を何とか説得して登校。

教室に行くと確かにそんな話題が聞こえてくる。

「お昼休みに先輩が見たって…」

「屋上へ上がる階段のすぐ側の…」


そんな騒ぎになるものなの?

実際にアンデッドやゴーストと戦ったこともあるし、魔王していた時なんて、側近の一人にリッチーも居たから怪談とか言われてもなぁ…。



「アスカー。情報集めてきたよ!」

変なとこ行動力高いよね奈々って。


「聞いてよー」

「はいはい、聞くから」

「それがね、笑っちゃったよ」

怪談なのに?


「怪談話にアスカが混ざってた」

「はぁ!?」

なにそれ…。


「屋上の階段から駆け下りてきた白い髪の女」

指差すな! それに銀髪だからこれ!


「普通ならそんな人居ないから騒ぎになるのわかるけど、うちの学校には居るからね」

人を珍獣のように…この髪は王子のせいだし。

今は気に入ってるけど…。


「それでね、学校一の美少女で有名人なアスカが巻き込まれたのか?とか関係あるのかーって」

「知らないよそんなの」

「うん、ファンクラ…じゃなくて生徒会が噂の真相究明とデマを消すのに駆け回ってた」

生徒会長達がねぇ。


「でもさ、お昼休みにアスカって屋上に居てさ、弟君たちと喧嘩して駆け下りてったよね?」

「そう言えば…でもそれとなんの関係が?」

「その階段降りてすぐのトイレが怪談話の現場なの」

ん?そのトイレって…私が向こうへ飛ぶときに入った…

「あーーーー!!」

「ちょっとアスカ! いきなり大声出さないでよ」

「ごめん…」

開かずの扉、変な光…私じゃん。 (大正解ー!)

ティー知ってたの? (うんっ)

教えてよ…。 (聞かれなかった?)

そうね。 はぁ…どうしよう。 (いっそホントにしちゃえばー?)

いや、事実だよ!?私のせいだし。

慌ててたけど、トイレへ入る時と、中に人がいないのは確認してた。でも…。

飛ぶ瞬間は気にしてなかった。それで光見られたのかな…。 (廊下まで光漏れてたー)

マジかぁ…。 (ママが疑われる前にーホントにお化け出しちゃえばー)

召喚で呼ぶの?できなくはないけど… (ティーに任せてー)

え?大丈夫なの? (うん、ママはお昼に屋上以外で人の多いところにいてー)

わかったよ。 でも気をつけるのよ。 (はーい!)


ティーが張り切ってるけど大丈夫かな…。 (〜♪)







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