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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第二章
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守れたもの



ルナシアさんと話してたら王妃様も部屋に。


「アスカちゃん、本当にありがとう。来てくれなかったらどうなってたか…」

「いえ、ちょっと私も頭にきたので…。リアがドラゴンの誤解を解くために頑張ってたのに。それを踏みにじることを平気でしてたのが許せなくて」

「本当に優しいんだから…」

「いえ、結構私のわがままですよ?きれいな夕日を見た穀倉地帯を荒らされたのも許せなかったですし。

アリアさん達を脅してたのも許せなくて。

それにリアやルナティアと出会って好きになったドラゴンを汚された気がして…」 

「そっか…」


「旦那が穀倉地帯荒らしたのですか!?ごめんなさい! でも被害はないと…」

「ああ、大丈夫よ。アスカちゃんが直してくれてキレイに元通り」

「…え?それは…?」

「わかるわ、その気持ち。実際に見てた騎士たちも未だ信じられないって騒いでるのよ?それに…

国の危機を救って、そしてその子が自分達や国を想い泣いてくれたって凄いことになってるわ」

なんでそこまでばれてるの!?


「なんでって顔してるわね?アスカちゃん」

「はい…」

「ドラゴンと対峙してたのをすぐ側で見て、聞いてた騎士が何人もいるのよ?すぐに伝わるわよ」

なんてこと…。もう外歩けない…。


「それより、アスカちゃんどうしてこんなタイミングよく来てくれたの?」

「ティーのおかげなんです。お城が危ないって教えてくれて」

「そんな事もできるの?!」

「私もびっくりしました。でもおかげで間に合いましたから」

「本当にね、よくお礼を言っておいてもらえる?」

「わかりました」 

だって、ティー。私からもありがとね。 (ふふーん♪)


「また助けられちゃったわね」

「いつもお世話になってますから…」

「ううん、そんなこと…。 私達王族は指揮をとる陛下以外、お城の一室へ避難させらて出られなくてね…。

騎士が守ってくれるのは有り難いのだけど。緊急時に何もできないままではいたくなくて抜け出したのよ」

「それがあのタイミングだったのですか?」

「ええ…おかげでアスカちゃんの活躍見そびれたわ」

そこなの!?

「騎士やアリアから全部聞いたけどね」

報告されてるよー。当然なんだろうけど恥ずかしい。


まだやる事があるからって王妃様は足早に退室していった。



ルナティアも疲れてるルナシアさんと赤ちゃんを休ませてあげたいと退室。


ルナシアさん達、ドラゴンへの情報が早かったのは街道を人化して旅してたドラゴンがいて、そのドラゴンが大急ぎで里へ帰り報告。

トラブルメーカーのドラゴンが王都へ向かってる可能性があると。

それで休んでたルナシアさんに確認したらほぼ確定って事で…みんな大慌て。

ルナシアさんは他のドラゴンの背に人化したまま乗って急いで来たって言ってた。

ドラゴン姿では赤ちゃんを抱えて飛べないからと。

そのドラゴンは今、人化して街に滞在しているみたい。

てことは飛んでる時も赤ちゃん抱えてたんだよね。

何かしら魔法はかかってるとは思うけど帰りが心配。


今日はルナティアの部屋に泊まるらしいから、渡す時間はある。


まず人間も使うようなベビーバスケットを編む。魔力糸も混ぜて魔法防壁もつけてある。

中には柔らかいクッションやお布団。それと抱きやすいように抱っこ紐も。これも同じように魔法防壁付。

持ってる人にも防壁がかかるようになってるけど、

ドラゴンだと人化してても、こういうのは使いにくいとかならないよね?大丈夫かな…



アリアさんに頼んでルナティアの部屋へ連れてってもらった。

「ルナティアいる?アスカだけど」

「うん、はいっていいよー」

「ありがと」 


ルナシアさんもゆっくりしてるみたいだから邪魔しちゃったかも…。

「どうかしたの?」

「えっと、ルナシアさんと赤ちゃんに作ったものがあって。渡したかったの」

「私とこの子にですか?」

「はい、これなんですけど」

ベビーバスケットと、抱っこひもの説明をして使い方もやってみせた。


「かあ様、すごいよこれ。魔法防壁バッチリかかってる」

「ええ…こんなのが人間の世界にはあるのですか?」

「私の生まれた世界にはあります。魔法は無いので防壁はありませんが…。こちらの世界はわからないです」

「そう言えば、異世界から渡ってこられたと娘から…なるほど」

「移動の時に少しでも安全になればと…」

「でも私達には返せるものが何もありません」

「そこは気にしないでください。ルナシアさんと赤ちゃんが無事に帰れるようにと思っただけなので」

「ありがとうございます。この御恩は忘れません」

「ありがとう、私も心配だっから…大事な弟だし」

男の子だったんだね。


「それと…アスカさん、娘のリアことよろしくお願いします。少々我儘ですが根はいい子なので…」

「はい。勿論です。それにいい子なのはよく知ってますから」

「そうよ、かあ様、あの子、アスカにだけは素直なの!」

「そうなの…。ふふっ」


少し話をしたけど、長居するわけにはいかないので挨拶して部屋を出た。

休んでもらいたいからね。



アリアさんと部屋に戻る途中にユリネさんとバッタリ出くわした。

「アスカ様ー!」


アリアさんいるのに抱きつこうとするから…そうなるんだよ。ちょっと可哀想だけど。

だって首根っこ掴まれて、捕まった猫みたいになってるし…。

「ユリネ、自重しろ」

「…はい。でもお礼を言いたかったのです」

「そうか、わかった」

ようやくアリアさんから開放されたユリネさんから今回の事のお礼を言ってもらった。

メイドさん達は怖くてみんなで避難して震えてたらしい。

最悪の事態を覚悟してた人もいたとか。

何事もなくて本当に良かったよ。



部屋へ戻る時に、そろそろ帰らないとって話をしたら、アリアさんが王妃様を呼んできてくれた。


「もう帰っちゃうの?」

「はい、急遽来ただけなのでユウキ達に何の説明もしてませんから」

「そう…仕方ないわね。 今回も本当にありがとう、アスカちゃん。また来てね?」

「はい、今度はゆっくりお邪魔しますね?」

「ええ、約束よ。待ってるわ」


王妃様とアリアさんにだけ挨拶して帰る。

時間と場所は…私が屋上から階段へ出たとき誰もいなかったからそこでいいね。

行きの自分と鉢合わないようにして…。 飛ぶ。


アスカの消えた光を寂しげに見つめる2人…。

「よかったのですか?王妃様。陛下も会いたがっておられましたが…」

「ええ、いくら時間を戻せるとはいえ、気分としては早く帰って説明したいでしょう?」

「そうですね」

「後の事は私達の仕事よ。アリアも手伝ってね?」

「はっ!」 






ふぅ…飛ぶのも慣れたものね。魔力多くて良かったってこういう時実感するよ。

これで二人を待たせなくて済む。

「ただいまー。大変だったよ全く…」

「「………気持ち悪っ!」」

「二人してひどくない!?」


「だって、姉ちゃん今出てったとこなんだよ?」

「うん。入れ替わるように帰ってくるから…」

「心配させないように時間を細かく配慮したのに、この扱い…いいよもぅ。知らないっ」

もう一度屋上から階段への扉を開けて階段を下る。 もう教室戻ろっと。

何よ…心配させても怒るし、させないようにしたらあの言い草? (ママおかえりー)

ただいま、ティー。 (ユウキたちなにかいってたよー?)

いいの、知らないっ。 (ママがすねた!)

そういう時もあるよ… (ティーはママが頑張ったの知ってるよー)

ありがと、ティー。




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