表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第二章
117/757

大切なもの



私はアリアさんに連れられていつもの部屋へ。

部屋に入るところをアリアさんに呼び止められた。


「アスカ様、今日は本当にありがとうございました」

「いえ、少しでも恩返しができたなら良かったです」

突然ひざまずくアリアさん。あれ…これいつか見たような。


「私はこの国へ忠誠を誓い、王族の方を守る盾であり剣です。しかし、私はなにも出来ませんでした…。 その時に来てくださったのがアスカ様です。すべての国民に代わり御礼を。 国を、国民を、そして私が守ると誓った王族の方を守っていただき、本当にありがとうございました」


「アリアさん、私ね…この国が好き。温かいこのお城の人達が好き。 この国で出会った人達が好き。だから…みんな無事で良かった。 私、大切なもの守れたよね?」

「はいっ!」




泣いて少しスッキリした。

王妃様は事態の収拾へ向かったみたい。


みんなの前で恥ずかしいとこ見せちゃった。 (ママ…大丈夫?)

ティー! うん、大丈夫だよ。ずっと話しかけてくれなかったじゃない? (ママが怒ってたから…)

怖かった? (うん…すこしー?)

ごめんね…。 (大丈夫ー。ママは優しいの知ってるからー)

ありがとティー。



「アスカ様、ルナティア様がお見えです」

「入ってください」

「はっ」


ルナティアを部屋に通した後アリアさんは一礼して廊下へ。

前よりアリアさんが堅くなってるような…?


「ごめんね、とう様が…」

「うん、もう少し話のできる相手かと思ってたから。ショックだったよ」

「普段ならもう少しマシなんだけどね。それでね?言いにくいのだけど…」

「魔法解いたほうがいい?」

「それはいいの。 実は、かあ様が来てるから、会ってほしくて…」

「わかったよ」

「いいの?あんな事があったのに…ドラゴンだよ?」

「リアにルナティア。 私は貴女達を見てるからね。きっとアイツが特殊でしょ?」

「うん! ありがと。 じゃあ呼んでくるね」



しばらくして、ルナティアが小さな仔ドラゴンを抱いた女の人を連れてきた。

リアがそのままお姉さんになったような人。

「かあ様、この人だよ。リアの大切な人。それと、あのバカとう様を止めてくれたの」

「そうですか、貴女が…。ルナシアと申します。今回は本当にご迷惑をおかけしました…」

「アスカです。 取り敢えず座ってください。赤ちゃんもいるんですから」

「ありがとうございます」

柔らかいソファーへ座るようにすすめる。ルナシアさんも赤ちゃんも可哀想だし…。


「今回の事は本当に申し訳ありませんでした」

「私もごめんなさい。リアを勝手に連れて行ってしまって…」

「そんな! あの子には自分のしたい事をする自由があります、それなのに…」

よかった、ルナシアさんはちゃんと話のわかるドラゴンだ。


「大丈夫ですか?小さなお子さん連れて大変だったんじゃ…」

「ええ…まさか私が子育てで疲れて寝てるうちにこんな事するとは思わず…なにも協力もしてくれないのに問題だけ起こして…」


「そのドラゴン、まだ凍らせたままですけど…大丈夫ですか?」

「はい、一つ間違ったら今回の事は大事でしたから。ドラゴンの討伐部隊が作られても不思議ではない事態です。 事はもう旦那だけの問題ではなくドラゴン全体の問題になっています」


「そうですね、国へ喧嘩売った様なものですものね…」

「長老たちも大騒ぎで…でもきれいに収めて頂いてなんとお礼を言えばいいか…」

収めた事になるの?その辺は王妃様や陛下のお仕事だから…


「私がしたのはあのドラゴンを止めただけですから。その後の話はこの国のトップとして頂かないと私ではわかりませんよ?」

「はい。先程、国王様と王妃様にお話させて頂きまして」

「そうなんですか?」

「止めたのはアスカちゃん。この国の事、そしてドラゴンの事を想って泣いてくれた。そんな優しいアスカちゃんにお礼を。と言われました。

そしてドラゴンへの報復などは一切しないって国王様が約束してくださいました。国への被害は何もない、そして、一人の少女の涙への報復は済んでるからと。」

よかった…。 というか、私のことだよねこの少女って…恥ずかしい!


「そういう事なら安心しました。赤ちゃんいるのに、騒ぎになったら悲しすぎます」

「ええ…この子のためにも今後はしっかり人との共存を考えていきます。今までは人と関わらず距離をとってましたから…」

「それがいいですね、ルナティアみたいに、人の街へみんなが遊びにこれたら素敵です」

「はい。 それと、旦那の事なんですが…」

「そうですね、どうしたらいいですか?」

「あのまま持ち帰らせてくださいませんか?」

「あのままですか!? 私しか解除できませんよ?」

「それでいいんです。長老達に判断を仰ぎます」

「わかりました。えっと、じゃあちょっと待ってくださいね」

解除できる魔道具を作って渡しておこう。流石に永遠にあのままはいくらなんでも…ね。

リア達のお父さんだし…一応。


「少し時間をください、魔道具をお渡ししますから」

「はい?わかりました」 


一気に解いても多分反省しないから凍らせた逆で少しづつ解けるようにしようかな。

あとは…一時的な部分解除とかかな。

話もできないと困るし。頭の氷だけオン、オフつけとこ。

こんなとこかな。


「これを持っていってください」

「これは…?」

「私の魔法を解くためのものです。永遠にあのままは流石に…」

「っ! ありがとうございます。あんなでも旦那なので…」


ルナシアさんに魔力を流してもらい、魔力波長を登録しておいたから他人が勝手に解いたりできない。

一時的な解除や部分解除も説明しておいた。

「何から何までありがとうございます。でもこんな魔道具、私達ドラゴンでも知りませんよ…」

「今考えて作ったものですから」

「そうなのですか?そこまでの方とは…。本当にうちの旦那はとんでもない方に喧嘩を売ったんですね」

ドラゴンにまでとんでも烙印押されたよ…。







評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ