日常だけど非日常
今夜は流石にリアの部屋を作ってる時間はないから私の部屋で一緒に寝る事に。
ティーは小さいドラゴン姿で私に抱かれてる。
「早めにお部屋の準備してあげるから今日は我慢してね?」
「うん、私はこのままでも…」
「自分の空間って大事よ?好きなことできるんだから。それにいつでも私の部屋には来ていいから」
「わかったわ。ありがと」
明日からは取り敢えずティーとお留守番しててもらう事になった。
ティーがいるから安心だよ。 (任せてー)
半分は付いてきてくれるみたいだしね。 (うん、ママと一緒ー)
お城のベッドと違って狭いけど大丈夫かな。
「狭くない?」
「うん、なんか安心する」
「ならいいけど。おやすみ」
「おやすみ」
ティーもおやすみ (おやすみぃー)
〜〜〜〜〜
翌朝、起きたらリアがベッドに居なくてびっくりした。
床で寝てた。 そう言えばこの子少し寝相悪かったっけ。
お城の大きなベッドなら落ちるとかはなかったから気にしなかったけど、うちのだと無理だったか。
リアのお部屋のベッドは大きくしてあげよう。
ティーはドラゴン姿のときは、朝になると大体枕元で丸まってる。
可愛い…。
取り敢えず床にいるリアをベッドに運んであげて寝かせる。
まだ起こす必要ないしね。
着替えなきゃ。学校行くのすっごい久しぶりな気がするよ。
お城のドレスでスカートも慣れたし。スパッツも忘れない。
朝ごはんとお弁当の準備しないとね。
お留守番してくれる子達に渡しておかないと。
台所へ行くと未亜もちょうど降りてきた。
「未亜おはよー。朝ごはんと、お弁当つくるから手伝ってもらえる?」
「おはよーお姉ちゃん。 もちろんだよー」
二人だから早い。あっという間にできちゃった。
そんな手のこんだものを作ってないからだけどね。
「姉ちゃん達おはよー。手伝わなくてごめん」
「いいよ、気にしなくて」
「うんうん、私のスキル上げも兼ねてるからね!」
そうだね、料理してれば上がっていくから。
「ユウキ、これお弁当ね」
「ありがと。姉ちゃん達の料理を食べ慣れてると外で食べれなくなるね」
「そうなの?」
「お姉ちゃんの料理美味しいもんねー早く追いつきたい」
「未亜姉ちゃんのも充分に美味しいからね?」
「ありがとー」
私はティーとリアを起こしてきますか。 (ママおはよー!)
起きたのね、おはよー。リアは? (床に寝てる?)
また落ちたのね。迎えに行くよ。 (はーい)
二階の私の部屋へ入ったら床に転がるドラゴン娘。
「ティーおはよ。人の姿になってたんだ?」
「おはよー! もうすぐママのご飯だから!」
「そだね。できてるよー」
「わーい!」
で、床のドラゴン娘だけど。
家にいたりするときは何故か魔道具切ってるから、翼とかが出てる。
これはこれで可愛らしいからいいのだけど。
翼とかあるのに、よくベッドから落ちるほど転がれるなぁと…。
可哀想だからなんとなくベッドに戻してから起こす。
「リア、起きて。朝ごはんだよ」
「んぁ…アスカおはよぅ〜」
ちょ…そんな抱きつかないの。寝ぼけてるね?
「んー…あれ…アスカおはよ。私なんで抱かれてるの?朝からそうゆう…?」
「寝ぼけて抱きついてきたのリアだからね?」
「え…?」
「ティーも見てたー。ちゅーってしそうだったー」
「……忘れて」
「はいはい。わかったから。朝ご飯だよ?一緒に食べよ」
「ご飯!」
安定の色気より食欲だから安心だね。
みんなで揃って朝ご飯を食べて。
ティー(留守番)とリアにお弁当を渡す。
「お昼になったら食べてね。早く食べちゃうとお腹空くから知らないよ?」
「わかったわ。ちゃんとお昼まで我慢する」
「ティー、留守の間よろしくね。何かあったら呼んで」
「はーい。いってらっしゃい!」
「いってくるねー」
今日は学校終わったら地下にリアの部屋と、訓練所を兼ねて空間拡張しないといけない。
早く学校終わらないかな…。やりたい事がいっぱいだよ。
「おはよ!アスカ。君たちホント仲いいねー?」
「奈々、おはよー」
「おはようございます」
「先輩おはようございます」
そう言えば奈々の事で少し思い出したことがある。
まだ男だった頃、おそらく女の子の中で一番話したりした子だった気がする。
他の女の子にはなんとなく避けられてたからね。今の男の子達みたいに…。
友達だった筈の子からも相変わらず遠巻きに見られてるんだよなぁ…。
教室についてもずっとそんな感じで、居心地が悪い。
用事があるなら話してくれればいいのに。
まぁいいや。気にしないようにするしかないもんね。
あ…宿題。忘れてた。
まだ休み時間あるから間に合うね。
「アスカ、宿題忘れたの?見せてあげ…る必要なさそうね。相変わらずなんてスペックしてるの?この子は」
急がないと間に合わないからね。
「奈々、ありがとね。すぐ終わらせるから大丈夫」
「ソウダネー。てか、話しながら解いてて間違えないの?」
「うん?これくらいなら大丈夫かな。宿題ってこれだけだった?」
「そうだよ、私が何時間かかったと…」
「よしっ終わり」
「片手間で終わらせやがった! 恐ろしい子…」
「失礼ね。ちゃんと解いてるじゃない」
「だから言ってるんだけど!?」
「奈々、朝から何を漫才してるのよ」
誰だっけこの人…。
「ちょっ…アスカちゃん、誰だっけって顔で見ないで?泣くよ私」
ぇぇ……。思い出せない…。
「それより聞いてよ。私が苦労した宿題を話しながら片手間で終わらせたんだよ?」
「大事なことなんだけど!? それにいつものことでしょ?」
「そうだけど!」
魔王のステータスだからとは言えないよね。
それよりホントにこの人誰なの? (ママの友達?)
ティー、記憶にないんだけど…。 (あれー? なんか…忘れてたかも)
ちょっとティー?どういう事…。 (奈々ともう一人の友達いた事になってる?)
そういう設定ってやつかな? (そうそれ! でも1人居なかったから忘れてたー)
何してるの!?今まさに大変よ? (てへっ)
可愛いなぁもぅ。 (ママへ情報いんすとーる!)
ちょ…まって、急に。 うぁ…気持ち悪ぅ。 (しつれいなー)
ごめんごめん、ありがとね。ティー。 (はーい! ルナリアと遊んでくる!)
はいはいー。
ティーのおかげでまた知らない記憶が流れ込んできた。
名前は麻帆。クラス委員をしてる優等生。
奈々とは対象的な性格だけど何故か仲がいい。
私は奈々つながりで仲良くなった、と。
「麻帆…」
「ちゃんと覚えててくれて良かったよ。風邪で休んでる間に忘れられたのかと…」
そうだったんだ。
「風邪はもういいの?」
「うん、一週間寝て過ごすっていう悲しいことになっただけ」
「その前の連休と続きで超大型連休じゃない。アスカも帰ってきたし。麻帆も復活したからやっと三人揃ったね!」
「そうだね、アスカちゃんのホームステイも長かったし」
王城にだけどね…。