第二章開幕?
(いやいやー普通に続き! はっじまっるよー)
ティーどうしたの? (なんでもないよ!)
そう? (うんっ)
昨夜晩餐会を開いてもらった。
ルナティアも一緒に呼ばれて参加。
なんか今後暫くはお城でお世話になるらしい。
ルナリアが作った架け橋とでも言うのかな?それをつないでいく。
ドラゴンに関する脅威への誤解。それを解消して周知していくお手伝いをするんだって。
それが他のドラゴンの安全にもつながるからね。
後、もし…無法なドラゴンが現れたら話し合いなり、対処をしてくれるそう。
そんな事態にならないのが一番だけどね。
私達が帰ることにみんなが寂しがってくれた。
また近いうちに来る約束もしたよ。喜んでくれた。いつでも来てって。
ルナリアとルナティアも会わせてあげたいものね。
それで帰る準備を始めて、部屋の片付けをしてたんだけど…
なんだけど…。
「お姉ちゃん、帰る前にお話があります」
なんだろう…嫌な予感がするのだけど?
「なんでしょう?未亜ちゃん」
「それだよ! お姉ちゃん」
「え?どれ?」
「ルナリアちゃんは呼び捨てなのに、なんで私はいつまでもちゃん付けなの!?納得いかない!」
そこかぁ…。いやもうこれで慣れちゃって…って言える雰囲気じゃないねこれ。
「呼び捨てがいいの?」
「うん。最初に、そのうちそうするって約束したよ?」
そうだっけ?ってそれも言える雰囲気じゃないな。
「わかったよ… 未亜。 これでいい?」
「うんっ! ずっとそのままね?」
「頑張るよ…」
本人が嬉しそうにしてるから良いんだけどさ。
今回忙しくてあまり未亜ちゃ…未亜との時間も取れなかったから、帰ったらゆっくりショッピングや、カフェ行ったりとかしようかな。
寂しくさせたのかもしれない。 (その時はルナリアとお留守番してるー)
ありがとね、ティー。 でもティーともお出かけしたいからね? (うんっ!)
「忘れ物はないし、やり残したことは…大丈夫かな?」
「ユウキ君はギルドだっけ?」
「うん、なんか挨拶してくるって。 ルナリアは?」
「お姉さんと話してくるって言ってたよ」
暫くのお別れだから一緒にいたいんだろうね。
「マジックバッグの使い心地はどう?何かあったら改善するよ?」
「大丈夫! 最初は慣れなくて、なんか気持ち悪く感じたけど慣れたら便利すぎるね」
頭の中にカバンの中身が一覧で出てくるから…。確かに最初は気持ち悪いよね。
「そう、ならよかった」
「うん、ありがとう、お姉ちゃん」
今日の午前中は王女様達はお勉強、王妃様達は執務があるらしく帰るのは午後にしてって言われた。
気がついたら帰ってたとか確かにやだよね。不義理すぎて私もやだし。
なので午前中は帰り仕度をしたら後はのんびり。
「ねぇ、未亜ちゃ…未亜?」
「なぁに?」
「初めての異世界はどうだった?」
「んー正直言葉にできないくらい。 色々ありすぎてまだ気持ちの整理ができてないよ。でもね、楽しかった! これだけは間違いないよ」
「そっかー良かった。連れてきた側だから不安だったんだ」
「連れてきてくれてありがとう、お姉ちゃん」
嘘偽りのない笑顔を向けてくれる未亜ちゃんにホッとするね。 (また、ちゃんってつけたー)
あ…。もうクセだなぁ。ありがとティー。 (はーい)
いざ帰るってなると寂しく感じるものだよね。
ここの人達は本当に温かいから。
また絶対来よう。みんなに会いたい。
午後になり、みんなが見送りに来てくれる。
私の借りてる部屋だと狭いからってホールへ移動したほど。
今回ユリネさんがついてくーって言わないと思ったらティーに威嚇されてて笑った。
メイドさん達、アリアさんに、ルニアさん。王宮魔術師のミルフィさんまで来てくれた。
最後に王族の方たち。
「アスカちゃん達、絶対にまた来てね?約束よ」
「はい。ありがとうございます」
「我が友よ、暫しの別れであるな」
「皆さん…絶対また来てくださいね。魔法、上達しておきます!」
王妃様に王子に王女様。
「今回も色々と世話になったの。まだなにも恩が返せておらんゆえ必ずまた来るのだぞ」
「ありがとうございます、国王陛下」
「妹のことよろしくね。大切にしてあげて」
「はい、勿論です。ルナティアもお仕事頑張って」
「ええ」
「ではまた…。お世話になりました」
それぞれみんな挨拶を交わす。
じゃあいいかな?
「みんな傍によって。くっついてー。魔力流すから受け入れてね?いくよ〜」
アスカ、ユウキ、未亜。行きにはいなかったティーとルナリア。
五人は淡い光とともに王城のホールから消えた。
「寂しくなるわね…」
「はい…お母様」
「きっとまたすぐ来るのである…」
「あ…あーーーー!そうよ。 戻ったり来たりする時間自由にできるんじゃない! わかってて言わなかったわねあの子達…それなら私だって!」
「お母様?なんの話ですか?」
「い、いえ。何でもないのよ?ほほほ…」
「……お母様」
「母上…」
「ほんとに何でもないから! 気にしなくていいのよ」
子供たち2人からジト目を向けられ逃げるようにホールを後にする王妃様でした。
ーアスカ達の自宅の地下室ー
消えたときと同じ淡い光とともに5人の姿が現れる。
「ふぅ…みんな大丈夫?」
「…僕は大丈夫」
「私も平気」
「ティーもー」
ルナリアは?
「ちょっと待って…アスカの魔力ヤバいっ…なにこれぇ…くせになる…」
魔力循環を時間がなくて試せなかったから…。本人も大丈夫って言いはるし。
ちょっと危ないなぁ…一応診ておこう。
魔力はキレイに流れてる。少し興奮してるだけだね。
「姉ちゃん、僕は先に部屋へ戻るね。ありがと」
「うん?わかったよ。 もし母さん達いたら教えてね」
「了解」
唯一の扉である、私の部屋のクローゼットへとつながる空間扉からユウキはさっさと出ていった。
ルナリアもいるから念の為、地下の魔道具を起動しておく。
チョーカーに召喚阻止も付け足さなきゃかな…。
「ルナリアちゃんこんな事になってるから、ユウキ君は気を使ってくれたのかな?」
「かもね…。とりあえず私の部屋で休ませるね。ティーも行くよー」
地下室を見渡してウロウロしてたティーも呼ぶ。
「はーい!」
空間扉抜けるにもルナリアに魔力循環しないと出られないから悪化するなこれ…。
ちょっと聞かせられない声を上げてたルナリアをベッドへ寝かす。
ティーはほんとに難なく通り抜けたね。 (ママの一部みたいなものだもんー)
そうだね。こっちでもこれからよろしくねティー。 (はぁい!)
「お姉ちゃん、私も荷物片付けてくるね」
「うん、お疲れ様。 それと おかえり、未亜」
「ただいま! お姉ちゃんっ」