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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第一章
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スキルと召喚と送還と




一瞬よろけた様になったと思ったらすごい勢いで抱きつかれた。


びっくりしすぎて頭が真っ白になる。

なに?一体何が起こったの?

落ち着け…落ち着くんだ私。


あっ…いい匂いする〜! じゃなくて! 


「ちょ…王妃様?」

急いでスキルを切り、王妃様にかかった魅了を解除する。

「あの、なんかすいません…取り敢えず離れてください」


ただなんていうか、思ってたのとちがった。

今迄ならこんなに綺麗な人に抱きつかれたらもっと嬉しいとかドキドキとかしそうなんだけど。

戸惑いとか混乱、そっちのが強かった。


やっぱり身体が女の子になったから?

そんな事を思ってたらすーっと私から離れた王妃様は俯き何も言わず元の向かいの椅子に座る。

なんか気まずいな。


「…大丈夫ですか?」

「…くない」

「え?」

「大丈夫くない! 制御出来てない時より強力になってる!」

あー力加減間違えたかな。制御した上で私が魔力込めて使ったら…うん、私が悪いね。

「すみません。まだ慣れなくて力加減間違えたんだと思います。あとコレお返ししますね」

せっかく貰ったネックレスだがもう必要ないだろう。このスキルは使う予定もないし。


「それはあげる。貰っておいて。念の為になるかもだし」

「…わかりました。ありがとうございます」

せっかく作ってもらった物だしつけとくか。こっちの世界の魔道具の構造も知りたいし。


「ねぇアスカちゃん。貴女ステータス偽装してる?というか貴女何者なの?」

やっぱりわかっちゃうよね。迷惑かけたし、話しても別に大丈夫かな。

「はい、余計なトラブル避けるために普段から偽装してます。解除するので見てみますか?」



悩んだ末に王妃様は首を振り

「やめておくわ。見ないほうがいいって私のカンがいってる」

「そうですか」

無理に見せるものでもないしいいけどね。


「何者かについては少し長くなりますが…」

そう前置きし、何度も色々な世界に召喚されて戦ったりしたこと。

元の世界へ帰る時には年齢や見た目だけは戻ることなどを掻い摘んで話した。



「なるほどね、年齢に見合わない強者のオーラはそのせいか〜」

そんなオーラ出てるの?私。 …ヤダな。

ていうか待てよ?地球に帰ると年齢や見た目が戻るなら大丈夫なんじゃない?


「アスカちゃんが今何考えてるか何となくわかるけど、元の世界に帰っても性別も見た目も戻らないと思う」

ナンダッテ?


「私の知ってる召喚ってね、違う場所にいる身体から魂を呼んで、此方で現れる時に魂の記憶にある身体が作られてそこに魂が宿るの。呼ばれた世界の方の身体は魂が移動する時に一度消滅してる」

なにそれ…怖いわ〜召喚。消滅とか作られるとか…


「それで今回の召喚の場合、えーっと、言いにくいんだけど…」

嫌な予感しかしない。


「魂が呼ばれ向こうで身体が消滅、此方に魂が呼ばれて身体を作るタイミングで男の子だったから性転換と理想像の女の子の姿になるよう干渉したから…魂に直接書き込まれてしまってると思うの」

なんて事してくれてんだ。私の魂弄ったってこと?もう一度あいつ殴る。絶対に。


「だからそちらの世界に帰っても今の姿のままだと思うわ。絶対ではないけどね…」

マジかぁ…だいぶこの身体にも馴染んできたけどさ。弟や両親になんて説明しよう…。



まぁでも取り敢えず、

「あの、一ついいですか?」

「うん。なぁに?」

「もう一度王子殴っていいですか?」

申し訳なさそうな顔をしながら王妃様は、気持ちはわかるけど加減だけはしてほしい。

一応大切な息子なのでと。


もちろんそれはするけどさ。やっぱり腹立つし。

それと、王妃様自らもう一度召喚魔法陣の解析もしてくれるらしい。

何か分かり次第教えてくれると。大丈夫なのか聞いたら、

「私コレでも元賢者なんだから」とちょっとドヤ顔してた。




結局、暫くはお城に滞在し、街の観光とかも許可された。

アリアさんは案内も兼ねて付いてきてくれるみたい。

そのアリアさんとユリネさんにも魅了かかってたはずだから解いたんだけど…。

あれ?二人とも変わらないような?

意思が強くてかからなかったのかな。

いや、ユリネさんはかかってたよね?おかしいな…






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