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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第一章
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ドラゴン娘街を行く 1



昨日王妃様にダイヤモンドカットにした魔石をプレゼントしたらめちゃくちゃ喜んでくれた。

魔石自体はそんな高品質な物じゃないからってちゃんと言ったよ?



その後ルナリアの外出は国王陛下から快諾がもらえた。

多分謁見の後に、ルナリアと色々話してた事で彼女の人柄をわかって貰えてたのが大きいんじゃないかな。

ルナリア自身で掴み取った外出許可だと思う。




「今日の午前中は街の散策に行きたいと思います! ついてくる人は?」

朝から私の部屋に皆集まってもらっている。

と言っても呼んだのは別室のユウキだけなんだけどね。

「ティーはいくよ!」

「私ももちろん行くわ。せっかく許可もらえたんだもの」

「もちろん私もいくよー」

「ごめん、僕も街へは行くけど別行動かな」

そっかぁ…残念。


「わかったよ、仕方ないね。行くときは一緒に行けるの?」

「いや、もう出るつもりだから。それと帰りは夕方になるかな」

「そう…。気をつけてね」

「わかったよ。姉ちゃん達もね。 未亜姉ちゃん、アスカ姉ちゃんの事よろしくね?」

「任されました」

あれー?おかしいなぁ…。私が保護者のはずなんだけど? (こまけー事気にしないのー)

細かいかなぁ!?


「じゃあ僕は行くね」

そう言ってさっさと出掛けてしまった。 これが姉離れってやつ? (違うと思う…)



出かける準備をしていたら、アリアさんが来てくれて。今回も護衛をしてくれるらしい。

いつもありがとうございます。




アリアさんの操る馬車で街へ出る。

いつも通り途中からは歩きだけど、ルナリアは大喜びしてる。


「見て見て! 人がたくさんいるわ。お店もこんなに…凄いわ」

テンション高すぎて危なっかしいが、これだけ喜んでくれてるとこっちも楽しくなる。

私はティーと手を繋いでのんびりついて行く。


「あまりはしゃぐと人にぶつかるから気をつけてね?」

「わかったわ。ティー、手をつなぎましょ?」

「ティー、ママとがいい…」

「むぅ…つれないわね」

そう言いながらも笑顔だから怒ってる訳ではないみたい。


「なら私とつながない?」

「いいわ。よろしくね、未亜」

「うん。そのチョーカー可愛いねー」

「でしょ?私だけの特別仕様なのよ?」

「ふふっ。大切にしなきゃだね。 (…私のだって特別仕様だもん)」 (ティーのも!)

「もちろんよ!」 

なんか小声で未亜ちゃん張り合ってるし。ティーまで…



こないだ行ったカフェのオープンテラスでお茶をして、市場も見て回る事に。

ただ…カフェで紅茶を飲んでた時ぐらいから少し違和感を感じる。


ん〜、なんか視線を感じるなぁ。悪意は無さそうだけど…。

探索魔法にもそこそこの魔力の持ち主が、一定距離でついてきてる。もちろん知らない人の魔力。

あまりいい気分ではない。


どうしようかな。派手なことはしたくないし、悪い人でもないと思うから…。 (ティーのでばん?)

うーん、どうしようかと思って。 (ティーも感じるの。悪い人じゃないよ?)

だよねぇ。 魔力から伝わるのは、どちらかというと焦りとか不安。


どこかで目立ったりしたかな? それだと焦りや不安はおかしいか…。 (はっ! ママをナンパ!?)

ないない。 (えー。じゃあティーが分体でみてくるー)

見えないとはいえ気をつけるんだよ。 (はーい)  

前にユウキを見に行ったのもその分体だったの? (そーだよ)

便利ねぇ。 (あれ〜?女の人…?)

そうなんだ。 ほら、やっぱり! ナンパなんてされないって。 (むー)


「未亜ちゃん、ルナリア。ティー(本体)と少しだけここで待っててね」

「え?」

「すぐ済むから」

「ええ…」

「アリアさんも、少しだけ待っていてください」

「はっ…」


ティー、少しだけその人の気をそらせてくれる? (まかされたー)


(いくよー) おっけー!


ティーの分体が女性の背後で物音を立てて、咄嗟に女性は振り向く (今!)

アスカの身体がフッと消える。

「お、お姉ちゃん…」

「私でも見えなかったわ…」

「アスカ様は!? 突然消えてしまわれた!」

「アリアさん、大丈夫です。お姉ちゃんの事だからなにか理由があるはずです」

「しかし…」

「大丈夫、あっちへ移動しただけよ」

ルナリアが指さす先に確かにアスカはいた。路地を覗き込むような姿で。



「なにかご用ですか?」

「ひぃ…なんで…目の前にいるの?」

「しばらくついてきてましたよね?」

この人どこかで見たような気がする…? (うーん?)


「ごめんなさい…殺さないで…」

「いきなり人聞きの悪いこと言わないで!? そんな事しないよ!」

「…じゃあなんで?」

「何か用事かな?と思って。違うんですか?」

「だって、うちの妹が…。 あの子に何したの?」

「妹…?  ん〜?   あっ! もしかしてルナリアのお姉さん!?」 (あぁー! 似てるー)

髪は薄い緑色だけど顔はよく似てる。


「お姉さんってあれよね? 必死に姉を探して迎えに来た妹を返り討ちにして…」

「うぐっ…」

「人化が未熟ってバカにして」

「ぐはっ…」

「妹を置き去りにして1人で街へ遊びに行ったっていう?」

「ふぐぅ…」  (ママ、それ以上は…この人ひんしー)


「そうよ…だったらなに? 私にもあの子みたいに首輪つけて酷いことするの…?」 

「は?」

「だって…」

「あれ、首輪じゃなくてチョーカー。それに酷いことした覚えないのだけど?」 (ママはそんな事しないよ!)

「うそよ!」

このドラゴン、人の話を聞かないタイプかな?

ティー、悪いけどみんなを連れてきて貰える? (はーい)


「無理やり首輪をつけたに決まってるわ! 酷い…リアはまだ子供なのに!」

これは私が何を言ってもダメだろうなぁ。ルナリアに任せよう。


「ママ、きたよー」

「お姉ちゃん、何だったの? って女の人?なんでお姉ちゃんを睨みながら泣いてるの!?」

「アスカ様、ご無事ですか!」

「大丈夫です、順番に説明するから…取り敢えずルナリア、この人話通じないんだけど…」

「え? だれよ…って、ねえ様!? なんでここに…」

「リア…大丈夫?なにされたの?角や翼まで… ごめんね、私じゃコイツ倒せないよ…助けてあげられない」

「はい? ねえ様は何を言ってるの?」


私達は少し離れて、二人で話してもらう事にした。

私がいると悪化しかしなさそうだからね。 (ママ悪くないのにー)

そうだけどね。ルナリアの事心配してるみたいだし、理由がありそうよ? (うーん?)


ルナリアが何か必死に話してる。

チョーカー外しちゃったよ!? ヤバい…路地に隠蔽魔法! 

ふぅ〜。 なんとか間に合った…人がいなくて良かったよ。 



「結局なにがあったの?お姉ちゃん」

「うん、説明しなきゃね」

アリアさんにも心配かけちゃったし。


しばらく後をつけられてたけど悪意はなかった事、その相手をティー(分体)と捕まえた事。

それがルナリアのお姉さんだったけど、何か誤解があって話を聞いてくれない事。

それらをかいつまんで話した。

「まさかつけられていたとは…気がつけず申し訳ありません!」

「いえ、私も魔法使ってたから気がついただけで。じゃなかったら、わからなかったです」  


(なんかドラゴン二人がイチャイチャしてるー?)

ん? あぁ、あれは違うよ。 仲良しがするぎゅーだね。 (うーん?)

「ママ、ティーもぎゅー」

「ん、おいで〜」

小さなティーを抱きしめてあげる。 (んふふ〜♪)

あぁもぅ…可愛いなぁ。




そろそろ…あちらの話はまとまったのかな?









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