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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第一章
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魔石と魔道具



ちょっとしたフルーツパーティも終わり一息つく。


「アスカちゃん、体調はどう?落ち着いたかしら?」

「はい、お陰様で楽になりました。まさか耐性無視してダメージ入るとは思いませんでした…」

「仕方ないわよ。これからは教えてあげた魔法があれば苦しまなくてすむから」

「ありがとうございます」

沈みがちだった気分も上向いてきた気がする。



「そうだ…王妃様にお聞きしたいことがありまして」

「うん?何かしら…」

「こないだギルドで治療した時に鑑定の魔道具を借りたんですが、術式覚えてしまって…」

「…ギルドのってかなり精度のいいもので、今はもう作れる人いないのよ?現存してる数も少ないから優先的にギルドに置いているのだけど、まさか…」

「作れます…。ただ許可が必要だろうと思って作ってはいません」

「はぁ〜ホントにこの子は。予想を飛び越えてくるわね」

「すみません…」


「いえ、いいのよ。ちゃんと判断を仰いでくれた訳だし。そうね、作るのは構わないけど…出回るような事はしないでくれる?大量生産して売る、とかね」

「しません! 自分で考えたものでもありませんから。 私が使うだけです」

「それならいいわ。 後、できたら私にもいくつか作ってくれないかしら?勿論魔石は出すから」

「はい。勿論」

「助かるわ…すべてのギルドに配置できてないからね。それに私も作れるようになりたいのよ」

「では、一緒に作りましょう?」

「ホントに?昨日魔道具のこと教えるの止めようかーみたいな話になってたから」

昨日は多分、精神的にも弱ってたんだと思う。


「えっと…やらかして迷惑かけたりするんじゃないかって不安になったからで…。でも皆のおかげで元気も出ましたし、まず私にできる事をしようって思ったんです」

「ありがとう、嬉しいわ。楽しみだったから」

約束してたものね。ごめんなさい。


「じゃあ明日時間を開けておいてくれる?午後がいいわね」

「わかりました。午後ですね。じゃあ午前中はルナリアをつれて少し街へ行ってきます」

「え?ルナリアちゃん? それは流石に許可できないわ。だって…」

あ、そっか。話してなかった。

ルナリアは、と…ティーとソファーで寛いでるね。悪いけどちょっと呼ばないと。 (わかったー!)


私が呼ばなくてもティーがルナリアを連れてきてくれた。

ありがとね、ティー。 (うんっ)


「王妃様、ちょっと見ててくださいね。 ルナリア、チョーカーを起動して見せてくれる?」

「わかったわ」

「アスカちゃん何が始まるの? なんとなく予想は出来るけど…まさかよね?」

すーっとルナリアの翼や角が消えていく。


「これでいいかしら?」

「うん、ありがとね。街へ行く許可を貰うためだから」

「そうなの? 行ってみたいけど…ダメならちゃんと諦めるわ」

連れていってあげたいな…。


「アスカちゃん、これって魔道具で見えなくしているの?」

「はい、見えなくするだけと、一時的にですが消せます。 これで許可貰えませんか?」

「そうね、一度陛下に相談してみるわ。それからでもいいかしら?」

「はい。お手数おかけします」

「いいのよ、それくらい。 それにしても凄いわね…どうなってるのか見当もつかないわ」

王妃様はテーブルから離れてルナリアの周りを歩きながら見て回ってる。


(ママ、ティーも一緒に行ってもいい?)

大丈夫だよ。ただし! (ただしー?)

私の言うことをちゃんと聞くこと! 1人でフラフラどこかに行ったらダメよ? (わかった!)

それならいいよ。 (わーい!)

何があるかわからないから、目の届くとこにいてほしいって思う。大切だから…。 (!♪)



王妃様、まだルナリアを見てるのね。

ルナリアがそろそろ恥ずかしさで限界っぽいからやめてあげてほしいな…。

「王妃様、他にも1つ見ていただきたいものがあって…」


「え?他にもなにか作ったの!?」

王妃様が私の方へ戻ってきて椅子に座る。

これでルナリアも解放されたね。 ティー、ルナリアのフォローしてあげてー。 (任されたー)


「マジックバッグ作るための物なんですが…」

「それなら私も作ってるわ。アリアたちに持たせてるのよ?」

「はい、アリアさんから聞きました。かなりの数ですよね?」

「そうね、大変だったわ。でも、あると便利だから」

「私もちょうど未亜ちゃんに作ってあげる約束をしてて、それで思いついたのがこれです」

さっき作ったワッペンを取り出してテーブルに置く。


「うん?これカバンじゃ無いわよね?」

「これも魔道具の一種です。好きなカバンの内側に貼ればマジックバッグになります」

「………」

「…王妃様?」

「これが? 魔道具?ペラペラじゃない!」

「はい。ワッペンにしました。貼った人を認証するので他の人は出し入れできません」

「見てもいいかしら?」

「はい」

バターンってならなかったから大丈夫よね? (それはどうかなぁ…)

怖いこと言わないで!? (だって、ママの魔道具技術はせかいいちー) 

それは言いすぎだよ。 (ティーのママはせかいいちなのー)

ありがと、ティーのママとしてならそう有りたいね。 (うん!)


「アスカちゃん、これ意味がわからないのだけど…術式が刺繍になってるの?」

「そうですね、魔石から作った魔力糸で。 カバンを選ばないので便利だと思うのですが」

「確かにそうだけど…これアスカちゃんしか作れないわね」

そんなはずは… (ママしか無理だよー)


「理由を聞いてもいいですか?」

「そもそも、これが何でできてるかもわからないわ。魔力糸?なにそれ…」

「柔らかい魔石を板状にしたものと、糸状にしたものなんですが」

「その加工もアスカちゃんがしてるのよね?」

「はい」

「私達は魔石を削って形を変えるくらいしかできないのよ。しかもそれをすると魔石の価値が下がるの。書き込むための容量が減ってしまうと言えばわかるかしら」

「なるほど。 私は形を変えるのに削らないので…」

「ええ!? それならどうやって加工してるの?」

見せたほうが早いかな? 適当な魔石を1つ取り出す。


「やってみますね?」

魔石に魔力を流しながら包み込む。これも一種の魔力ドームかな。

イメージ通りに形を変えてゆく。 今回は分かりやすくするために、あえて複雑な形にしてみた。

所謂ダイヤモンドカット。キレイだよねこれ。

「こんな感じですが…」

ダイヤモンドカットされた紫色の魔石をテーブルに置く。サイズは2センチ程。

魔石は基本的に半透明だからアメジストみたいに見えるね。


「見てもいいかしら?」

「どうぞ。形を変えた以外は真っさらの魔石です」

「キレイ…私の持ってるどの宝石よりキレイ…」

形の方に意識持ってかれてしまったかな? (あのデザインは人をみりょーするー)

そうかも? 


「加工はこんな感じなのですが…」

うん、聞いてないや。


あの魔石は王妃様にプレゼントしよう。そんないい魔石でもないから失礼かもだけど…。

魔石は 黄ー緑ー青ー赤 の順に質が上がる。勿論中間色もあるし、例外もある。

赤の上に黒、更に上が無色透明。 使えないのが濁った物。

ただし、濁りを取る事ができれば使える。

なので紫色なら上位の魔獣とかならだいたい落とすからね。 


王妃様が正気に戻ったのは10分ほど後だった。











今回から投稿が一日一話になります。

ご了承ください。

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