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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第一章
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午後の一時に



テーブルをキレイにして一息つく。

ティーは膝の上で、なぜかルナリアは椅子を横に持ってきて腕を組む形でくっついてる。

動けなくなった…。

まぁもうすることもないからいっか。


のんびりしてたら探索魔法でユウキの魔力が近づいてくるのがわかった。

ギルドの用事終わったのかな。

こっちにくるみたいね。

扉の前で声をかけてくれる。

「姉ちゃん、入っても大丈夫?」

「うん。大丈夫よ」



「おかえり」

「ただいまーって姉ちゃん…動けなくない?それ」

「まぁね。 それでギルドの用事は済んだの?」

「うん、その事で姉ちゃんに用があってね。はいこれ」

テーブルにドサっと革袋が置かれる。お金だよねこれ。なにこの量…。


「どういう事?」

「ギルドから姉ちゃんへの報酬だよ」

「…多すぎでしょ」

メロンくらいあるよ、この革袋。


「助けた冒険者からのお礼と、ギルドが解毒剤を買い取った分、魔獣特定の功績、それに…」

「ストップ、わかったから。それにしたって多いでしょ」

「僕に言われても」

「それに私冒険者じゃないよ?」

「そこは、まとめて僕に渡されたんだよ」

「ならこれユウキの分もあるんでしょ」

「別にもらってる」

使い切れないよ…どーすんのこれ。


「ギルマスがお礼を言いたかったみたいだよ」

もう一杯言ってもらったよ…。


「ギルドから表彰もあるからって」

「無理、断るからね」

「わかってるよ、ちゃんと止めたよそれは。頑張ったんだよ?」

「ありがとうユウキ」

「だからこれは断れなかったんだよ」

はぁ…仕方ないね。


「わかったよ、ありがとね」

「いいよ、それで体調は大丈夫?」

「うん、もう平気だから」

「よかったよ、無理はしないでね?」

「うん」

それだけ言うとユウキは部屋を出ていった。


「ユウキは大人びてるわね」

「そう思うよね、私より落ち着いてる気がする」

「別にいいじゃない。アスカは今のままでいいのよ」

「そだよー。ティーは今のママが好きー」

「ありがとう二人共」

こうやってのんびりするのもいいなぁ。


あれ…?この魔力は未亜ちゃんと王女様かな?

こっちに来てる。未亜ちゃんと一緒だから王女様も扉バーンはしないよね?



「お姉ちゃん、起きてる?」

「うん、入って大丈夫だよ」

メイドさんが使うカートを引いた未亜ちゃんと王女様が部屋へ。


「なんですか、アスカ様この状況は…?」

「うん?」

「二人ともお姉ちゃん独占するのはズルいよ!?」

「少しくらいいいじゃない。私は今幸せなのよ」

「私も混ざりたいです…」

王女様はダメじゃないかなぁ…。


「それより、用事は済んだの?」

「そうだった。お姉ちゃん、はいこれ」

未亜ちゃんはカートから大きなお皿を取ると手渡してくれる。

キレイに並べられたカットフルーツ?


「ありがとう、でもどうしたのこれ?」

「王妃様やメイドさんたちに聞いて、食べやすいフルーツを王女様とカットしたの」

「今日アスカ様何も食べておられませんから…食べやすいものならと」

そう言えばそうだね…。朝から色々あったから。


「ありがとう。嬉しいよ…。大変だったでしょ?こんなにいろいろな種類」

「二人だったからそんな事もないよ?」

「いえ、私は殆ど役に立たなくて…」

王女様だから刃物とか使い慣れてないのかな?


「そんなこと無いです! 王女様がいなかったら私だけじゃ出来なかったですから」

「はいっ」

ほんと仲良くなったねぇ。


「ありがとう、食べてもいいかな?」

「うん、食べて食べて」

キレイに並べてあるから崩すの勿体ないくらいだけど、

うさぎリンゴみたいになってるピンクのフルーツをフォークで食べる。

「おいしい…」

なんか色々沁みるわ…。


「我が国のフルーツがお口にあったようで良かったです」

「ありがとうございます、王女様。 みんなで食べませんか?」

「そう思って…みんなの分もあるよー」

未亜ちゃんはカートから私のよりは小さなお皿を出してテーブルに並べていく。


「ティーもいいのー?」

「もちろんだよー。はい、フォーク」

「ありがとー♪」

「ルナリアちゃんも、フォークをどうぞ」

「ありがとう。いただくわ」

ルナリアも食べるために腕を離してくれる。


みんなでお話しながらフルーツを食べる。

色が違ったりするけど、だいたい知ってるフルーツだった。

何か作れそうだなぁ。パイとか…。


今度は…王妃様?こっちに向かってるね。



「アスカちゃん、入るわよー」

「はい、どうぞ〜」



「あらあら、皆でフルーツパーティ?」

「お母様も…はい」

王女様からフォークでフルーツをもらう王妃様。

「うん、やっぱりウチの国のフルーツは美味しいわね」

特産品だったりするのだろうか…。


あ、そうだ。いいものあるんだった。

じゃーん。バニラアイスー! 業務用BIGサイズ!

「ママ、それなに!?」

「ちょっと待ってね、お皿に出してあげるから」

ティーが食べてるフルーツ皿にアイスクリームを盛り付けてあげる。

「冷たいから気をつけてね?」

「わーい。ありがとママ! んっまぁ〜! あま〜い! つめたいっ!」

「…アスカ。私もー」

「はい、一気に食べると冷たいから気をつけてね?」

「わかったわ、  …なに…これ。美味しい」


「アスカ様…」

王女様ってチョコケーキ好きだったよね?

ならそれも…。チョコアイスも出す。

王女様のお皿に2種類のアイスを盛ってあげる。

「色の違うのが…これは?」

「多分、王女様のお好きな味だと思いますよ?」

「ありがとうございます! はふぅ…チョコレートだぁ〜」


「アスカちゃん! 私も」

王妃様はお皿がなかったから未亜ちゃんがカートから渡してくれた。

フルーツと一緒に盛り付けて手渡す。

「冷たくて甘いわ…ウチのフルーツにも合う。なにこれぇ…」


王妃様が蕩けてる間にティーとルナリアにもチョコアイスを追加で盛ってあげる。


「未亜ちゃんもどうぞ」

隣で手伝ってくれてたから渡すの最後になっちゃったけど。

「ありがとう、お姉ちゃん。フルーツパフェみたいになったね」

「だね〜。アイスクリームなら簡単に作れるけど…業務用を常備してて良かった」


「アスカちゃん、簡単に作れるって今言った?」

あ…しまった。 またやらかしたかな?

「は、はい…。白い方のであれば。ミルク、砂糖、卵、バニラビーンズがあれば…」

チョコは作ったことないなぁ。

「教えてもらうことはできないかしら?」

私のレシピじゃないけど、一般的なのだから大丈夫よね?


「はい、かまいません」

紙に材料、作り方や注意点を書いて手渡す。

「ありがとう、バニラビーンズ?がわからないわね…」

そっか…無くてもできるけどあったほうがいい。


「えっと…細いサヤに細かい粒が入ってて…って私持ってるわ」

取り出してサヤごとバニラビーンズを渡す。

「これがそうなのね…」

「その香りが特徴なんですが似たようなものってないですか?」

「甘い香りね、これ借りてもいいかしら?」

「あ、差し上げますので、持っていってください。似たようなの見つかったら教えていただけたら…」

「もちろんよ! ありがとうアスカちゃん」


「お姉ちゃんよくバニラビーンズ持ってたね?」

「時々お菓子も作ってたからね。私はそこまで甘いもの食べないけどユウキは好きだから」

「あ、じゃあこれも持っていってあげる?」

「そうだね、お願いしてもいい?」

「うん、任せて」

ユウキの分を盛り付けて渡す。それを持って未亜ちゃんはユウキの元へむかった。


ティーがまた口の周り大変なことになってるし、拭いてあげないと。

って…ルナリア今わざと口の周りにアイスつけなかった!?拭いてあげるけどさ。

そんな嬉しそうに…。





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