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召喚被害者の日常は常識なんかじゃ語れない  作者: 狐のボタン
第一章
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元魔王、人の痛みを知る



メイドさん達に手伝ってもらって片付けも終わり、もちろんキッチンとかもキレイに消したよ。

ユリネさんや何人かのメイドさんがオーブンに興味を示してたけど極秘事項ってごまかした。



さすがお城だよね。王族用の大きなお風呂があって貸してもらえたからサッパリしたよ。

普段借りてたのは来客用のだったみたい。

私も未亜ちゃんも油まみれだったもの。近くにいたティーとルナリアもだけど。

皆でお風呂も慣れちゃった。前はあんなに抵抗あったのにね。


それにしてもティーはわかってたけどルナリアまで同じ部屋がいいって言うとは思わなかった。

確かに傍にいるって言ったけどね。

大きなベッドだし全員で寝ても余裕あるから心配はしてない。

ただね?誰が隣かで揉めるのはやめよう?

「ティーはママの傍じゃなきゃやーの!」

「私は傍から離れない約束なのよ?」

「私だって隣がいいよ…」

もぅ…未亜ちゃんまで張り合ってるし。


「ティー、ドラゴンの姿なら抱っこして寝てあげられるよ?」

ぽんっ…とドラゴンになって腕に飛び込んできた。 (にゅふふー♪)

「これで二人は隣ね?それでいい?」

「なんか釈然としないけど…いいわ」

「ティーちゃんいいな…」

私は布団じゃないから。


「じゃあ寝るよー」

ベッドに上がり並んで横になる。広いはずのベッドが狭い気がするわ。

「ママおやすみー」

「はい、皆もおやすみー」

「おやすみなさい」

「おやすみ」






〜夜明け前〜


うっ…ぐぅぅ…痛ったぃ…なにこれ…。食べすぎた…?

いや、そんな食べてないし…状態異常なんてなる筈がない。

じゃあなにこれ…いったぁ…しぬっ…。 (ママ?ママ! 大丈夫?)

「ママがしんじゃう!! 未亜! ねぇールナリア起きてー!」 

「…ティー?どうしたのよ。まだ夜明け前よ?」

「ママが!」

っ…大きな声ひびく… (ごめんなさい。でも…)

「お姉ちゃん、どうしたの!?顔色真っ青だよ!」

「お腹痛くって…ごめんね、起こして…」

「そんな事いいから…。 お姉ちゃん状態異常や病気ならない筈なのに…」

「うん?アスカ…貴女…。 未亜、ちょっときて」

「え?今それどころじゃ…」

「アスカのことだから早くきなさい!」

「わかった」

「ママのこと!?」

部屋の隅で何やら話し合う3人。


っ…く…。こんな痛みなんて感じるのいつぶりだろ…。病気もケガもすることないから。

痛みに弱くなってるのかな…。ぐっ…ぁ…きっつ…



「お姉ちゃん、ちょっとごめんね。  あぁ…そっか。初めてなんだね。待ってね。持ってるから」

…未亜ちゃん、なんの話? うぅ…嫌な汗かいてきた…。





〜30分後〜


まだ痛いけど原因がわかっただけ気分的にマシ。

取り敢えず痛みは魔法で和らげたし。何か対策しないと…こんなの定期的とか無理。

「三人ともありがとうね、夜が開ける前からごめんね…」

「予想しておくべきだったよ。私も」

「ママ大丈夫…?」

「うん、ありがとねティー。みんなを起こしてくれて」

「細かいこと気にしなくていいのよアスカは。大人しくしてなさい」


イヤな汗もかいたしクリーンもかけた。

少し休もう、こんなに消耗したのいつぶりだろう…。






〜2時間後〜



「んっ…う……」

あれ私寝てた? (ママ起きたー?)

うん、おはよ。 (おはよー今そっち行くのー)

寝てる私を起こさないように違う部屋にいたのかな。

みんなの魔力が部屋に近づいてくるのがわかる。

王妃様も一緒みたい。

ユウキの部屋にいたのね。ユウキは…こないか。


扉をあけてティーがててててっと走ってくる。

あぁ…かわいい。癒やされる。 (ふふん♪)

「ママー平気?」

「うん、ありがとね」


「アスカちゃん大変だったわね?」

「はい。もう死ぬかと思いました…痛みを感じたのが久しぶり過ぎて過剰反応したのかも」

「いえ、そんなものよ。だからね、いい魔法を教えてあげるわ」


そう言った王妃様に教えてもらった特殊な魔法。

未亜ちゃんも覚えたのだとか。

「冒険者はほとんど使えるか、使える人がパーティにいるわ。仕事にならないもの」

確かに…冒険者なんてやってらんないわ。


「ありがとうございます。この御恩は決して忘れません」

「オーバーねぇ…でもそうね。そう思うのなら無理しないでちゃんと周りを頼りなさい」

「はい」

「いくら強くて色々出来たって女の子なのよ?前とは違うんだから」

「わかりました」


それにしてもなんで今なんだろ…こっちで過ごした最初の3ヶ月は何事もなく過ごしたのに。 (身体と魂が完全に馴染んだー?)

ふむーそうなるともう男に戻ることは出来ないと思ったほうがいいね。 (うん、むりー?)

そっか…。 ショック…でもないな。意外だわ。 (ママはママだよー)

そうね。もうこのままでいいって思えるよ。それなら…。


「王妃様、少し大切なお話が…」

「何かしら?」

「もう魔法陣の解析はやめて下さい」

「え?また迷惑かかるとか思ってるのなら…」

「いえ、違うんです。今回の事ではっきり決めたんです。このまま生きてくって。なのでもういいんです。私にはユウキに未亜ちゃん。今はティーっていう理解のある家族がいますから」

「そう。わかったわ。でもこれだけは言わせて! 私にとっても家族と同じなんだからね?それだけは忘れないで」

「ありがとうございます。えっと…お母様?」

「くふっ…すっごい破壊力…」 

ちょっと言ってみただけなのに。



「私も居るのだけど? あのね、命を救われたドラゴンはその相手と番になるのよ?」

「「えええっ!」」

「初耳なんですが…」 (祝! ママ、ドラゴンと結婚)

祝! じゃないよ!?

「今初めて言ったもの。だってアスカ、貴女メスじゃない。だから番じゃなくて盟友よ。命ある限り私はアスカの力になるし味方でいるわよ。例えアスカが闇に落ちてもね」 

「落ちないから。でもありがとう、ルナリア。ならルナリアも家族だね?」

「そ、そうね…お姉ちゃんって呼ぶといいわ」

「妹っぽいのだけど…」

「もぅ! どっちでもいいわよ。似たような年齢だし?私がお姉ちゃんって呼べばいいの?」

「好きなようにしていいよ。強制するような事じゃないから」

「…わかったわ」


「アスカちゃんの勢力がどんどん拡大していくわ…闇落ちしたらだめよ?」

「しませんよ…」







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