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第十三話    友人

      第十三話   友人


「暁 桃次郎の家は千年以上前から続く鬼狩りの家系だ。誰よりも鬼に詳しい。」


この瞬間話していた要も、炭勝も、全員が凍り付いた

そして同級生でもある炭勝が恐る恐る声を上げた


「どういう、ことなの、桃次郎君の家は本当に千年も続く鬼狩りの家系なの?」


桃次郎が話しずらそうに話し始めた。


「‥隠していてすまなかった。僕の家が代々続く鬼狩りの家系なのは本当だ。」

「どうしても、一つ聞きたいことがあるんだ。」

「いまさら隠し事をしても始まらない、なんでも聞いてくれ。」

「桃次郎君は鬼狩りの人だから僕と友達になったの?それともたまたま…?」

「……」

「桃次郎君…?」

「…随分、核心を突いた質問してくるな、炭勝。」


炭勝の心中を察してか、桃次郎の対する怒りか、要が割って入る


「もうわかっただろ。炭勝。桃次郎は使命の為にお前に近づいたんだ。」

「本当にそうなの?桃次郎君!」

「炭勝、もうよせ。」

「桃次郎君と僕の間には確かに、友情って呼べるものがあったんだ…」

「…炭勝。」


答えずらそうにしていた桃次郎が炭勝に近寄る。


「誓って言うが、私は使命の為に君に近づいたわけでは無い。」

「でも鬼狩りの家系って…」

「もちろん、家の事は承知している。鬼狩りの修行もずっとしている。」

「だったら…」

「つい最近なんだ。」

「何が?」

「君の護衛を言い渡されたのが。」

「いつだったの?」

「高校に入学して君と出会った後だ。」

「…最近じゃないか、どうしてそんな急に…」

「急なことじゃない。」


藤川が割って入る


「藤川巡査…」


藤川 真実巡査が口を挟んだがこれに意を唱えることが誰にもできなかった。


「暁 桃次郎は門田 炭勝の護衛になることは生まれる前から決まっていた。」

「でも最近聞いたって…」

「本人に知らされたのが最近なだけだ。」

「じゃ、同じ高校なのは・・・?」

「ただの偶然だ。」

「違い学校だったら?桃次郎君は護衛じゃなかったの?」

「いや。変わらない。暁 桃次郎は門田 炭勝の護衛だ。」


要の疑問がますます増していく


「なぜ暁 桃次郎は炭勝の護衛であることにこだわるんだ?」


疑問が解消されるどころか増える一方の要が不機嫌に聞いた


「炭勝にじゃない。」

「じゃなんだ?」

「門田家の護衛であることに拘ってるんだ。」

「同じことだ。なぜ護衛対象が決まっているんだ?仮にも友人、親友だぞ。」

「決まっているからだ。」

「酷だと思わないのか?親友を盾にするんだぞ?」

「炭勝には酷かもな。」

「桃次郎は違うのか?」

「暁 桃次郎は門田 炭勝を守る力を持っている。」

「だからって親友の盾にしろって言うのか?あんた達は?」

「仮に暁 桃次郎でない護衛が門田 炭勝を守ることになった。」

「それの何が悪い。」

「万が一門田 炭勝が死亡したら。」

「それは可能性の話だ。結果論だ。」

「だが暁 桃次郎なら守れたかもしれない。」

「それも可能性の話だ。絶対じゃない。」

「我々も暁 桃次郎と同じ考えだ。」

「何がだ。」

「暁 桃次郎が護衛なら違う結果になる。」

「何を馬鹿な、そんな都合よく…」

「それほどの強さなのさ、暁 桃次郎は。」


それまでとても困った顔をしてた炭勝が口を開いた。


「そんなに強いの?桃次郎君は?」

「四代目 獄炎斬術 師範  暁 桃次郎。歴代最強だ。」

「そんなに・・・?」


炭勝からしたら考えられない肩書だった。

絶句する炭勝に桃次郎が語り掛ける。


「そんなすごいことじゃないよ。」

「でも師範て…」

「僕は暁の家に生まれて、精一杯生きてきただけさ。」

「でも、歴代最強って…」

「まだ四代だからね、この流派になって百年くらいの歴史なんだよ。」

「でももう歴代最強なんでしょ?」

「誤解してるよ。獄炎斬術は純粋な剣術じゃないんだ。」

「剣術じゃ…ない?」

「獄炎斬術は鬼を滅するための術。科学や薬学も取り入れられている。」

「科学?薬学?」

「技術の進歩でどんどん強力になっていくんだ。」

「桃次郎君も強くなってるんでしょう?」

「もちろん。新しい技術を使いこなせるようにならないといけないし。」

「安心した。」

「何がだい?」

「桃次郎君は僕の知ってる桃次郎君だ。」

「!そうさ、僕は暁 桃次郎。君の親友だ。」


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