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第一話 予兆

この作品は「鬼滅の刃」の影響を大きく受けています。

オマージュ、リスペクト、表現の仕方は限定しませんがファンタジー要素をできるだけなくし、現代でも今すぐここで起こりえる食人鬼、あるいは吸血鬼と戦う物語を書いてみました。

こういった類似作品に対し受け入れがたく嫌悪感を感じる方が一定数存在するのは仕方のないことなので、受け入れられない方は読むのを控えていただければ幸いです。

人の類似生物を科学的に創造し軍事的に、あるいは商業的に利用しようとする組織があったなら。

それは現代社会の現代科学において不可能なことではないのでないかと思う作品です。

不快に感じる前に読むのをやめていただければとも思う。ちょっと毒のある作品です。

             第一話  予兆


暗闇の中から声が聞こえる。


「…ついに来た…」

「…完成した…」

「……我々の時代が…」

「…これからだ…」

「…待っていろ…」

「…鬼狩りの者ども‥‥」


「っていう夢を見たんだよね。」

「ちょっと怖いね」


学校帰りの高校生二人組。

どこにでもある風景だ。


「じゃあな炭勝くん、明日は遅刻するなよ。」

「頑張って起きるよじゃ、また明日。桃次郎君」


そう言って2人は帰路を急ぐ

いつもと同じ帰り道のはずだった。

だが少しだけいつもと違っていた。

炭一の住むマンションの前に、


「パトカーだ。何かあったのかな?」


そして家に帰って来た。


「ただいまー」


帰ってくるなり母が出迎えてくれた


「おかえりなさい、炭勝。待ってたわ」

「母さん、何かあったの?」

「今、警察の人が来てるの。」

「!何かあったの?」

「うちじゃないんだけど…」

「うちじゃないって・・・?」


そう言って中に入ると

警官の背中越しに兄の姿が見える


「要兄さん!どうしたんだ?」


警察官二人の前に兄が座っている

まるで兄が取り調べを受けているみたいに見える


「兄が、兄が何かしたんですか?」


現状に驚いた炭勝が警官に問い詰める。

すると、


「何言ってんだ炭勝!僕がそんな事するわけないだろ!」

「だってお巡りさんが来てるよ!」

「とりあえずお前も座れ。待ってたんだ。」


そう言って兄の横に炭勝は座った。

四人掛けのテーブル椅子に警官二人と対面した。

席に座り警官を見た炭勝は思わず驚いてしまった。


「あっ‼」


炭勝の顔を見た警官も少々驚いていた。


「そうか、ここはお前の家だったか。」

「ええっと…あの…」


これまでに高校の登校の際に何度も怒られていた。

それこそ炭勝に恨みでもあるかの如く注意していた。

まるで炭勝が罪人みたいになってしまった。


「門田 炭勝。」

「はい。」

「今日は別件で来ている。」

「はい。」

「今日は兄の要君がメインだ。」

「はい?」

「門田 炭勝、お前のことはまた今度だ。」

「はい・・・。」


そう言って警官は要に向き直った。

なのに、


「今日はどういう要件でいらしたんですか?」


炭勝が割って入って来た。


「…今話してるところだ。」


警官は何とも言えない表情をしていた。


「泥棒が入ったんだ。」


要が一言で説明した。

すると炭勝が、


「えっ!?ウチに泥棒が入ったの?」

「うちにじゃない。」

「じゃなんでウチにお巡りさんが来てるのさ?」

「泥棒が入ったのは(あかり)の家だ。」

「あかりさん?兄さんの彼女の?」

「そうだ。」

「それでどうしてウチにお巡りさんが来るのさ?」

「炭勝。」

「ん?」

「それを今からお巡りさんが説明してくれるんだ。」

「つまり。」

「何だ?」

「知らないんだね?兄さん?」

「黙ってろ。」


炭勝はだまってしまい、今度は警官が話し始めた。


「では門田 要さんにお聞きします。」

「はい。」

「窃盗の被害にあったのは吾妻 燈さんの家です。吾妻 燈さんはご存知ですね?」

「はい。」

「被害にあったのは吾妻 燈さんの日記です。」

「はい?」

「家中荒らされていました。」

「はい。」

「なのに盗まれていたのは彼女の日記だけです。」

「はぁ、それが何か?」

「その日記に書かれているのは。」

「はい。」

「門田 要さん」

「はい。」

「あなたの事だけだそうです。」

「…そう…ですか。」

「そうなってくるとですね。」

「はい。」

「犯人は、」


「兄が犯人だって言うんですか!?」


突然炭勝が割って入って来た。


「…そうではありません。」

「じゃどういうことなんですか?」


今度は要が割って入る


「炭勝。」

「兄さんも何とか言いなよ!」

「炭勝。」

「兄さん疑われてるんだよ?」

「炭勝。」

「兄さんを犯人扱いするなんてどういうつもりですか?」

「炭勝。」

「兄はそんなことしません。」

「黙ってろ!炭勝。」

「兄さん…兄さんが疑われてるのに黙ってるからじゃないか!」

「疑われてないわ!お前ちょっと黙ってろ!」

「じゃなんでお巡りさんが来てんだよ!」

「いいから黙って聞け!」

「黙れるわけないだろ!兄さんを犯人扱いされて!」

「犯人扱いしてるのはお前だ!座れ炭勝!」

「どうしてそんな落ち着いていられるんだ!兄さんは!」

「これのどこが落ち着いてんだ!いいから黙れ!座れ!話が進まないだろ!」


数秒後、二人は睨みあったままゆっくり座った。


「というワケで、皆さん署まで御同行願います。」


警官の言葉に門田家全員が凍り付く。

いつの間にか父が母の横にいる。

父も母も言葉がない。

要が立ち上がると


「どうしてですか?」

「あなたは吾妻 燈さんと交際していますね?」

「そうですけど。」

「被害者はあなたの恋人です。話を聞くのは当然です。」

「家族は関係ありません。」

「弟の門田 炭勝くんも吾妻 燈さんと面識がありますね?」

「そりゃ、まぁ、弟ですから。」

「お父様とお母様も面識がありますね?」

「紹介くらいしてます。」

「では、全員来てください。表にパトカーが止めてあります。」

「僕一人が行けばいいでしょう?家族を巻き込まないでください。」

「そういう訳にはいきません。」

「なぜですか?」

「あなたも弟さんも未成年です。保護者の同伴は必要です。」

「そもそも僕は加害者でも被害者でもないじゃないですか?」

「分かってます。」

「なぜ警察署まで行かなければならないんですか?」

「犯人は吾妻さんの家を家探ししています。」

「聞きました。」

「その上であなたの情報だけ入手しました。」

「聞きました。」

「要さんが目的の可能性が高いのです。」

「だったら僕だけで…」

「犯人がここに来る可能性があります。」

「!」

「お分かり頂けましたか?」

「それは…・」

「ここは今危険なのです。」

「そんな…この家が…」

「皆さん、一旦署にご同行願います。これは皆さんを守るための措置です。」

「…分かりました。」

「ご理解いただけたようですね。」

「僕のせいですね。」

「まだわかりません。」

「僕がモテルばっかりに…」

「…では皆さん行きましょう。」

「ぼくのせいで…。」

「ここに警官を配置します。犯人が現れるかもしれませんので。」


全員が出かける準備をした。

直接泥棒の入っていない門田家では緊張感も薄い。

準備をする母にはなんとなく笑みがある


「要はそんなにモテるのね。」

「え?」


母のその言葉に要が驚いた。


「だって、ストーカーが出るくらいなんでしょ?」

「母さん。」

「アイドルみたい。吾妻さんには気の毒だけど、母さんなんだか嬉しいわ。」

「不謹慎だよ。母さん。」

「そうね。でも息子がそんなにモテるなんて思ってもみなかったわ。」

「僕もこんなことになるなんて思ってなかったよ。」

「あなたに心当たりはないの?」

「何に?ストーカー?」

「そうよ。最近誰かに告白されたりしなかった?」

「…そういえば、そうだ!あった!あったよ!」

「その子、怪しいんじゃない?」

「違うんだ!そうじゃないんだ!お巡りさーん!」

「何が違うのよ、要ったら。」


要が警官の元へ向かう。

母が嬉しそうに出かける準備を終え警官のもとへ向かう

炭勝と父も準備を終え警官の元へ向かう


すると要が何やら警官と話している


「…だから多分犯人はその人なんです。」

「名前は分かりますか?」

「あーえっと…」

「分かりました。話は署で聞きます。乗ってください。」

「ああっ!思い出せない!」

「皆さんも乗ってください。」


そう言われて門田一家は2台のパトカーに分乗した。

要と炭勝が同乗している。

空気が重い。

当然だ。恋人の家に泥棒が入った。

それだけ十分だ。

落ち込むに決まってる。

だが時間もある。

パトカーに乗っているともっと空気が重くなる

炭勝は先ほど聞こえた要と警官の会話が気になっていた。


「兄さん。」

「何だ?」

「さっき…」

「さっき?」

「お巡りさんと話してたよね?」

「ん?聞いてたのか?」

「いや、内容は聞こえなかったけど…」

「気になるか?」

「そりゃ…気になるよ。」

「そうか、そうだよな。」

「何、話してたの?」

「ちょっと犯人かもしれない人に心当たりがあってな。」

「そうなの?」

「まぁ、そうなんだけど。」

「誰なの?」

「それが…」

「誰?」

「思い出せないんだ!」

「はぁ?」

「思い出せないんだよ!」

「何それ?本当に心当たりあるの?」

「まさかこんなことになると思わなかったから覚えてないんだよ。」

「それも、そっかぁ、ストーカーになるなんて思わないもんね。」

「だいだいそんなの覚えてたらキリがないんだよ。」

「羨ましい話。自慢?」

「そんなわけあるか!だいたい心当たりの奴ってのは…」


そんな平和な話をしているうち警察署に着いた。



ここまで読んでいただきありがとうございます。

出来るだ週一で連載していきたいと思ってはいます。

しかしながら普通に働いているのでそう思うようにいかないときもあるかと思います。

そうな感じですが長い目でお付き合いください。

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