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God:Rebirth(ゴッドリバース)  作者: 荒月仰
第11章 世界大戦
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第257話 精鋭部隊:アスタロト

各戦線での戦いは大勢こそ決したように見えた。しかし第2師団”精鋭部隊”が、状況を打開すべく動き出していたのである。

 各戦線で戦闘が開始されてから十時間以上は経過しただろうか。

 始まったのは朝方であった為、現在空には夕闇が迫りつつあった。


 パラータ平野の中心では、戦いを終えたグレーデンとカルロが再び合流を果たしていた。生きて再会できたことに、お互いに喜びを感じる。グレーデンが穏やかな微笑みでもって迎えたので、カルロは照れを隠すように無表情を繕った。


「良かったぜ、お互い無事でよ」

「ああ、そうだな」


 二人は手頃な岩に腰掛けながら休息を取っている。


「上手くやれたか、カルロ?」

「まあな……お前はどうなんだよ」

「抜かりはねえよ、心配すんな」


 遠く、夕映えの杏色に染まる平野を眺めている。木々は少なく、丈の短い草と露出した土と岩が漠々と広がっている。


 涼やかな秋の風に吹かれながら、二人はどこか感傷的になっていた。どこか郷愁的になっていた。


「……俺たちも少しは、あの頃と比べて立派になれたかな」


 或る時、グレーデンがそう呟いた。

 何を見るでもなく、ただただ空を見上げていた。


「……そうだな。きっとそうだろうぜ」


 カルロも同じように視線を追いながら、ぽつりと呟いた。

 二人が同じ場所を見ているかは分からない。



 そのままどれだけの時間が経ったか?

 不意に二人は気が付いた。


 前方から、黒いコートに身を包んだ長身の男性が近づいて来るのである。

 初めは正義の神かと思ったが、髪は長くさらさらで頭部には長い一対の角があり、女性にも見えそうな端正な顔立ちをしていた。胸元にフリルの有る衣装を着ていて、どこか貴族然としていた。


 こんな平野の只中に居るには、あまりに不釣り合いな服装だった。

 二人は一気に警戒の念を抱いて、素早く立ち上がった。


「何者だ!」


「フフフフフ……」


 ダークグレイの長髪を靡かせながら、その男は手をパチパチと鳴らして歩み寄って来る。


「いやあ、やりますねえあなた達……将軍級(コマンダー)がこれほど敗れ去るとは想定外。まったくもって度肝を抜かれてしまいましたよ」

「お前、アレクサンドロスの者か?」


 グレーデンが弓と矢を出現させながら問う。

 一方、長髪二本角の男は余裕のある笑みで答えた。


「いかにも。私は第2師団”精鋭部隊”の師団長、アスタロトという者です。以後お見知りおきを……」

「精鋭部隊だと……!」


 驚きの声を発しつつも、この異様な怖気について腑に落ちる思いであった。

 魔軍(レメゲトン)内で、精鋭部隊は近衛部隊に次ぐ強さであることは事前に聞き及んでいる。


 彼らは遊撃隊のような立場であり、戦況不利のところに駆けつけて味方をサポートするのが主な役割であるらしい。だから各戦線で、精鋭部隊が現れる可能性をまったく考慮していなかったわけではない。


 しかしこの西方戦線で、正義の神を差し置いて自分たちの元へ、それも師団長がやって来るというのは二人にしてみれば少々誤算だった。


「なるほどな、道理で凶悪な気配がするもんだと思ったぜ」


 グレーデンもカルロも、既にそれなりに消耗していた。

 しかし弱みを見せるわけにもいかず、虚勢を張っていた。


「失礼ですが、お二方のお名前を頂戴しても?」

「月と狩りの神アルテミスの力を持つ男、グレーデン・アンテロだ」

「カルロ・ハーレス……太陽と芸術の神アポローンの力を持つ者だ」


 アスタロトは状況にそぐわず柔和に笑っている。


「ご丁寧にありがとうございます。いやなに、せっかく始末しても何処の誰だか分からないとリドルディフィード様に報告できないじゃありませんか。だから戦う前にこうして聞くようにしているのですよ」

「そうか、だが残念だったな。アンタは皇帝陛下に戦果の報告はできないぜ」


 弓に矢を掛けながらグレーデンが言う。


「狩られるのはアンタの方だからだ。神の力を持つ相手二人に、たった独りでのこのこと……油断していると痛い目を見るぜ」

「油断などしていませんよ。私独りで充分だと判断したまでです」


 矢に狙われながらも余裕の笑みを崩さない。


「それに私はどちらかと言えば慎重派なんですよ?最大の脅威である正義の神を討つ前に、まずは他の戦力から潰しておこうという作戦なのです。『将を射んとする者はまず馬を射よ』、というやつですかね?結託されては流石に大変でしょうから……」

「俺たちならば余裕だと!?ナメられたモンだぜっ!射られるのはお前の方だ!」


 叫びながら、グレーデンはアスタロト目掛けて矢を射った。

 牽制でもなんでもない、これで決めるつもりで放った矢であった。それは十分な殺傷力を誇る速度と力強さとで、アスタロトの胸元目掛けて飛んでいくのだが、突然彼の右腕が巨大化したかと思えば豪快に矢を弾き飛ばしてしまった。


「何……!?」


 よく見ると、腕はただ巨大化したわけではなかった。灰褐色の鱗で覆われていて、指の形も爬虫類のそれに似た形状に変化していた。


「巨大化……いや、”変身”能力か!?」

「ご明察」


 グレーデンが驚いている内に、アスタロトの全身が凄まじい速度で変容し始めた。


「変身といえば暗躍部隊のウァラクも似たような能力を持っていますが、私の能力は彼女とは大きく違います。彼女の変身は一度でも見たことがあるものならば完璧に変身できるという、いわば”再現”なのです。だから見たことがないものに変身することはできません……」


 ベレトにも劣らぬほどの、見上げるような巨体に様変わりしてゆく。


「……一方、私の変身は”想像”です。変身する対象が見たことがあるかどうかは勿論、実在するかどうかも関係ありません。まったく私の思い通りの姿に変身することができるのですよ」


 ――そこには牙を剥き、大きな翼と尾を生やした巨大なドラゴンが立ちはだかっていた。


 グレーデンもカルロも、流石に目を丸くして驚いていた。


【フフフフフ……地底の奥底に住まうとも、遥かなる天空の彼方に住まうともされる誰も見たことがない最強の神獣!ドラゴンの力をとくと見せてやりましょう!】


 長い首を仰け反らせ始める。

 グレーデンは嫌な予感がして、大急ぎで狼を召喚すると飛び乗って駆け出した。


 直後、灼熱の炎が凄まじい勢いで吐き出された。グレーデンはカルロを引っ張って自身の後ろに乗せると、間一髪で迫り来る炎から退避した。


「うわぁ……!」

「くそっ、なんて熱だ……!」


 そのままドラゴンから遠ざかってゆく。しかしドラゴンは巨大な翼を豪快にはためかせると、その巨体を浮き上がらせてそれなりの速度で追い縋って来るのである。


「くそ!これでも喰らいやがれ!」


 狼への指示に気を取られているグレーデンに代わってカルロが、後方のドラゴン目掛けて大爆発を発生させた。しかし何事もなかったのようにケロッとしている。


「うう、そんな……」


 カルロの顔が自信を喪失したようにどんよりとした。


「な、なあグレーデン!もう逃げようぜ!コイツは正義の神に任せよう!」

「悪いが、そいつは聞けない相談だな……」


 狼を全速力で疾走させてそれなりに距離を空けると、グレーデンは岩場の陰にカルロを下ろした。


「グレーデン……!?」

「アイツの鱗にはおそらく高温に対する耐性がある。お前じゃ相性が悪いだろう、お前はこの辺に隠れていろ」


 走り出そうとするグレーデンを、カルロが呼び止める。


「お、お前独りで戦うつもりなのか!?なんでだよ!正義の神ならアイツだって倒せるだろ!ドゥーマですら倒しちまったんだからな!」

「もう決めたんだ、悪いが俺にやらせてくれ」

「なんでだ、正義の神が駆け付けるまで逃げていればいいだろ!?なんで無駄に命を散らそうとするんだよっ!」

「うるせえ!」


 グレーデンにしては珍しい怒鳴り声であった。


「何が正義の神だ!その眷属にボコボコにやられた時は、あれほど正義の神に対して恨み節を垂れ流していたくせに、困った時は恥ずかしげもなく縋るのか!?」

「うう、それは……」

「いいんだよ、俺にやらせてくれ。頼む」


 ドラゴンがいよいよ差し迫って来る。

 それを見つめるグレーデンの瞳には、恐怖ばかりでなく確かに高揚が存在していた。


「ドラゴンだぜ、ドラゴン!それを狩ったとなれば狩人の誉れだろうな。男の夢だ、夢!」

「グレーデン……」

「久しく忘れていたぜ、こんな興奮はよ。うんと昔に落としちまった大切な何かを、思いがけず拾い上げられたような気分だぜ!」


 恐怖の中でグレーデンは笑っていた。

 その表情に、少年時代の彼の笑顔が重なって見えた気がした。


「グレーデン!」

「行ってくるぜ、カルロ……俺の勇姿をどうか見守っていてくれ」


 狼に乗って、グレーデンは駆け出した。

 ドラゴンのすぐ近くまで来ると、翻弄するように周囲を(せわ)しく駆け巡る。


 再び火炎を吐いてきた。それを掻い潜りながら、グレーデンは鱗の薄そうな関節辺りを狙って弓を連射する。何本か突き刺さるが、ダメージになっている様子はない。


 それからしばらく似たような攻防を繰り広げる。

 的が大きいので矢は何本も命中していた。その中にはサブナック戦で使用せずに残っていた、二本の獲物化アクタイオンの矢もあったのだが、まるで効いていないようだった。


(普通の矢も、獲物化(アクタイオン)の矢も効かねえか。やっぱ奥の手しかなさそうだな、こりゃ……)


 狼を疾駆させながら、胸中で独り言ちた。


 次なる火炎を躱した後で、グレーデンを乗せた狼は高台に登ったかと思えば、そこから飛び上がってドラゴンの顔面へと向かって行った。そこでドラゴンの両目に向かって矢を射る。たまらず怯んだ。


【グアアア……!小癪な……!】


(今の内だ……!)


 この隙を逃すまいと、グレーデンは特大の矢を出現させる。そして膨大な量の神力を注ぎ始めた。通常の矢は白っぽく光っているのに対し、今回は紫色の迸るような光で輝き始めた。


(くそっ、クラクラきやがるな……元々ヴェネルーサでの戦いでそこそこ消耗しちまってたしなぁ)


 グレーデンは負けじと、矢に力を流し続ける。

 そうして出来上がった特製の一本を弓にあてがうと、集中して狙いを定めようとする。


 そうこうしている内にドラゴンが飛び立ち始めた。

 グレーデンはきりきり引いた弓を更に上方に向け、改めて狙いを定めると、手を放してその特大の矢をドラゴンの心臓部目掛けて射出した。


 すさまじい突風が吹いたかのような音が炸裂した。

 見ればドラゴンは、胸から血を噴き出しながら地上へと墜落していた。


「ハハハッ……!やったぞ……!ドラゴンを、ドラゴンを狩ったんだ!俺は!」


 グレーデンは柄にも無く喜びに打ち震えていた。

 疲れ切った顔も喜色に彩られていた。


 ――ところが突然、彼はゴホゴホと、血を吐いて苦しみ始めた。


 初めはいよいよ無理が祟ったかと思った。しかしどうにも周囲の様子がおかしいことに気が付いた。まずドラゴンの姿が綺麗さっぱり、どこにも見当たらなくなっているのである。


 代わりに周囲には紫色の、毒ガスのような気体が大量に充満していた。


(うう、こりゃ毒か……!?俺はいつの間にこんなモンを吸い込んで……)


 グレーデンは没頭するあまり忘れてしまっていた。

 彼はドラゴンと戦っていたのではない、ドラゴンに化けたアスタロトと戦っていたのだ。何の制限もない変身能力を持つ、アスタロトという男と……


【おみそれしました、まさか最強の神獣が倒されるとは……まあ強さは私のイメージでしかなかったのですがね】


 周囲を伺うと、立ち込める紫色の毒ガスに不気味な顔のようなものが浮かび上がっていた。グレーデンはようやくこれもアスタロトの化けた姿なのだと理解した。


【今度は物理攻撃の効かない姿を取らせて頂きました。毒霧の怪物……!まあこんな生物が実在するとは思えませんが、私の変身は何でもアリなのでね】


 騎乗していた狼も泡を吹いて昏倒し、そのまま消え失せてしまった。

 グレーデンは朦朧とする意識の中で、なんとか攻撃態勢を取ろうとする。しかしたまらず倒れ込んでしまった。


【フフフフフ……】


 アスタロトの不敵な笑い声の中で、彼はこと切れた。


 ◇


 カルロはおっかなびっくり近づきながら、グレーデンの様子を伺おうとしていた。

 やがて遠くに立ち込める紫のガスと、血を吐いて昏倒しているグレーデンの姿が目に飛び込んで来た。


(グレーデン……!)


 おそらくドラゴンは倒した。

 しかし物理攻撃の効かない姿を取られて、為す術なくやられてしまったのだと理解した。


 死せる親友の姿に、彼は動揺を禁じ得なかった。しばらく立ち尽くしていたが、背後から駆け付ける足音を聞く。見れば正義の神マグナ・カルタであった。自身の存在をヴェネストリア連邦中に拡散させているので、連邦内ならどこにでも駆け付けられた。


「カルロ、遅くなってすまない。今はどんな状況だ?」

「……」


 カルロは何も答えられずに固まっていた。


 マグナは彼の視線を追う。

 広がる毒霧と倒れ伏すグレーデンを見て、最低限の状況は把握した。


「グレーデン!それにあの毒の霧のようなものは何だ?」

「……第2師団”精鋭部隊”のアスタロトって奴が化けた姿だ。どうやら何でもアリの変身能力を持ってるみてえなんだ。さっきまではドラゴンに化けていた」


 カルロは一切目線を動かさず、背後のマグナに説明する。


「そうか……すまない、俺がもっと早く駆け付けられていれば」

「アンタが気に病む必要は無いぜ、正義の神」


 やはり彼は振り向かない。少々声が引きつっていた。


「俺はさんざん言ったんだぜ、正義の神が来るまで逃げていようってな……ところがアイツ、ドラゴンだ!ドラゴンだ!って子供(ガキ)みてえにはしゃぎやがってよぉ……」


 彼は流れる涙を隠していた。

 そして正義の神には一切顔を見せないままに、彼は静かに歩き始める。


「……立ち向かうつもりか?」

「アスタロトの奴はどうやら油断しまくっている。まだあの姿でいてくれている内に、俺がケリを着けてやる……!」

「俺も戦うぞ、カルロ」

「いいんだ正義の神!俺に……俺にやらせてくれ!」


 カルロは叫ぶように言っていた。


「もはや俺にとって、自分が生きて帰れるかどうかはカンケーねえんだ!他の誰でもない俺の手で、アイツの仇を討たせてくれ!」


「そうか……ならもう何も言わん。ただひたすら、武運を祈っている」


 彼の前で復讐劇が行われるのは、本日二度目であった。


 やがて見送るマグナを振り払うように、カルロは全力疾走でグレーデンの元へと向かっていった。それは自ら毒霧に飛び込む修羅の道であった。


「がはっ!はぁ、はぁ……」


 血を吐きながらもカルロは走り続ける。

 頭の中にはまるで走馬灯のように、かつての思い出が去来していた。


 二人はともに、親を亡くした孤児だった。

 うらぶれたスラムに身を寄せ、狩りで生計を立てていた。近くの山林で野兎や野鳥を仕留めて街で売っていた。


 いつかグレーデンはとびきりの獲物を仕留めて、カルロに好きな物を買ってやると言ってくれたことがあった。どんないきさつだったかは忘れたかが、きっと泣き虫のカルロを慰めるためだったろう。


 しかし現実というのは薄情でつれないものだ、二人は狩りだけでは暮らしが立ち往かなくなってくる。盗みや強盗にも手を染めるようになり始めた。初めて人を殺したのもその頃だ。


 それからはずるずると、悪の道へと染まっていってしまった。


(いったい何を求めていたんだろうな……俺も、お前も)


 ぜえぜえと、荒い呼吸をしながらも彼は走り続ける。

 倒れ伏す親友に向かって。


(けど今更か……もうとっくに引き返せなくなってたモンな、俺たち……)


 やがて彼は泣き腫らした顔のままで、グレーデンの元へと辿り着く。

 しかしその泣き顔を小馬鹿にされることはなかった。


 代わりに、不遜な声を聞く。


【おや?そういえばもう一匹、居ましたね】


 毒霧の怪物が頭上で呟いている。

 それを聞きながら、カルロは力無く伏していた親友を抱き上げた。


「グレーデン……」


 土と血に汚れた顔を見ながら零す。


【フフフ、悲しいですか?ご心配にはおよびませんよ。それだけ毒を吸えば、貴方もたちまちその方と同じ場所まで(いざな)われることでしょう】

「そうだな……親友を独りぼっちになんかさせたくねぇし、すぐにでもアイツの元に向かってやるさ」


 親友を抱えたままで、カルロは顔を上げる。精一杯の睨みをもって。


「……ただし、テメーも道連れだ!アスタロト!」

【何?】


 ここでアスタロトはようやく、カルロが脅威的な神力を蓄えていることに気が付いた。


「お前、俺の能力を分かってるのか?すさまじい爆風が吹き荒れて、毒の霧が霧散しきっちまったらテメーはどうなるんだろうな?」

【……!】


 アスタロトはカルロの能力が何であったかを、今更ながら思い至った。

 急いで別の姿になろうとする。しかし無限に選択肢があるせいで、かえって即決ができなかった。ただ変身を解いただけでは、結局生身が爆発に晒されて助からないだろう。


 みるみるうちに、カルロの神力は張り詰めたように昂ってゆく。


「相棒、俺も行くぜ……お前だけに淋しい想いなんかさせるかよ」


【ま、待て……!】


 次の瞬間、核融合の如き激しい大爆発が巻き起こった。

 凄まじい爆風が、何もかもを破壊して吹き飛ばした。

 濛々と、キノコ型の雲が天へと昇った。


 焼けつく熱線と耳をつんざくような爆音を、マグナは遠巻きから感じていた。


 爆発の衝撃が収まった頃、彼は爆心地へと足を運ぶ。

 そこに生き物の姿は、まったく何も残されてはいなかった。

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