4 お絵描き
食事がおわり、ミューが椅子から下ろしてもらいこちらに来た。
「リリーちゃん、あそぼ!」
「はい。何をしますか?」
「うーんとね、おえかき!」
「はい。お絵描きしましょう」
生活水準とか、部屋の設備とかから見るに、物凄く紙が貴重とか無いと思うし、お絵描きしても大丈夫だよね?
一応マーサさんに聞いてみようかしら。
「あの、お絵描きは普通の遊びですか?」
「普通ですか?どういった意味でしょうか?」
「紙が高価とかだったら迷惑かなって思って」
「そういった意味でしたらご安心ください。お絵描き用の紙がございます」
「そうですか、良かった」
ほっと安心した。
勝手に決めて迷惑だったら申し訳ない。
ミューの侍女らしき女性が紙の束と色鉛筆のようなものを持ってきた。
「ありがとー!」
ミューちゃんは小さいのにちゃんとお礼が言えて偉いなぁ。
「リリーちゃん!なにかくの?」
「何を描きましょうか。大好きなものを描くのはどうでしょう?」
「そうする!」
紙は上質紙のようだった。
画用紙ではなく、コピー用紙のような。
どこで描いたら良いだろう?とキョロキョロして気がついた。
天井高い。
部屋広い。
どこ見ても高価そう。
「何かお探しですか?」
マーサが声をかけてきた。
「どこで描いたら良いでしょうか?」
「そうですね、ミューゼェニア様のお部屋の方が良いかもしれませんね」
なるほど。ここは食事に来たのだから遊んでは不味いのだろう。
「ミューちゃん、お部屋へ伺っても良いですか?」
「いいよー。」
ニコニコとしたルーも付いてくるらしく、数人の侍女らしき女性たちと共に大移動になった。