卒業 -大好きな先輩へ -
三月は卒業や旅立ちの暦。
ここ時渡中学も今日は卒業式だった。
青桐「光。俺たち今日で卒業なんだよな。」
光「そうだね。」
青桐「4月から、お前とも別々の高校だったよな?」
光「そうだね。」
青桐「そう考えると、なんか寂しいよな。」
光「でもまぁ、なんだかんだで一緒に遊ぶんじゃないかな?」
青桐「それもそうか!」
光「俺さ、体弱くて学校あんまり行けなかったじゃん。だから友達って呼べる友達も少なくてさ。」
青桐「うん。」
光「でもこの一年、青桐くん達と一緒にいて楽しかったよ。学校行ってない時とかでも遊んでくれてさ。他の奴らは、学校サボりやがって!とかズル休み!とか言ってきたのに、青桐くんや零愛くんはそんなこと言わずにいつでも遊びに誘ってくれて、最後の1年間は本当に楽しかったよ」
青桐「よせやい!そんな褒めてもなんもでやんけーな!」
真流「青桐くーん!卒業おめでとう!!」
青桐「おぉ!真流!!!ありがとう!!」
坊助「青桐先輩!光先輩!卒業おめでとうございます!」
藍良「青桐兄!光兄!おめでとう!」
青桐「坊助も藍良もありがとうな!」
光「ありがとう!てか、藍良くんも小学校卒業だよね!おめでとう!」
青桐「そうか!藍良は俺らと入れ違いなんだな!」
真流「青桐くん!俺らが卒業したら、何か買ってくれてもええんやで?」
青桐「そんな金ねぇわ!」
双葉先生「君たち!そろそろ式が始まりますよ!卒業生は教室に!」
真麻先生「在校生達は体育館の席に戻る!!」
藍良「じゃ俺もお母さんのとこ行くわ!」
坊助「真流くん!僕たちも戻るよ!」
真流「おう!じゃ、青桐くん!光くん!あとでね!」
青桐「あぁ!俺たちの晴れ姿、しっかり見とけよ!後輩ども!!」
光「俺たちも行こ!」
青桐と光は教室へ、真流と坊助は体育館へとそれぞれ戻っていった。
海沙「2人ともどこ行ってたん?」
夢李「またサボってたんじゃないの?」
真流「先輩に挨拶行ってたんだよ!」
玲萌「坊助くんまでいなくなるからビックリしたよ!」
坊助「ごめんなさい。僕も仲良くしてもらってた先輩だったんで。」
瑠逢「先生!全員揃いました!」
真麻先生「ありがとう!瑠逢くん!じゃ、もう一度送る言葉のリハーサルやるよ!」
真流「またやるの?もういいんじゃない?まーちゃん!」
真麻先生「先生に向かってまーちゃんって言わない!何言ってるの!先輩たちの門出なんだから、ちゃんと練習するの!はい、じゃやるよ!」
送る言葉。
それは、卒業生に感謝の意を込め在校生達が捧げるもの。
卒業式の流れは、在校生達が歌を歌い、その流れでそのまま送る言葉を述べる。
そして卒業生達は在校生や保護者達へと託す言葉を返す。
玲萌が歌の伴奏。
瑠逢が指揮を振るう役割だ。
歌が終わり、送る言葉が始まる。
瑠逢「送る言葉!卒業生のみなさん!この度は、ご卒業おめでとうございます!」
みんな「おめでとうございます」
慧「先輩達は僕たちに、立ち向かう勇気と」
海沙「仲間を支える優しさを」
慧・海沙「教えてくださいました!」
真流「今日は先輩方の門出の日。僕たちは、先輩方の想いを受け継ぎ、新たな世代へとその襷を繋いでいきます!」
坊助「今の僕たちがあるのは、先輩方が教えてくれたことや、先輩方の導きがあったからこそ。」
霧李「私達がより良く、友と過ごし助け合っていけたのは、先輩方から優しさや愛情をたくさん頂けたからです。」
玲萌「これから、卒業生のみなさんは、新たな道へと歩んでいかれると思いますが、この学校で学んだ事を活かし、この学校で出逢った日々の時間を思い出し、新たな力を手に入れてください!」
龍之介「僕たちは先輩方の歩んできたこの道を辿りながら、いつか卒業する日に、胸を張って再開できるよう努力していきます!」
瑠逢「先輩方とまた出会えるその日まで。卒業生の皆様。ご卒業おめでとうございます!!」
みんな「おめでとうございます!」
真麻先生「はーい!みんな良かったよ!次は本番だから今の感じを忘れないでね!!」
そして、式の時間が近付いてきた。
保護者や来賓席が埋まり出し、会場は緊張の空気へと変わっていった。
そして、いざ本番の時間。
卒業生が順番に入場。
会場は拍手に包まれながら入場を歓迎した。
黒八先生「それでは、在校生による、送る言葉。」
在校生達は歌を歌い、卒業生をもてなした。
そして、
瑠逢「送る言葉。卒業生の皆様。この度はご卒業おめでとうございます。」
みんな「おめでとうございます。」
慧「先輩達は僕たちに、立ち向かう勇気と」
海沙「仲間を支える優しさを」
慧・海沙「教えてくださいました!」
真流「今日は先輩方の門出の日。僕たちは、先輩方の想いを受け継ぎ、、。受け、継ぎ。。」
真流が言葉を詰まらせた。
しばらく経っても進む様子がない。
周りはざわめきはじめた。
海沙「真流!大丈夫?」
龍之介「セリフ忘れたか?」
真流は大きく深呼吸をして、青桐たちの顔を見た。
真流「だめだ。俺、ちゃんと青桐くん達に送り出す言葉伝えたい。みんな、ごめん!俺、暴れていい?」
霧李「もう、仕方ないなぁ真流は。」
坊助「でもたしかに、僕たちの言葉じゃないですもんね。」
海沙「ワイも先輩にちゃんと挨拶したい!」
瑠逢「そっちの方がちゃんと送り出せそうだし、僕たちの気持ちも伝わりそうだもんね!」
玲萌「みんなで伝えよう!自分達の言葉で!」
慧「俺もこんなマニュアルみたいな言葉で言ってもつまんないって思ってたよ!」
龍之介「だってさ!俺たちのやりたいようにしてもいいよね?真麻先生!」
真麻先生「ったく、いつもやりたい放題なんだから。良いよ!ちゃんと自分達の言いたいこと言って送り出してあげな!」
真流「みんな!ありがとう!!」
真流が卒業生の方に向いた。
それを追うように全員が卒業生に顔を向けた。
真流「先輩!卒業おめでとうございます!!先輩と遊んだゲームすげぇ楽しかったよ!まぁ、俺の方がゲームは強かったけどね!」
坊助「僕も楽しかった!落ち込んだ時もあったけど、優しくアドバイスもくれて嬉しかったです!」
玲萌「私達のせいで負けてもめげずに笑って「どんまい!次いこ!」って背中押してくれたこと、嬉しかった!」
海沙「いじって馬鹿にしても、先輩達怒らずに、むしろ面白おかしく返してくれて本当に笑わせてもらったよ!」
霧李「欲しいものも何故かわかってくれてて、誕生日とかにたくさんプレゼントしてくれた時、本当にいつも見てくれてたんだなって思えた!」
瑠逢「学校行くのが嫌な時は、「無理に行かなくてもいいよ!」って言ってくれたり、「友達になるのは年齢とか関係ないから、俺とも友達になろうよ!」って声かけてくれて、凄く救われました!」
慧「たった一年しか一緒にはいれなかったけど、幼馴染じゃないかってくらい仲良くしてくれてありがとう!これからもたくさん遊んで思い出作ろうね!」
龍之介「てかさ、歳下にも説教されて真剣に受け入れてよね!今思えばあれってさ、凄いことだよね!ワイもそういう人にならなきゃいけないと思ったよ!うん。ってことで卒業、、、」
全員「おめでとう!!!!!!!!!!」
後輩たちは心から叫ぶように、ぶつけるように言った。
明るい笑顔が会場内へと溢れた。
そして、卒業式は無事終わった。
卒業生の手には卒業証書が握られ、校門を出ると後輩達がいつものように出迎えていた。
真流「青桐先輩!ゲームでバトルしよーぜ!」
青桐「おう!真流に今日こそは勝つぞ!」
坊助「光くん!僕たちは人狼ゲームでもしませんか?」
光「うん!やろ!」
黒八先生「光!坊助!俺も混ぜてよー!」
坊助「せ、先生!?仕事は?」
黒八先生「今日はもういいだろ!」
光「職務放棄ですか?教育委員会に通報しときますね!」
黒八先生「えっ、光くん?冗談だよね?ね?ね?」
TEAM MATEの子供達は年齢に囚われずみんなが仲良く慕い合っている。
先輩後輩なんか関係ない。
時には年下の子に年上の子たちが教えを買う。
だから成長できるし、優しくもなれる。
年下の子達はそんなお兄ちゃん、お姉ちゃんのことが大好き!
高校に行っても、社会人になっても、縦社会にこだわることなく、今のまま変わらず、優しくみんなを導いていってあげて欲しい。
何かあれば、この子達はみんなの味方になってくれるから。
挫折しそうなら、手を差し伸べて助けてくれるから。
お兄ちゃん、お姉ちゃんが優しく手を差し伸べてくれているみたいにね。
三年生のみんな、本当に卒業おめでとう!
そして、これからもみんなの道が明るく輝いて、照らされながら、前へと進めますように。




