彼女との出会いと失恋【一】
十二月二十四日クリスマスイヴ。
毎年クリスマスイヴには、友達を集めて家でクリスマスパーティーをするのが毎年の恒例なっている。
その為、今年も家でクリスマスパーティーをするのだが、今年はいつものメンバーに加えてもう一人──そう僕の初恋の人もいるのだ。
僕が彼女と出会ったのは、クリスマスイヴの十二月二十四日から遡ること八ヶ月──時は、四月の下旬。
三年生から四年生へと上がり、新しいクラスでの一年が始まりクラスに少し馴染めて来ていた頃その子はやってきた。
◇◇
「は〜い皆さ〜ん席に着いて下さいね〜」
のんびりとしたような口調で話すのは、このクラス──四年三組の担任高橋 凛華先生だ。
そして、彼女の後ろには見慣れない女の子が、隠れるように高橋先生の背中にいた。
「パンパラパーン!今日は転校生がいま〜す!それじゃあ、桜田さん自己紹介お願いね?」
そう言われ高橋先生の背中から出てきた女の子に、クラスの男子は目を奪われていた──当然僕もその一人だ。
茶色のかかった髪に雪の様に白い肌それでいて整った顔立ち、もう少し成長すれば今以上に可愛くなるだろう。
そんな子を見て目を奪われない男がいるだろうか?。
「さ、さくらだはるかです。みなみだいに小学校から転校してきました。えと·····よ、よろしくお願いします」
彼女が自己紹介を終えるとシンと静まり返っていた教室が一転して騒がしくなる。
「さくらださんは好きなたべものある?」
「どうして転校してきたの?」
「か、かれしい、いいい、います!?」
などなど質問の嵐が始まったのだ。
「あ、うぇ」
どうしたらいいのか分からず先生に助けを求めるように視線を上に向ける彼女。
「は〜い皆落ち着いてくださいね〜。質問したい事聞きたいことはあるかも知れませんがそれは休み時間にお願いしますね〜」
先生はそう言い、しらつきさんを席へと案内した。
「え、と·····いちじょう かずきです。よろしくお願いします」
「うん、よろしくお願いします」
なんという幸運だろうか?彼女の席は僕の隣なのだ。
これが彼女との最初の出会であり、僕の初恋の始まりだった。