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冒険者登録 Ⅱ

誤字脱字等ありましたら教えて貰えると有難いです。

 記入を終え、うさ耳お姉さんに用紙を渡す。


「ありがと。呼び方はユーキさんで大丈夫?」


「はい。」


「えっと...ほとんど空欄のままだね。役割(ロール)や使用武器のところは書いとかないとパーティも組みづらいし、ギルドからの対応も少ししかできないけどいいの?」


「ええ。しばらくはソロで活動するつもりなので、当面はいいかなって。」


「まあ、そう言うならいいんだけど...。冒険者ギルドについての説明はどうする?」


 冒険者ギルドについてなんて、サポートフェアリーからしか聞いてない。その情報すら怪しいので聞かないてはない。

 そして、うさ耳お姉さんがしてくれた説明をまとめると


 ・冒険者ギルドは冒険者への依頼の斡旋、素材の買取等を行う。

 ・冒険者は上から順に白金、白銀、金、銀、銅、鉄とランク付けされて、鉄と白金以外はさらに上位と下位に分けられる。

 ・ランクは依頼の達成数や成功率などの実績を元にギルドが審査し、昇格させるかを決める。たまに降格処分もある。

 ・依頼は受付の横のクエストボード(通称ボード)にまとめられていて、そこに貼られている依頼表を受付に渡すことで受けれる。

 ・依頼失敗時には成功報酬の1~5割の違約金が発生するため、身の丈にあったものを選ぶこと。

 ・白金、白銀以外のランクの冒険者は1年以上依頼を受けないと冒険者資格を剥奪される。ただし、事前に届出を出していたら剥奪はされない。


 僕に関係しそうなのはこれくらいだった。



「説明は終わりです。こちらがあなたのギルド証となります。無くさないようにね。」


 僕は登録したての鉄級だ。鉄級とひとつ上の銅級下位の依頼となると、薬草の採取やゴブリン等小型のモンスターの討伐くらいしかない。

 そこで、テンプレに沿って、まずは薬草採取でもするかと思ったが、もうお昼はとっくに過ぎている。依頼を受けようとボードの前にいたら、うさ耳お姉さんに「時間も遅めだし、今日は辞めといたら?」と言われてしまった。


 仕方ないので明日受けることにして、ギルドを去る。

 テンプレ的な先輩からの絡みも野次程度であまり無かった。想像とだいぶ違うぞ。



 さて、'狸の寝入り亭'に戻るにはまだ早い。日中は静かにしてくれているサポートフェアリーの為にも中央の噴水を寄ってから帰ることにする。

 はぁ、気が重い。


 ーーーーー


 "ふふーん♪これで私もずっと顕現できるのね♪"


 噴水に寄ってからフェイは随分とご機嫌だ。

 あ、フェイはサポートフェアリーのことで、"これからずっと顕現するんだから、名前ぐらい頂戴よ!"と言われてしまったので、そう名付けた。


「兄ちゃん!今日は随分と恥ずかしいことをしたみたいじゃないか。」


 初日にも寄った果物屋へ行くと昨日のおばちゃんから声をかけられた。


「ええ、周りの人の目が痛いです。」


「あんなことをした理由は聞かないけど、あんたも大変なんだねぇ。これでも食べて元気だしな!」


 話が広まるのが早いな。この分だと明日にはガチムチ(冒険者)達も知ってるんじゃないだろうか。

 そんなことを思いつつ、果物屋を後にする。


 噴水に寄ったおかげで日も落ちて程よい時間になったため、'狸の寝入り亭'へ帰ることにする。

 帰る途中でも、いろんな人がこっちを見ている気がした。気の所為だと思いたい。


「お!やっと来たか。今日は噴水でなにかやったみたいだな。」


 おっと、ゴランにも知られていたぞ。

 ニヤニヤした顔でこっちを見るな。ゴランもフェイもだぞ。


 "私のためにやってくれたのが嬉しいの。"


 ずっと無機質な感じだったフェイは、いつの間にか物凄く人間味を帯びている。

 フェイと名付けた時から急に変わった。まあ、今の方が会話もできるし、表情もコロコロ変わるのでいいのだが。


「どれだけ広まってるんですか。まだたったの2.3時間前の事ですよ。」


「俺達の情報網を舐めるなよ?事が起きた10分後には知る人は知ってるわけだ。それも、今日みたいな珍事が起こったらより...な。」


 ぁぁ、もう多くの人が知ってたとは。あの昨日はなかった目線は気の所為ではなかったか。


「なんだ?今更恥ずかしがってるのか?」


 おお、かなり恥ずかしいぞ。顔から火が出そうだ。


「おにーちゃんどうしたの?顔すっごく赤くなってるよ?」


 いつの間にか来たメリーにも言われてしまった。メリーはまだ教えられてないのかニヤニヤとはしていない。


「メリー、こいつは「わーーーー!!」」


「え?パパなんて言ったの?」


「ゴランさん、言わないでくださいよ。」


「まあ、早かれ遅かれメリーも知ると思うけどな。」


「ねぇ、なんのこと?」


 なんとか聞かれずに済んだみたいだ。これ以上ここに居るとただ弄られるのを待つだけなので、早いとこ部屋へと戻ることにする。


「もう言ってくれないならいいよ。そういえば、お兄ちゃん、夜ご飯はどうするの?」


「もう食べてきたから大丈夫だよ。」


 夜ご飯のことを忘れてた。食堂に行っても周囲の目線が気になる気がしたので嘘をついた。ごめんよ。


「なら、明日も起こしに行くね!」


「うん。よろしくね。」


 階段を急ぎ目に登り、部屋へと入る。

 夜ご飯として昼間に買い溜めておいた屋台の食べ物や果実を食べる。まだ寝るには早い時間だ。

 あの老人から貰った能力(チート)の中に魔法関連のものが確かあったので、フェイと話をしつつ、その練習をして時間を潰すことにした。



 "あなた、ほんとに魔法を覚えるの早いわね。初級魔法を全部覚えるまでに、たったの1時間しかかからないなんて、化け物なの?"


 そんなふうにフェイに評価してもらえるほど僕は魔法に関しては覚えるのが早かった。

 さて、もういい時間だし寝るとしよう。

 明日こそ冒険者としてのテンプレに沿ってやるんだ。

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