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冒険者登録 Ⅰ

誤字脱字等ありましたら教えて貰えると有難いです。


先日、初めてブックマークして頂きました!ありがとうございます!

 "さっさと起きなさい。もう6時よ。"


 サポートフェアリーからの念話は直接頭に響くので寝ている頭も強制的に起こされる。


 "まだ寝てたいよ。眠い。"

 "さっさと起きなさい!ほら、またお話してあげるから。"


 この会話だけ聞かれると、まるで僕が子供のようだ。今だけはきっと、夜型の僕の頭の回転はメリー並みなのかもね。


 "よく聞きなさい。この世界のーー"


 ーーコンコン


「お兄ちゃん!もう朝だよ!」


 サポートフェアリーの話を聞いているうちに朝の7時になったみたいで、メリーがそんなふうに声をかけてくれた。

 もう起きている訳だが、昨日起こしてくれと頼んだのも確かだ。だから、少しだけ嘘をつくことにした。


「ぅうーん。起こしてくれてありがとね。」

「うん!あたしはできる女だから。」


 伸びをしたような声を出してから部屋の扉を開ける。

 扉の前で手を腰に当て、えへん。と胸をはるメリーを見て思わず笑ってしまう。


「もー。なんで笑うの!」

「ごめんね。なんか面白くて。」

「早く朝ごはん食べに下りてね。」


 すこし怒った様子のメリーはドタドタと音を立てて階段を降りていったみたいだ。できる女は階段を駆け降りたりしないんだぞ。


 ーーーーー


 さて、食堂で朝食も食べたし、服も昨日買ったこの世界らしく、少しゴワゴワとしたものに着替えた。

 今日はこっちの来て2日目なんだが、何もすることが無い。強いていえば、黒歴史を作るくらいか。

 ...後々作るしかないか。



 話は変わるが、異世界と言えば何を思い浮かべるだろうか。剣と魔法のファンタジー?スリル満点の冒険?僕もそれくらいのありきたりのイメージしか持ち合わせていない。

 ということで、異世界らしく冒険をする為にも、今日は冒険者ギルドに行ってみようと思う。


 異世界物小説のド定番。先輩冒険者からの絡みとか発生するんだろうか。前世では武道など小学校の授業でしか触れていない。

 新人君に冒険者の世界を教えてやるよ(物理)とかになったらどうなってしまうんだろう。


 "あなた、能力(スキル)のこと忘れてるわね...。身体能力向上(フィジカルアップ)を貰ってるじゃない。"


 確かにそうだ。...ん?僕の心を覗くのはやめてくれ。サポートフェアリーは誰彼構わずに心を覗いたりしているんだろうか。


 "そんなわけないじゃない。私はそんな常識知らずじゃないわよ。"


 また覗いてる。僕の心をそんなに自由に覗かないでくれ。


 "あなたは別よ♪"


 いつか覗かれなくなるような能力(スキル)を手に入れてやろう。ということにして、今は諦めることにした。


 さて、気を取り直して、メリーにギルドの場所を聞いて向かうとするか。


 ーーーーー


 '狸の寝入り亭'を出て教えてもらった場所へと向かう。

 その道中でも、初日と同じ様に道の端のある屋台やお店からセールストークをかけられたり、ふらっとお店に寄ったりしていたら目的地(ギルド)に着くのはもう日が真上に登った頃になってしまった。

 屋台に寄って食べ物を余剰に買ってマジックバックに入れていたのが1番の原因なんだろうが、後悔はしていない。金にも時間にも余裕があるんだ。


 ーーーーー

 歩くこと10分程。目の前には白っぽい石や木でできた家が立ち並ぶ中、周りから浮いている建物があった。

 赤いレンガ造りで道に面している横幅は他の住居の4倍はある。木製の扉は開けっ放しにされていて、そこから屈強な男達が出入りしている。中には女性もいるのだかかなり少数だ。


 この世界の人なら見慣れているだろうから気にせずに入ることも出来るのだろう。

 だが、僕は生粋の日本人。背の高い外国人を前にするだけでも竦むほどの臆病者だ。そんな人物があの中に入っていけるわけがない。

 考えてみてくれ。ボディビルダーよりもガタイがいいやつばかりなんだぞ。


 "道の端に座ってないで行きましょ。もう1時間もそこにいるのよ。"


 そう。ここに着いたのはもう1時間前なのだ。

 傍から見たら変な人だね。

 ...いい加減行くとするか。


「あの...ギルドに何か用ですか?」


 声をかけられて振り向くと、頭にうさ耳のあるかわいい系のお姉さんがいた。


「あ、その。出入りする人が怖くて。」

「ぷっ。あ、ごめんね。確かに見た目は怖いけどいい人たちばかりだよ。」


 お姉さんは可笑しそうにクスクスと口を隠して笑う。

 肩が揺れるのと同時にうさ耳もピコピコと動く。


 "この世界の獣人ってどんなタイプがいるんだ?"

 "んー。目の前の兎族や、熊族、虎族、犬族、猫族とかいろいろいるわよ。珍しいのだと狐族とかかしら。あちこちで犬族なんかは見るでしょ?"


 確かに見ることはあったが。いざ目の前にしてみるとうさ耳に目がいってろくに話せないな。


「...一緒に入りますか?」

「いや、1人で大丈夫ですよ。」

「なら、先に行ってますね。ではまた。」


 優雅に一礼してお姉さんはギルドへと入っていった。

 礼をする時にはうさ耳も垂れていた。


 "どれだけうさ耳好きなのよ...。"


 何を言う。うさ耳×女性は正義だ。


 "はいはい。さっさと行きましょ。"

 "いや、もう午後になったしお昼食べてからにするよ。"


 ーーーーー



 結局、僕がギルドに入っていったのは、お姉さんと話してからさらに1時間経った頃だった。


 おっかなびっくりとギルドへと入ってゆく。中には酒場もあるのか、敷居をまたいだ途端にアルコールの鼻を刺す臭いがする。そして木製のジョッキ片手にむさ苦しい冒険者(ムキムキ)共が談笑していたのを止め、一斉にこっちを見てくる。

 思わず1歩下がってしまったが、気を取り直して受付らしき所へと行く。


「あ!ようやく来てくれたんですね!」


 受付にはうさ耳お姉さんがいた。さきほどはラフな装いだったが、今は緑を基調とした制服を身にまとっていてきっちりしている。


「依頼ですか?」

「いや、冒険者登録をしようかと思っていて」

 ーーおいおい、そんなひょろい兄ちゃんが冒険者かよ!家に帰ってママのおっぱいでも飲んどきな!


 酒場から野次が飛んでくる。

 嫌な気持ちが顔に出ていたのか、うさ耳お姉さんが気にしちゃダメとフォローしてくれる。


「ぅうん。気を取り直して...。冒険者ギルドへようこそ!私達は新人君を歓迎するよ!早速なんだけど、登録に必要な情報があるから、この用紙に書いてもいい所だけ記入してくれないかな。代筆はいる?」

「わかった。自分で書くから大丈夫だよ。」


 この世界では自分で文字が書けない人もいるみたいだ。僕は能力(チート)のおかげで日本語のつもりで話したり書いたりしても、自動で翻訳してくれているらしく、全く違和感がない。


 登録用紙には、氏名、役割(ロール)、使用武器、得意な魔法などいろいろ書く場所があった。

 僕は氏名や役割(ロール)、使用武器くらいしか書かずに提出する。あんまり冒険者っぽいことする予定ないしね。

 あと、後でいつでも追加記入することもできるそうだ。


「はい。確かに記入を確認しました。登録には銅貨5枚かかっちゃうんだけど大丈夫?」


 もちろん、銅貨5枚程度ならすぐに出せる。なんせ僕は月に金貨1枚も貰えるのだ。(なんでかは忘れた。きっと神様が頑張れって応援してるのだろう)


"あなたってもう御老人(転生神)からの依頼を忘れちゃったわけ?"


"え?なんのこと?"


"もういいわ。後でどうなっても知ーらないっ♪"


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