Prolog Ⅰ
初投稿です。
文章が拙い、構成が甘い、誤字があるなどご意見ありましたら、教えてくれると助かります。
「...っ。ここは?」
辺りを見渡してみても、何も現在地を教えてくれようなものは無い。いや、何も無いと言った方が正しいのだろうか。
僕は草しか生えていないだだっ広い草原にいた。
「いやいや、こんな場所しらんよ...。」
周囲には誰も、動物すら見当たらない。自暴自棄になる自分を抑えきれず、思わずため息をつく。ここにずっといる訳にもいかないので、まず人を見つけるために移動することにした。
「どうしてこうなってしまったんだ...。」
男がそう思うことも無理はない。なぜなら、男は巻き込まれただけなのだから。
ーーーーー
「ぁー、、やっと今月分のプロット仕上がった!」
僕はローカル雑誌でライターをやっている。自分の記事には自信を持って世に出すようにしている。けど、そのせいでいつも期限ギリギリになってしまうため、よく編集長に怒られてしまう。(まあ、期限を守れないことがある僕がわるいのだが)
立ち上がって周りを見てみると、オフィスには僕以外誰もいない。みんな定時に帰ってしまったのだ。時計を見ると、もう20時を指している。
「さて、家に帰ってゲームでもしますか。」
オフィスから自宅へは徒歩で30分程とかなり近い。徒歩で通勤しても良いのだが、朝に5分だけでも多く寝ていたいので自転車で通勤している。家が近いって素晴らしい!
途中のコンビニへ寄り、夜ご飯とビールとおつまみを買い、急いで家に帰りPCを起動する。はずだった。
買い物後、自転車に乗り、自宅へと向かう。駅前の人通りの多い道を過ぎ、ようやくスピードを出せるようになり、自然と足に力が入る。
そんな時、
ーーパスッ
後輪のタイヤがパンクした。
「マジかよ。早くゲームしたいのにパンクするなんて...。ゲーム始めるの遅くなるな。ギルメンになんて言おうか。」
仕方なしにサドルから降り、自転車を押しながらそんな事を口にしていた。
「はぁ、チューブ交換するの時間もかかるしめんどくさいな...。」
コンビニを出た後の気持ちはなんだったのだろう。男はすっかり気落ちしてとぼとぼと歩いている。
すぐ近くを歩いている高校生のカップルはどんな目で僕のことを見ているのだろうか。滑稽な図になっていることだろう。それにしても、高校生で彼女がいるなんて羨ましい。僕なんて...できたことも無いのに。
そんなことを考えつつ歩く。目の前の信号が点滅する。が、走るのもめんどくさい。あのカップルも走らないみたいだ。
サイトでも見ておくか。
ポケットからスマホを取り出し、目を落とす。
ーーキキィィィ
なんの音だ?
そう思い顔を上げる。
「おい、嘘だろ...。」
何故かトラックがこっちへ向かってきていた。
運動神経のいい人なら避けれたのだろう。けど、そんな芸当を運動なんて体育でしかしなかったような僕ができるわけが無い。
せめて痛みを感じませんように。ただただそう祈るしかできなかった。
いつまで経っても、トラックに撥ねられる痛みも、ガードレールなどにトラックがぶつかる音も聞こえない。
「...助けったのか?」
億劫ながら目を開くと、何も無い、ただ白い空間に僕はいた。高校生のカップルも近くに気を失って転がっていた。
『 目は覚めたかの。』
声が後ろから聞こえた。振り返ってみると、そこには身長130cm程で痩せ型の、見事な白髭を伸ばした老人がこちらを見ていた。ちなみに、頭の毛は全てお亡くなりになっている。身長170cmの僕は見下ろすようにして老人と向き合った。
「あなたは誰ですか。」
『 お主こそだれじゃ。』
「...え?」
『 わしは若い男女はここに呼んだが、お主のような中年の男なぞ呼んでないわい。』
目の前の老人は何を言っているのだろう。
「僕は八嶋 幸樹といいます。ここはどこなんでしょうか?」
『 ここはなんて言えばいいんじゃろうな。転生の間。とでも言うのじゃろうか。』
目の前の老人はぼけているのか。一時期、ネット小説にハマった時によく題材にされていた転生であっているのだろうか。そんな夢物語のような事が僕に起きるとは思ってもなかった。
「転生...ですか。では、僕は異世界に行くのであってますか?」
『 いや、それはあの若い2人じゃ。お主は...』
「...え。僕は転生できないとか辞めてくださいよ。」
『 .....お主は巻き込まれただけなのじゃ。』
...まじか。転生する気でいたよ。10年ほど前には憧れていたのだから。まさか、ただ巻き込まれただけだとはね。勇者として世界を救うとか、貴族に生まれて内政チートするとか、魔物に生まれて成り上がっていくとかあったでしょ...。
小説の主人公みたいに無双したいよ。女の子とアレコレしたいよ。
あらすじ
異世界転生に巻き込まれた。