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28 ヘルガと夜会話

 明日はヘルガと服屋デートだ。

 オレもせっかくだから何か仕立てようかな。

 この服は貴族の坊ちゃん感が半端ないもんな。


「あ、でもギルドに行ってからでいい?

 仕事が溜まってると思うから」


 たしか、ヘルガは冒険者ギルドのギルドマスターをやってるんだったな。


「いいぞ。

 じゃあ、昼過ぎに迎えに行こう。

 オレも冒険者ギルド行きたいし」


 せっかくなので冒険者登録しとくか・


「うん、おいでよ。

 仕事はそれなりに多いけど、みんないい人だよ」


 ヘルガが笑っている。

 その笑顔を見るとみんないい人って言うのはホントなんだろうな。


「病み上がりなんだから、無理するなよ」

「わかってるよ。

 でも、ミア様の睡眠魔法に薬湯までいれてもらったから、調子はいいよ」


 グルグル肩を回してアピールしてきた。


「あれ、ミアと風呂一緒に入ったの?」

「うん。

 リクが寝てる間に入ったよ」


 おお、最強の武闘家、足音に気づかないとは。

 しょうがないな。オレレベル低いし。レベル1だし。


「リク結構長い間ここで寝てたんだよ」

「一緒に入りたかったな」


 ヘルガは嬉しそうに笑った。


「……私、決闘に負けたから身も心もリクのものだけど。

 まだ一緒にお風呂はダメだよ。

 私、ちゃんと侯爵家との縁談、断ってくるからね」


 ヘルガはとことこと歩いてきて隣に座ってオレの手をぎゅっと握った。

 

 オレは目をつぶってみる。


「もう……ダメだよっ、て今言ったんだよ……もう」


 と言いながらもキスをしてくれた。

 オレが抱きしめるとヘルガも背中に手を添える。

 

「あ、そうだ」


 ヘルガは何かを思い出したように離れる。


「ミア様と一緒にお風呂に入った時に話したんだけど」

「うん」

「リクが決闘をして大活躍だったってミア様から聞いたよ」

「そうなんだよ。

 薬草を採りに行ったら、なんだか悪い奴がいたから倒した。

 ちょっと、頭と胸と腹に穴が開いて死にかけたけど、倒したぞ。

 倒したらいい奴になったぞ。プロジアっていうんだけど以外に真面目なんだ」

「……リク。

 私、リクが死にかけたって言うのは聞いてないよ」


 ヘルガが強く抱きしめてきた。

 

「リクがすることについて、私は何も言わないけど……危ないことはやめてね。

 冒険者ギルドに登録しても危ない仕事はダメだよ。

 私もお仕事頑張るから、簡単な仕事だけにしてね」


 ぽたぽたと涙を流すヘルガ。


「危ないのは、私が様子を見に行くよ。

 リクのモノなんだから。

 だから、危ないことをするときに置いてくのは、なしだよ。

 どこに行くのも一緒だよ。……ひとりは嫌だよ」


 大きな瞳いっぱいに涙を溜めているヘルガ。

 自分を抑えていたのだろうが、瞳の色は深紅へと変化している。

 黒翼も生え、どこからどう見ても魔族のヘルガ。


 その姿を見て愛しいって思うのは、ヘルガがサキュバスで オレが誘惑されたからではないと思う。


「うーん、プロジアが思ったより強かったんだよね。

 でも、しっかり倒したら部下になったぞ」

「……油断したらダメじゃない」


 油断したわけじゃないけど、身体がついていかなかったんだよなあ。


「でも、オレもヘルガに危ないことはさせられないぞ。

 オレの奥さんになるんだから。

 あ、でも弟子としては厳しくしないと強くならないなあ」

「……ね、本当に奥さんになっていいの?

 ミア様とも婚約してるんでしょ?」


 オレは成り行きで同じ日にミアとヘルガ、二人にプロポーズしてしまっていた。


「うん。

 二人とも奥さんになる予定だ。

 楽しみだな」


 可愛い奥さんが二人もいると楽しそうだな。


「……私はいいけど、ミア様が嫌じゃないかな」

「いいの、オレが決めたの」


 子どもみたいにダダをこねてみる。


「オレと結婚しようよ、ヘルガ」

「……好きにしたらいいよ。

 私をどうするかはリクが決めていいって話でしょ」


 ヘルガは決闘に負けたんだから好きにしてってことを主張してくる。

 でも、ヘルガの気持ちは赤くなった頬を見るだけで十分わかるのだ。


「オレと結婚したら嬉しい?」

「……嬉しい」


 満面の笑みでオレに体重を預けてくるヘルガを後ろから抱きしめた。

 腰に回した手にヘルガが触れた。 


 バサアッとヘルガの黒翼が広がる。

 ホントに嬉しいんだろうな。


「さっさと婚約破棄してくるからそれまでは待っててね」

「……そうだな」


 名残惜しいけど、抱きしめるのはやめて離れよう。


 【ヘルガの瞳と翼を戻せ】


 オレは興奮したら魔族化するヘルガを元に戻した。


「ふふ。リクがいると思いっきり笑えるね」


 思いっきり笑える幸せをヘルガは知らなかったのだ。

 抱きしめたかったけど、そうすると我慢出来そうにないから、頭を撫でてあげた。


「明日も早いからもう寝ようか」

「うん」


 ヘルガの部屋まで連れていく。

 部屋に入っちゃダメと言われた。


 ☆★


「朝ですよー」


 コリンナがオレの横で朝を告げる。

 メイドさんってベッドの中で起こしてくれるのかな。


「さて、起きてお着換えしましょうね」


 オレはパジャマを着ていた。


「オレ、いつパジャマ着たんだっけ?」


 コリンナがオレの横で答えた。


「もう、忘れたんですか?

 昨日、貴族服で寝てたから私が着替えさせましたよ」


 いや、寝てたなら覚えてないだろ。


「あのさ、下着も変わってるんだけど……」

「着替えさせるの大変でしたね」


 何だかコリンナは胸を張っている。


「まあいいか、それよりおなか減ったんだけど」

「フフフ、私が腕によりをかけました、と言いたいところなんですが……」


 部屋のテーブルの上には、アレ、トーストとハムエッグ。

 あとオレンジジュースしかない。


「町長がこれしかないって言ってきまして……

 きっとリク様が町長を殴った仕返しで食料の配給が乏しいのです」

「まあ、町長の家に長くいるのも良くない。

 家を探そうか、コリンナ」

「わかりました。

 私が探しておきましょう。

 さ、お着替えしましょうね」


 ミアとヘルガとコリンナ。

 みんなで住める家を探さないとなあ。

 って思ってるとオレの着替えがいつの間にか終わっている。

 コリンナのメイド技術はものすごいなあ。


 さて、朝ごはん食べよう。 

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