表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したけど記憶がないようです  作者: ハルヒ8128
時代の始まり
10/22

9話

ランドールが今の世の報告をしてくる。


「ユウト様が我々の権利を広めて下さったおかげで、我々は無意味に人間に虐げられることなく、大きな戦いは起きなくなりました」


ほう。

俺も役立つことやってたんだな。


「その後、我々はその多大な影響力を活かして、人間には不可能な事業の手伝いなどをするようになりました。まぁ、我々にとってはただの暇つぶしに過ぎないですが、かなり感謝もされていましたね」

「私たちの時代からすると信じられないですね……」


シルが呟く。



「しかし、長年にわたるしこりはそう簡単にはとれず、反発し、我々に返り討ちにされるような勢力もおりました」


まぁ、当然だな。減っただけもうけもんだ。


「そんななか、《聖騎士》〇〇〇が表れ、我々とそのような者どもの間を取り持ったのです」


へー。


「名前わかんないってことはそれも俺だわ」


スキルにも《聖騎士》あるし。


「なんと!」

「ほんとになんでもやってますね……」

「? パパ、すごい!」


いや、わかってないのに同調しなくていいから、プリュム。



「しかし、折り合いはなかなかつかず、結局我々が表立って行動することはないようにするということになりました。我々は元々そんなに活動することを好みませんので、それで同意しました」


ふむ。

妥協点がそこか。


「その提案に不満のある魔族はかの《聖騎士》と戦うことで発散しろと他ならぬ聖騎士本人が言いまして、何人かは何度も挑んでいたようでした」


俺は前世のことを隠して相手していたのか。


「数回挑むと、ぱったり挑まなくなってはいましたが……」


あ、そこで暴露したんだろーな。



「そして、反対する輩がいなくなると、聖騎士は姿を消してしまいました。私や、人間の国王などには挨拶には来ましたが、各種族で重要な人物にしか言ってなかったのだと思われます」


へー。

なにしてたんだろ。


「その期間、俺がなにしてたかは記録に残ってないのか?」

「風の噂では自堕落な生活を送りながら、スキルの熟練に努めていたと……」


なんだその両極端な二つは。


しかし、道理で。

いくらなんでもほぼ全てのスキルが完成された状態なのはおかしいと思ってたんだよな。

たぶん《農夫》の時もそんな感じだったんだろ。



「そして我々は表立つことなく、こういう日陰者に雇われたり、魔界に帰ったりしていたのです。我々が動かないことによって人間は勢いを増し、かなり人口が増えました。我々には理解しがたいのですが、権力を持つ者の横暴も増えたと記憶しております。その対抗組織も増えたと」

「え? もしかしてこいつらもそういうのだった?」


ならすぐ《無限の死(デス・マーチ)》解かなきゃ。


「いえ、この者たちはただの盗賊……」

「ならいいや」


即座に切って捨てる。



「だいたい状況はわかった。ランドールは俺からの念話に注意しながら俺に協力してくれる魔族を探せ。昔の知り合いだけで構わん。とりあえず俺は普通に生活を送る」

「御意。しかし、魔族を集めよとは……?」

「権力が強い力を持ってるんだろ? 俺はともかく、周りに被害が及んだ時に対する備えだ。あって損はない」

「承知いたしました」



ランドールと別れて、村に戻る。

シルも俺が作った家に置いてきた。


「あぁ、ユウト! 良かった……。もう私どうしたらいいか……」


キィラの母親が泣き崩れる。


「え? どうしたんですか?」




「それが、キィラが王都に連れていかれたの!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ