第1話
わたしは、中学の教員をしている。
今年で4年目。
初めの1年間は、徳島県にある文和中学校にいた。
結構田舎にあった中学だったから全校生徒は42人。1年生は17名、2年生は15名、3年生は10名という小さな中学校だった。
わたしは、1学年担当で中学に入って、間もない同士だった。
でも、1年はあっという間に過ぎて行き、次の春に埼玉県の中学校に移動することになった。
離任式の日。
1年生たちはわたしのところへ集まって、花束と色紙をプレゼントしてくれた。
わたしも、先生とお別れするときは色紙を書いたり、手作りのものをあげたものだ。実際もらう立場になってみると、感動ものである。
そして、文和中学の生徒と1年を共にし、埼玉県へ旅立った。
埼玉にある学校は都会で、全校生徒725人。この数字には驚いた。
この数字はこのへんでは当たり前のようだ。
着任式の日。
わたしはステージの上から生徒達を眺めた。
ハッキリ言って、ひどい有り様だ。
1年は大半が静かにしているのに対し、2年は3分の1程度、3年は半分以上の生徒が騒ぎ立てている。
なぜ、男の教員がこんなにたくさんいるのかというのは、やっと理解した。
わたしは、2学年の担当になった。
2学年は全部で7クラスあり、わたしは7組の担任になった。