第3章 こんな勝負なんて認めない!
<シアンの町>に帰って来た俺達はまず、ギルドに向かった。
少し古ぼけていてそこまで大きくない建物。これが俺達の所属するギルド<妖精の花園>だ。
中に入り、依頼書が貼られたクエストボードのすぐ隣のカウンターへ行き、今回の任務の完了を告げた。
俺が次の任務を探そうとクエストボードへ向かうと背後から突然呼びかけられた。
「空斗。どうだ?俺と勝負しようぜ。」
はぁ…蓮次だ。
「しつこいな。さっき勝負したばかりだろ。その勝負癖抑えられないのか?」
「あー……無理だな。」
無理なのかよ。
仕方がないので勝負を受けることにした俺は蓮次と共にギルドの裏にある演習広場へ向かった。
――――――――――――――――――――――――
この演習広場はギルドに所属する冒険者達が戦闘の練習をしたりギルドが催すイベントを行う場所でもある。普段は戦闘の練習でしか使わないが。
「じゃあ、早速始めよーぜ?」
と、言われたので俺は返す。
「おう。でも、どうせお前が勝つんだろ?やる以上は本気で行くけど。」
そして、蓮次の合図とともに勝負が始まった。
蓮次はいつも通り真正面から突っ込んでくる。スピードは結構あるが、俺は流石にそのスピードには慣れていた。身体を捻り背後へ回ると右手の剣を左から右へ斬り払う。だが、その時には蓮次は既にこちらを向いていて大剣で俺の剣を弾く。その反射神経に驚く暇もない程続けて攻撃がくる。後ろに飛び退きながら相手の剣をなんとか弾く。
「やっぱり、強すぎでしょ。その反射神経マジでチート級だわ。」
「そういうお前も俺の動きについて来てるじゃんか。」
ああ、ギリギリだけどな……と思いながらも、次は俺から攻撃を仕掛けた。二刀流による手数で攻めるが蓮次は何事もないかのように次々と弾いていく。ならばと思い、瞬時に背後へ回り、身体を回転させて放つ4連撃。これがやっと当たった。と、思ったのも束の間、気付いたら俺は空中に浮いていた。
「うぉ⁉︎マジかよ。速すぎだろ。」
そう思いながらもどうにか体制を立て直して着地した時には既に目の前に蓮次の姿がある。防ぐのに遅れた俺はそのまま吹っ飛んだ。
「っつつつ〜〜〜。いやマジ加減しろよー。並の人なら死んでるぞ。」
「あいにく、加減っつぅ言葉を知らないもんでな。」
などと自信満々に腰に手を当てて言う。
「まぁ、今回の勝負も俺の勝ちだな」
「ああ。やっぱり勝てないわ、お前には。」
そう言って立ち上がり、ギルドの中へ戻る。
なんだか騒がしいなと思った俺は急いで遊乃さんの所へ行った。
「遊乃さん、なんか騒がしいですけどどうかしたんですか?」
「あ、空斗君!大変なの!」
彼女はとても慌てていた。
お読みいただきありがとうございます。
次回から物語が動き始めます。
ご指摘等頂ければ幸いです。