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第2章 こんな日常なんて認めない!-2-

 森を1km程進んだだろうか。周囲に殺気のようなものを感じた俺はその足を止めた。

 おそらく、例の獣型モンスターだろう。


「おい、奴ら来たんじゃねぇか?」


 蓮次の言葉に俺と遊乃さんは頷く。


「戦闘の準備をしておこうか。多分、すぐ襲い掛かってくるから。」


 と、余裕そうな表情で言う遊乃さん。彼女は結構強い。

 強くて綺麗は反則だろ………などと思いながらも戦闘準備をする。


 すると、武器の輝きに誘われたのか、モンスターが遂に襲い掛かってきた。


「お?やっと来たか。全て蹴散らす!」


 真っ先に飛びかかった蓮次に俺は、


「あまり派手にやり過ぎんなよ!」


 と、注意するが既に彼には聞こえていないようだった。

 彼はまず一発、モンスターの頭を叩いたあと即座に背後に回り込んで大剣を横に薙いだ。たった二発でモンスターを倒すのだから流石の暴君様はすごい力だ。などと思いながらも依頼主の前から来るモンスターを遊乃さん、背後から来るモンスターを俺が倒すという役割分担になった。蓮次は自由に動き回ってモンスターを倒しまくっている。

 俺は本来なら二本の剣で戦うが今回は愛剣一本を使い、モンスターの足を狙って確実に動きを止めてからトドメを刺すようにしていた。いくら活発になっていると言っても流石に相手が相手だ。獲物を目がけて噛み付きにくるような単細胞なモンスターなら二本も使う必要がない。

 5分も経たない内にモンスターはほとんど倒し終わっていた。あとは、リーダーっぽい奴だけだ。だが、遊乃さんが鞭で相手を転ばせたあと、蓮次が脳天をかち割るように大剣を頭へ叩きつけ、遊乃さんの銃による射撃と蓮次の斬り上げで終わっていた。


「容赦ねーなぁ、おい!」


「そういう空斗こそなかなかえげつねぇやり方だっただろ?」


 うむ、否定は出来ない。倒す前に行動不能な状態にしていたのだから。

 ともあれ、獣型モンスターの群れを倒し終えた俺達はルリの町を目指して再び歩き始めた。


 ――――――――――――――――――――――――


 無事に森を抜けると目の前に広がる大地そしてその中にポツンとある小さな町。あれが<ルリの町>だ。

 そして町の門に到着する。これで任務は完了だ。


「ありがとうございます!おかげで無事辿り着くことができました。これが今回の報酬です。」


 そう依頼主の男は言って、遊乃さんに報酬である5000ゴルドを渡した。それを受け取った遊乃さんは、


「いえ、無事送り届けることが出来てよかったです。また依頼があればギルドまで来てください。喜んで引き受けたいと思います。」


 と、言った。男はまたしても少々頬を赤らめながら、


「ええ。また何かあれば依頼したいと思います。その時はまたよろしくお願いします。それでは。」


 と、お辞儀をして町の中へ入っていった。


「よし、それじゃあ帰ろっか!」


 遊乃さんの言葉に俺と蓮次は頷き、<シアンの町>を目指して歩き始めた。


「そうだ。空斗お前モンスター何体倒したんだ?」


 そういえば、モンスターを倒した数で勝負するようなことを言っていたな。すっかり忘れていた。


「数えてないから分からないな。でも多分、15体くらいだと思う。」


 それに対して蓮次は、


「じゃあ、俺の勝ちだな。俺はその倍以上の34体だ!」


「あの短時間でよくもまぁ、そんなに倒したな。流石暴君様だ。」


 と、言っておいた。

 その後も俺達は話しながら、<シアンの町>へ向かって進んだ。




お読みいただきありがとうございます。

ご指摘等頂ければどんどん答えていきたいと思いますのでよろしくお願いします。

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