第1章 こんな日常なんて認めない!
はじめまして。夢十です。
趣味で書き始めたので物語の構成など分からない点がいくつもあるんですがどうか暖かく見守ってもらえたら嬉しいです。
これからよろしくお願いします!
鳥のさえずりが聞こえる。清々しい朝だ。
俺は<天駆 空斗>。この<シアンの町>に住む17歳だ。
俺はベッドから出て洗面台の前に立ち顔を洗うと鏡を見た。今日も今日とて凄い寝癖だ。自分でもなぜこんな髪型になるのか不思議でしょうがない。
10分かけてようやく寝癖を直し終え朝食を食べる。今日の朝食は知り合いのおばさんから貰ったパンだ。このパンがとても美味しい。柔らかい生地、そして程よい甘み、この甘みがたまらない。クセになる味だ。存分に味わって朝食を済ませ、服を着替える。最後にもう一度鏡で自分の髪型を確認する。うむ、寝癖はバッチリ直っている。
確認を終えた俺は、部屋を出た。今日は大事な任務がある。時間にはまだ余裕はあるが急ぎ足で集合場所へ向かう。
集合場所に到着したがやはり早く来すぎたのか、誰もいない。俺は自分の愛剣の状態を確認して時間を潰すことにした。
30分ほど経ったころ、やっと今日の任務に同行する人物が現れた。
「お待たせ、空斗君。まだ時間じゃないのに随分早いわね?」
この黒髪の女性は俺が所属するギルドの先輩<月原 遊乃>だ。
「あ、どうも。遊乃さんより早く来るのが俺の使命ですから。」
などと意味のわからないことを言う。
「もぉ。なにそれー。」
と笑いながら言う彼女。これがギルド一番の人気者の笑顔だ。流石に輝いている。この笑顔に惚れない男などこの世にいるのだろうか。などと思いながら彼女と話していると今日の任務の依頼主が来た。
「お二人とも今日はありがとうございます。最近は森に棲むモンスターが活発になっているので私一人では隣町まで辿り着く自信がなく、このような護衛の任務を出させていただきました。」
依頼主は年齢50前後の男だ。
「いえ、どんな任務だろうと引き受け必ず達成することが私たちのギルド<妖精の花園>ですから。」
とこれまた笑顔で対応する彼女。依頼主の男も心なしか頬を赤らめて照れている、これは惚れたな。
ともあれ、隣町まで移動を開始する一行。目的地は町の門から4㎞離れた所にある<ルリ>という町だ。その間に距離2㎞ほどの広い森がある。その森に棲む獣型モンスターが最近活発になっており発見した人を度々襲っている。
今日の俺達の任務は戦う術を持たない依頼主の為に襲ってきたモンスターを倒しながら隣町まで無事送り届けることだ。
町を出てちょうど森に差し掛かるころ、一人の男がいきなり俺の背後から襲ってきた。
「おらぁ!くたばれぇぇぇええ!」
その声に反応して俺は背後からの攻撃をギリギリで避ける。
「あっぶな!おい、なにすんだよ!蓮次!」
この尖った赤い髪の男は<羽瀬 蓮次>だ。重い大剣を片手でも軽々と振り回す。いきなり背後から襲ったり、荒い口調を使うことから<暴君>の異名をつけられている。
「いやぁよー。お前の姿が見えたから後ろから襲い掛かってみたんだよ。」
「みたんだよ、じゃねぇわ。危うく若くして命落とすところだったぞ。」
割とガチで死ぬかと思った。
「これから任務なんだろ?俺も一緒に行かせてもらうぜ。」
突然の同行宣言に俺は驚いた。
「はぁ?なんで蓮次が付いてくるんだよ。この任務は俺と遊乃さんで受けた任務だぞ。」
「んなことわかってらぁ。どうせモンスター倒してそこのおっさんを無事に送り届けるんだろ?ならモンスター倒すの手伝ってやるって言ってんだ。」
なにか意図があると感じた俺は聞いた。
「一体なに企んでるんだ?他に理由があるんだろ?」
すると、
「森抜けるまでにどっちがモンスターを多く倒したか勝負しようぜ。どうせモンスターを倒すんだし別にいいだろ?」
まぁ、確かにそうだなと思った俺は遊乃さんに聞いてみることにした。
「遊乃さん、こいつが加わればモンスターを倒すこと自体には困らないはずなんで連れてっても大丈夫っすか?」
「確かに人数は多い方がいいもんね。うん!じゃあ、蓮次君も一緒に行こう!」
「あざっす!じゃあ、よろしく頼むぜ、おっさん。」
依頼主の男は少し怯えながら、
「は、はい!よろしくお願いします。」
と、深々とお辞儀をした。
そして、蓮次を加えた一行はルリの町を目指して歩き始めた。
お読み頂きありがとうございました。
如何だったでしょうか?
まだまだ分からないことだらけですが、ご指摘等頂ければどんどん答えていきたいと思いますのでよろしくお願いします。