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荒沢さんは異世界でも逞しく生きて行く  作者: 灰色 人生
第一章 初めての異世界
1/17

〈1〉荒沢さんは巻き込まれて異世界へ

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 今日はプレミアムフライデーなので何時もより早い帰宅時間だ。


 途中のコンビニでビールとつまみを購入しこれから好きなアニメを見ながら晩酌をするのだ!


「Lulu〜〜」と御機嫌に鼻歌を歌いながら帰宅途中見たくも無い者達を目撃した。


 それはリア充の高校生達だ。


 6人グループで背が高くイケメンのオシャレ男子と見るからに体育会系の爽やかイケメンのイケメンコンビにギャル系の女子高生に眼鏡を掛けたクールビューティな委員長タイプにショートカットの活発そうな美少女に背中に竹刀を下げた剣術少女だ。


 一方の荒沢(あらさわ)只人ただひとは確かに背が高く筋肉質の鍛えられた身体をして居る。


 それはただ単にその方がカッコいいからという理由で昔自衛隊に入って鍛えまくったからだ。


 しかし荒沢が望んでいた美女との出会いはなくむしろモーホーが渦巻く阿鼻叫喚の地獄であった。


 更に直属の上司がモーホーでボディタッチが激しくキレて暴行事件を起こして会えなく解雇された。



 それからは偶々今の会社に拾われて日々何と無く鍛えながら週末はサバゲーなどをして過ごしていた。



 だが何故かモテない。


 目つきが鋭いからか?それとも鈍感なだけか?考えても答えが出ない毎日だ。


 日々カッコいい仕草やポーズを密かに練習して居る筈なのに一向に効果が発揮されない。



 そう考えてテンションがただ落ちして居ると高校生6人グループの足元に魔法陣が浮かび上がった。



「おお!あれはまさしく異世界召喚か!」とテンションが上がるが『君子危うきに近寄らず』を体現する荒沢は勿論近付かず適度な距離感を持って眺めて居るだけだ。



 流石は我らが荒沢さん小物臭が漂うぞ!



 そして6人グループが転移されたので安心して消えかけの魔法陣に近付き通り過ぎようとするとバイソンも驚きの吸引力で荒沢さんも吸い込まれてしまった。



「そ、そんなバナナ〜〜!!」とオヤジギャクを言いながら荒沢さんも吸い込んだ魔法陣は消えた。




 □ □ □ □ □



「う、う〜ん?」荒沢さんが気がつくとそこは真っ白な空間であった。


「此処は何処だ。まさか天使ちゃんに会えるのか!?」てテンションが上がり周囲を見渡すが一面真っ白な空間で荒沢さん以外誰も居なかった。



 暫くすると目の前に光り輝くピンポン球程の球体が出現したので思わず荒沢さんは足を縺れさせ転んだ拍子に光り輝く球体を飲み込んでしまった。



「ぐぅ!イッテェ!」と言いながら荒沢さんは球体を飲み込んだ事に気付いて居ない。



「う、う〜ん。あれ?さっきまであった光り輝く球体が消えた?」周囲を見渡すが先程と同じく一面真っ白な空間のままだ。



「何だったんださっきのは?」と荒沢さんが疑問に思って居ると目の前に青く光り輝く魔法陣が現れたので見事なバックステップで荒沢さんは後ろに退がる。



 しかも荒沢さんはバックステップで退がった後に天使ちゃんの出現を予想して決めポーズ顔に手を当てその指の間から魔法陣を見てもう片方の手をカッコいい位置に移動させ足を肩幅に広げ待機する。



 暫くすると背中に純白の羽をつけた男の天使が現れたので。



「何でだよ!此処は女天使か!女神様だろ!ガッデム!」と思わず荒沢さんは天を仰いだ。



 そして心の中でこの世に神様は居ないのか……と天使の前で思った。



 一方の男の天使はいきなり怒鳴られたと思ったらその相手がこれまたいきなり意気消沈し始めたので混乱した。


「えっとその何だかすまなかったね?」と何故か自分が謝る展開になって居る事に疑問符を浮かべながら取り敢えず謝ると寛大なる荒沢さんは立ち直り尊大な物言いで「ふん。今回は許してやる」と男の天使を赦してあげたのだ。


 何と心の広い荒沢さんだろう。


 その心の広さはまさにキャップの蓋並みの大きさと深さだ。



 そんな荒沢さんを面倒くさい奴だなと思いながらも大人な男天使は心の中でグッと堪える。


 それに男天使は荒沢さんを相手にする為に来たのでは無いのだ。


「此処に神様がいらっしゃった筈ですけど何処に行かれたかご存知ですか?」と書類仕事から逃げ出した神様を追って来たのだ。


 そして男天使は今更ながらに「あれ?そう言えば貴方は人間ですよね?如何して此方に?」と疑問を覚える。



 そんな荒沢さんは「知らん!」と腕を組み自信満々に答えた。


「はぁ。珍しいですね〜神界に迷い人とは。ん?これはそうか!貴方は召喚されて居る途中に偶々此処に紛れ込んだのですね。では簡単ですその召喚手順通り送り出してあげればいいのですね」と言い男天使は何やら此方が聞き取れない呪文を唱えると荒沢さんの足元が光り輝き次の瞬間には荒沢さんは深い森の中に居た。




「あ〜本来の転移場所より神界に紛れ込んでしまったので少しズレてしまいましたね。まあ、仕方がないでしょう。あれ?そう言えばあの人から神気を感じたような?偶々此処に紛れ込んでしまったので偶然でしょうか?」と頭を悩ましながら男天使は神様を探すが結局見つからずまた何処か他の世界へと逃げ出したのだろうと追跡隊に後のことは任せて自分でも出来る書類決済をし始めた。





 □ □ □ □ □



 訳も分からない内にいつの間にかあの白い空間から深い森の中へと転移した荒沢さんは途方に暮れて居た。



「何処だ此処は?」取り敢えず此処は異世界だと仮定するとやはり剣と魔法のファンタジー世界が定番だと予想して「我が眼前の敵を焼き貫け雷撃(サンダーボルト)!」と適当な呪文を唱えるとイメージ通り雷の雷撃が目の前の木を焼き貫き何処までも進んで行った。



 予想以上の威力で一向に威力は衰えず目の前の物を全て焼き貫いて行った。



「ま、まあまあだな。うん。そうだな」と流石は荒沢さんまだまだ肩慣らし程度の威力らしい。



 そして破壊の跡を残した雷撃の事を頭の片隅に置いて居ると何やらファンファーレが頭の中に流れた。



 もしかしてと荒沢さんの頭脳明晰な頭が出した答えは「レベルアップだな!」と答えを出した。



「ならば迷うまい!ステータス!」とカッコいいポーズを忘れずに決めながら叫ぶと目の前に半透明のボードが出現した。



 ◆



【 名 前 】荒沢 只人

【 種 族 】人族

【 レベル 】142

【 年 齢 】27

【 体 力 】821error

【 魔 力 】424error

【 攻撃力 】542error

【 防御力 】412error

【 俊敏性 】245error

【 知 力 】124error

【 器 用 】164error

【 精神力 】784error

【 運 】error



【 称号 】

 巻き込まれた異世界人

 神喰らい


 装備

 スーツ


 所持金

 0G

 0S

 0C



「何だこりゃあ?エラーを起こしてやがる。しかもレベルは高いしこの称号の異世界人はわかるが神喰らいって何だ?」と疑問を持って居ると雷撃を放った森の方から凄まじい勢いで水色の何かが飛んで来た。



「見つけたわよぉぉぉぉぉぉおお!!!!」と凄まじい音量で怒鳴りながら全身水色の少女が飛んで来た。



 荒沢さんの手前5mの空中で止まるとビシッと効果音が付きそうなぐらいの勢いで指を指して「貴方ね!私の湖に攻撃を放ったのは!おかげで私の住処である湖の水が蒸発して危うく私まで消滅するところだったじゃないの!こう見えても私は湖の精霊で水の上位精霊なのよ!そんな私に何て事をするのよ!」と一気に捲し立ててくる自称水の上位精霊に荒沢さんは「俺じゃないぞ!」と決めポーズをしながら答える。



 すると「えっ!?違うの?ごめんなさい私ったら早とちりしてしまって」と急に低姿勢になり謝り出した。


 荒沢さんは「誰にでも間違いはあるものだ。許そう。そして良ければその湖に案内してくれもしかしたら元の姿に治せるかもしれないぞ」とチラリチラリと流し目を忘れない荒沢さん。


 自称水の上位精霊さんは「本当に!?ありがとう付いて来てこっちよ!」と嬉しそうに手招きして来る。


 湖に向かう途中荒沢さんはこの場所とこの世界について色々と説明した。


 すると流石は自称上位精霊物知りだ。


 何でも水のある所なら何でも把握出来るらしい。



 流石に他の上位精霊の縄張りの情報までは相手の許可が無いと難しいらしいがその他は問題なく情報を入手出来るらしい。



 そして肝心のこの場所はファースト王国とセカンド公国との間に位置する深い嘆きの森と恐れられる魔物が支配する森らしい。



 この森に生息する魔物達は他の場所の同種族よりも一段階も二段階も強敵であるらしい。


 魔物が定期的に森から出て両国の村を襲ったりと被害はあるがセカンド公国からしたらこの深い嘆きの森が国境の防衛の代わりになりファースト王国が大軍で攻めよせようにも細い獣道を通らなければならず満足に進軍も出来ないような場所としか通じてない。


 その為に小国でありながらもセカンド公国はこれまで存続し続けて来れた。



 他にも自称から水の上位精霊に荒沢さんの中でランクアップした水の上位精霊によれば数日前にファースト王国の王都にある神殿で勇者が召喚されたとの事だ。


 人数も6人と荒沢さんは例の6人グループだと看破した。



 流石は荒沢さん水の上位精霊がその事を言うまで6人の事をすっかりと忘却の彼方へと追いやっていた。



 色々と説明を受けながら歩いて居ると所々に焼け焦げた魔物の死体があった。



 水の上位精霊の説明にあった通りに死体になった魔物に近付き手を当てて「|解体『ディィスマァントゥル》」と唱えると魔物の死体が消えて目の前にアイテムが転がり落ちた。


 拾うと『ランク5の肉』と表示された肉塊だった。



 他にも色々な魔物の死体から様々なアイテムが取れた。



 因みに解体と唱えなければそのままナイフで普通に解体などは出来るようだがアイテムは手に入らないとの事だ。


 魔物はランク分けされており1〜10まで設定され10が最高ランクで1が最低ランクらしい。


 だがランク10以上の魔物も時折発見されランク外として人類の生活圏に関わらない場合は放置で街や村を標的に進路を進めるなら国を挙げての討伐になるらしいが滅多にそんな事は起こらないらしい。



 魔物のランクも10段階あるがこの魔物を討伐する人々冒険者も10段階に分けられている。


 だが詳しい事はあまり人間(此処での人間は人族とそれ以外の種族を総称した言葉)の事に興味がないので詳しくは知らないらしい。



 それを全て異世界の定番であるアイテムボックスを荒沢さんはイメージして具現化した。


 勿論中の時間は止まっている優れもので容量も無制限だ。



 そこに手に入れたアイテムを全て入れていく。


「それにしてもこの雷撃は何処のどいつの仕業よ」とプリプリ怒りながら水の上位精霊が言うと「何時迄も過去に囚われていたら前には進めないぞ」とこれまたカッコいい決めポーズを決めながら荒沢さんはよく見なら美女である水の上位精霊に言う。


「それもそうね。貴方が私の湖を治してくれるんだしね♪」と上機嫌に戻る。



「そう言えば自己紹介がまだだったわね。私は『湖の乙女』と呼ばれているわ。貴方は?」



「俺の名か?よく聞いてその心に刻め!」と異世界に来た為か心の枷が外れて厨二病全開の荒沢さんは上機嫌に「世界の覇者、荒沢とは俺の事だ!」とサムズアップして答える。



「凄いわね世界の覇者って!あれ?でも私は聞いたことが無いわね?」と不思議がる湖の乙女に荒沢さんは「それは仕方がないだろう。俺は異世界から舞い降りし者なのだから」と荒沢さんはサイドチェストポーズを決めながら答える。


 己の肉体美を此処ぞとばかりに披露する。


 だが荒沢さんは気付いているだろうか?スーツを着ている為に筋肉が見えてない事に。


「凄い!まるで勇者見たいね!」と上機嫌に答える湖の乙女に荒沢さんは「そう言えば湖の乙女とは名称であり名前じゃなく無いか?」と言うと「えっ!?そうなの?じゃあ付けて」と言われたので「そうだな。湖だしラクスと名付けよう」と言うと「ありがとう!これからはラクスと名乗るわ!」と言うと二人の間に虹色の糸が繋がれた。



「ん?何だこれは?」と荒沢さんが疑問を投げかけるとラクスは「私の名付け親になったので契約したのよ。これで私は貴方の契約精霊よ」と言った。



 何と異世界に来て僅か一時間足らずで荒沢さんは精霊と契約を交わした。



 ステータス画面を確認してみると確かにラクスと契約が結ばれていた。



 ◆


【 名 前 】荒沢 只人

【 種 族 】人族

【 レベル 】142

【 年 齢 】27

【 体 力 】821error

【 魔 力 】424error

【 攻撃力 】542error

【 防御力 】412error

【 俊敏性 】245error

【 知 力 】124error

【 器 用 】164error

【 精神力 】784error

【 運 】error



【 称号 】

 巻き込まれた異世界人

 神喰らい

 湖の乙女の契約者


【 装備 】

 スーツ


 所持金

 0G

 0S

 0C



 ラクスのステータスを先程手に入れた鑑定ランク10で見てみると以下のように表示された。


 ◆


【 名 前 】ラクス

【 種 族 】水の上位精霊

【 レベル 】107

【 年 齢 】87

【 体 力 】4253

【 魔 力 】8425

【 攻撃力 】3524

【 防御力 】4862

【 俊敏性 】4075

【 知 力 】1245

【 器 用 】3542

【 精神力 】2412

【 運 】874



【 称号 】

 湖の乙女

 荒沢只人の契約精霊




 本当に契約者が成されているな。



 そうやって進んでいく事20分漸く目的地に到着した。


 そこは嘗ては湖だったのだろうが今はただの広い穴になっており中には魚などが打ち上げられていた。


 荒沢さんは雨をイメージしてその降水量を滝をイメージすると天から止めどなく水が降って来た。


 しかも湖の水なので淡水仕様とは流石は荒沢さん出来る漢は一味違う。




 そうして一分もかからずに湖の水は戻り周囲の薙ぎ倒された木なども荒沢さんが元に戻して行き少しばかり魚は減ったが元の湖に戻った。



「ありがとうマスター!」


「マスター?」


「えっと他の呼び方の方が良かったかしら?」とラクスが可愛らしく首をコテンと傾げる。



「いや、それで構わない」とニヤケそうになるのを抑えながら伝える荒沢さん。



「さて、これで元通りにした事だし次は何をするかな」と考え込む。


「取り敢えずは手に入れた力の確認だな。何が出来て何が出来ないのかを把握しとかないとな」


「それなら私も手伝えるわよマスター。私は水の上位精霊だから水魔法が得意よ」と手を挙げて存在感をアピールするラクス。


「なら御教授願おうか」と無駄にカッコいいポーズをしながら告げる荒沢さん。


 気付けば陽も落ちて来た事だし湖の畔に木で小屋を作成した後は簡易の寝床を作り就寝する事にした。



 寝る前に近くの木の実と湖の魚を食べてからだ。


 その後小屋に戻り就寝した。


 精霊は寝る必要はないらしいが大人しく湖の中へと戻って行った。

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