Ⅰ-①
完全に見切り発車です(笑)
頑張ります。
県立N高等学校、有名な進学校。かといってガリ勉ばかりではなく、やる時はやり、遊ぶときは目一杯遊ぶというのが我が校の校風。
そして学校の運営のほとんどが生徒の手によって行われるの。その要となるのが、
―――橘会。
いわゆる生徒会のことね。そして現生徒会、通称橘会のメンバーは我が校のトップアイドルといっても過言ではないだろう。
おやウワサをすればなんとやらだわ。
「きゃあ!二階堂さんよっ!!いつ見ても美しいわ……」
ふむ、颯爽と歩く姿はさながら貴公子のようだわね。
うわ、バックに薔薇まで見えるよ……すごいわぁ。
――橘会書記。二年、二階堂圭。
「私は二階堂さんより一ノ瀬くんだわ。あの青い瞳で見つめられたいぃ」
たしか母親がイギリス人という話だったかな。
わー三年の先輩方、失神してるよ…。
――橘会会計。一年、一ノ瀬祐。
「うぉー!!!!鈴木さぁーん!!あのかよわい感じがたまらん!!守ってあげたいっ!!」
むさっ…、ごほん。学校のマドンナであり橘会の紅一点。
やば、ぽーっとしてきた。私が照れてどーする…。
――橘会副会長。二年、鈴木杏奈。
「いやー!!!藤原様よっ!!あの眼鏡の奥に秘められた瞳には何がうつってるのかしら!」
いつも思うけどなんで様付けなんだろうなぁこの人。
秀才って言葉がぴったりだな。
――橘会会長。二年、藤原修一。
以上、四名が学校を束ねる要ってわけ。
ん?私?私は一年の山本佳織。まぁどこにでもいる生徒だよ。
はじまったばかりの高校生活に望むのはただ一つ。
―――平穏、だ。
地味に三年間、高校生活エンジョイするよ。
ただこの時私はすっかり忘れてた。私が望む望まないに関わらず巻き込まれ体質だってことに―――。