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小物の異世界生活  作者: おこげ


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発端は、誰の一言だったのか。

たぶん鍛冶屋だ。

「結局よ、この町で一番すごいのって誰なんだ?」

暇か。

それにパン屋が乗った。

「売上ならうちだな」

農家が笑う。

「土地持ちは強いぞ?」

なぜ張り合う。

三十分後。

広場に黒板が立っていた。

【第一回 町内最強決定戦】

やめろ。

物騒な響きなのに中身が平和。

競技内容が書かれていく。

・一番早くパンを焼け

・一番重い荷車を押せ

・一番長く昼寝できるか

・一番うまく噂を広めろ

基準が雑。

俺は壁際から見ている。

関わらない。

絶対に。

「参謀殿も出ますよね?」

出ない。

即答。

しかし黒板の端に、いつの間にか書き足される。

【特別競技:一番“それっぽい指示”を出せ】

消せ。

ミレアが横で冷静に言う。

「社会実験としては興味深い」

やめろ燃料を投下するな。

大会当日。

無駄に晴天。

広場に机が並ぶ。

旗まである。

誰が作った。

第一競技。

パン早焼き対決。

パン屋が本気。

対抗はなぜか宿屋。

結果。

パン屋圧勝。

会場が妙に盛り上がる。

第二競技。

荷車押し。

鍛冶屋が圧倒的。

農家が対抗。

途中で車輪が外れる。

なぜ整備してない。

第三競技。

昼寝。

地味。

地味すぎる。

参加者五名。

広場で横になる。

観客、静か。

なぜ見守る。

三十分後。

全員起きない。

勝敗つかず。

引き分け。

拍手が起こる。

意味が分からない。

そして問題の特別競技。

「参謀殿、前へ」

やめろ。

即席の台が用意されている。

逃げ道なし。

町人が期待の目。

最悪だ。

お題。

「この大会をさらに盛り上げる指示を出せ」

知らん。

盛り上がってるだろ。

俺は考える。

一秒。

そして言う。

「優勝者に、超巨大ふわふわパン一年無料券」

ざわっ。

パン屋が叫ぶ。

「一年!?」

やりすぎた。

町人がざわめく。

「欲しい!」

「本気出すぞ!」

空気が変わる。

パン屋が俺を見る。

「参謀殿……」

「半分でいいか?」

弱気。

最終競技が急遽追加される。

【総合ポイント制・全競技参加】

急にガチ。

結果。

意外な人物がトップに立つ。

井戸番の老人。

理由。

・昼寝強い

・パンそこそこ

・荷車そこそこ

・噂拡散最速

バランス型。

町人がざわつく。

「最強は井戸番?」

地味。

最終決戦。

井戸番 vs 鍛冶屋。

内容。

「一番“それっぽいこと”を言え」

なぜ。

鍛冶屋。

「鉄は叩けば強くなる!」

拍手。

井戸番。

静かに言う。

「水は争わん」

沈黙。

なぜか感動。

優勝。

井戸番。

パン屋が震えながら無料券を渡す。

一年分。

本当にやるのか。

夜。

大会は終わる。

広場は散らかり。

黒板だけ残る。

俺は疲れて座る。

ミレアが言う。

「くだらないですが」

「結束は高まりました」

嫌な副作用。

掲示板に新しい紙。

【第二回開催予定】

やめろ。

シリーズ化するな。

さらに追記。

【次回テーマ:町で一番役に立たない特技】

なぜ悪化する。

俺は決意する。

次は絶対に目立たない。

壁と同化する。

透明になる。

その横で。

ミレアが小さくメモを書く。

「小規模社会は娯楽で安定する」

やめろ理論化するな。

世界は救っていない。

だが。

井戸番が最強になった。

今日の町はそれで平和だ。

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