終電逃してお泊り編 -現実-
眠れない…隣の部屋で成田が寝ているかと思うと全然眠れない。
今夜、成田と何かが起こるような気がしていた自分の妄想を恥じた。
やっぱり成田は私の事は何とも思ってないんだね。
そりゃそうか。モテモテのスーパーエリート様が私なんか相手にしないよね。
高級そうなファブリックに身を包んで一人で切なくなっていた。
私…成田の事好きなんだって自覚しちゃったなぁ。
でも、競争率高い彼を好きになってもどうにもならないんだろうなぁ…
面白がられて揶揄われてるみたいだし…
隣の部屋ではやはり、駿も眠れないでいた。
ああ…なんで俺隣の部屋に羽田を案内しちゃったんだろう…
って、あれ? この部屋の存在を知らなかったんだから俺もあっちの部屋で一緒に寝ればよかったんじゃ…?
悉く積み重ねた失敗が駿を眠れないほどの悔しさで溺れさせていた。
翌朝、寝不足の二人がリビングで顔を合わせる。
「おはよう。」
「ああ…眠れたか?」
「あ…うん…泊めてくれてありがとう。」
「朝飯でも食うか…」
「ううん…もう帰る。あんまりお邪魔しても悪いから。」
「そっか…」
もう帰っちゃうのか…と駿が残念がっていると
美優は、やっぱり引き留めてくれないんだ…と思っていた。
次回は明日18時更新予定です。