Dream
世界を壊そうとしていた。
銃を撃ち、刀を振るい、そして……
カチカチ……カチカチ……
眩しい光とともに爆発音が響いた。
―――
まただ……またあの夢……
どうして……?
戦うことなんて毎日しているのに……
どうしてこんなに苦しいの……?どうしてこんなに怖いの……!?
「はぁ……はぁ……」
逃げ出したい……!1人になりたい……!
そう思った瞬間、僕は病室から出ていた。
―――
中庭に出て深呼吸をしたらだいぶ落ち着いたが、まだ苦しさが残る。
最近はずっとあの夢ばかり見る。
どうしてだろう……夢なんて見ないはず……だって僕は……
アンドロイドだから……
「あ、いた!」
突然後ろから声がした。振り返るとそこには看護師……のアンドロイドが立っていた。
「大丈夫?」
「……」
彼女から目を逸らした。
今は誰とも話したくない。そういう気分だった。
「最近よく……なんていうか苦しそうだけど……何かあったの?」
しばらくは無視していたが、話さないと帰ってくれない気がしたので口を開いた。
「最近……夢をよく見るんだ……」
「夢……?どんな夢……?」
「…………怖い夢」
「そうなんだ……」
「あれは……誰かに植え付けられた記憶なの……?僕らアンドロイドは夢なんて見ないのに……」
看護師はしばらく考え込んだ後、笑顔でこう言った。
「私も見たことあるよ……夢」
「どうせそれも……」
「ううん、あれは絶対自分の夢だと思う」
「……そうだと信じたいね……」
しばらくはお互い無言だったが、看護師が話し出した。
「あなたはその夢が嫌なんだよね?」
「……うん」
「じゃあ、次は違う夢を見ようよ!」
「……!?そんなのできるわけ……」
僕が反論しようとすると、看護師は僕の唇に指を当ててきた。
「できるよ。信じれば」
「それだけで本当にできるの……?」
「うん。明日はこういう夢を見たい!こんな気持ちになりたい!そう強く思ったら見れたよ!たくさんの夢を」
そう嬉しそうに話す彼女がなんだかおかしくて、思わず微笑んだ。
「良かった。笑った」
「……うん」
2人で笑い合う。
僕も、楽しい夢を見たい。幸せな夢を見たい。
「……明日も、夢を見たいな……」
「うん!」
そう言って、また2人で笑い合った。