■第一章 1ー0 序 黒歴史
読み専からの初投稿です!
投稿のやり方すらおぼつかない状況なので、
ちょいちょい
見た目とかも含めて修正かけていくかも、です。
よろしくお願いします。
※致命的なアップミス(1ブロック分がまるまる消えている)
が判明したので、アップ時に抜けている箇所がないか、
全般的に見直し作業中です。
ソレに気づいたのは、午後の授業中のことだった。
浩介はいつも通り、授業中にぼんやりと考え事をしていた。
なったばかりとはいえ、フタ桁の10代にもなる男児ならば、先生や親に言われたことばかりやっていてはダメなものだ。真面目に勉強するとか、スポーツを頑張るとか、そんな“優等生”なことをやってはいられないものだ。かといって授業の妨害とか目立つことはしたくないし、でも大人しく授業を聞いているのももったいない。だからせめて、考え事——そう、頭のトレーニングをするのだ! 決して隣のクラスの優也くんが羨ましいわけじゃない。スポーツ万能で勉強もできて、女の子にもモテる優也くんとは違う道を進むわけだ。
決して優也くんが羨ましいわけじゃない。いやホントに。
そんな“いつもの”言い訳を浩介はぼんやりと考える。
で、今日の妄想のネタは、昨夜テレビで見たアクション映画。SFで超能力とかも出てきて、いろいろと苦悩する主人公はカッコ良かった。
ヒロインで幼馴染の女の子のピンチに、主人公は咄嗟に右掌を突き出し、秘めていた念動力を解放する。そう、こんなふうに掌を対象物に向けて、心に念じて——
——動け!
と、そのとき目の前にあった消しゴムが、机の上から足元へと転がり落ちる。
きっかり5秒。浩介は思考が停止する。
——あれ? オレ触ってないよな。なんで…?
気のせいかも、ということで、もう一度動作を繰り返す。と、今度は同じく机にあった筆箱が転がり落ちる。そこで浩介は気づく。
——……間違いない。これ、オレ、不思議な力を手に入れてる?
何がきっかけかは不明。突然のことに、浩介の心臓はバクバク。身体中に興奮が巻き起こる。大声を上げて走り回りたい気分である……が、授業中なので必死に我慢する。
——落ち着け! 慌てるな! まずは検証してからだ!
午後の授業を“いつもの通り”、浩介は考え事をして過ごした。
その日の授業が終わり、帰宅した後、浩介は自分が得た力の検証を始める。
効果範囲はどのくらいなのか、持続時間はどのくらいなのか、この力以外にさらに秘めた力を自分は秘めているのでは……?
数日、いろいろと検証を重ね、いくつかのことが解った。
・発揮できるのは物を動かせる能力のようだ(ほかには何もなし)
・能力が及ぶ範囲は5メートルくらいまで
・あまり大きいものや重いものは動かせない(人と同じくらいのサイズになると無理)
・動かせると言っても数メートルくらい
浩介のテンションはものすごく上がったが、どうやら映画みたいにド派手なサイキック能力とかではないし、物語の主人公みたいな活躍は難しそうだ。もちろん、ケンカとかにも役に立たなさそうだし(どう考えても、直接殴ったほうが早い。相手が)、この力をテレビなどにアピールして……止めとこう、なんか面倒そう、と浩介のテンションは通常状態に戻っていく。
浩介は考える。
さて、そうなるとこの力を役立てる方法は……。
能力発見からちょうど一週間。浩介は学校の中庭のベンチに座っていた。ちょうど昼休み。近くには同級生の女の子たちがおしゃべりしている。ここは広い校庭と違って、ドッジボールとかスポーツで遊んでいる者たちもいない。近くには花壇があり、男女を問わず、比較的大人しめのコが集まることが多い。
そんな場所で浩介が考えているのは、もちろん例の能力の実践である。
ターゲットとなるのは……。
同じ学年でも美少女と名高い(浩介調べ)滝本由衣ちゃん! である。
どちらかといえば優等生タイプだがそれを気にかけることもなく、友だちも多い彼女。本日はピンクのカーディガン+淡いグリーンのスカートスタイル、かつ肩甲骨あたりまで伸びたロングの髪が、清楚な雰囲気をいつも通り醸し出していて、それでいて、同じクラスの佐山梨花みたいに下品でおしゃべりな感じもしない(あくまで浩介の印象)。浩介は由衣ちゃんと直接話したことはないのだが。
そんな由衣ちゃんが、浩介の近くで友だちとおしゃべりしている。その位置は能力が効く5メートルの範囲内。そこで浩介が短く、そして気合を込めて念じる。
——いけぇ!
彼の念に従い、由衣ちゃんのスカートの縁がふわりと浮かんだ。
——イエス!
能力が見事発動した光景に、浩介は心の中でガッツポーズを決める。
一方、慌ててスカートを抑え、周囲を確認する由衣ちゃん。当然、近くのベンチに座っていた浩介にも気づくが、浩介は用意周到に、図書室から借りてきていた図鑑に顔を向けたまま。由衣ちゃんは近くに目撃者がいないと確認し、ホッとしている。
が、浩介はしっかりとその瞬間を目撃している。ほんの一瞬だったが、脳内に焼き付けている。由衣ちゃんの少し大人びた、淡いブルーでサイドにレースの飾り付きおパンツを!
浩介はその光景を脳内で反芻しながら、密かに涙していた。普通に生活していたら、まず接触することはないであろう、美少女・由衣ちゃんのおパンツを見ることができたのだから! この“偉業”を成し遂げた者など、この学校にはいないはずだ(彼女の家族は除く)。
と、浩介は考える。この“偉業”に満足してはいけない。この力があれば、スポーツが得意ではなく、勉強も得意ではない浩介が、ほかの同級生よりも優れているということではないか? ……まぁ、もちろん成果は誰にも言えないが。今は深く考えない!
自分に言い聞かせるように、浩介はこの“偉業”を続けていくと決心するのであった。
それから3週間。
校内の目ぼしい女子は浩介の能力の餌食となった。同学年、1つ上の学年、終いには1つ下の学年で美少女たちをコンプリート。もちろん、同じクラスの、態度は気に入らないが顔は美少女の佐山梨花も含まれている(意外なことに、佐山は同学年の誰よりも大人びたパンツだった。横がヒモって。ヒモって何なのよ!? と浩介は悶絶した)。
しかし、計3学年をコンプリートした辺りから、浩介はモヤモヤしていた。
人が秘密にしたいことを、一方的に知ることは快感だった。全能の存在になったのでは、と自分自身に恐れ慄きもした。2週間目くらいまでは。
確かに、あの何種類もの“カラフルな風景”は、なかなかお目にかかれるものではない。が……一時的に興奮を覚えた後、幸助は客観的に、ふと自分のことを振り返る。
——あれ? オレって気持ち悪いヤツ、じゃない、よな?
彼は気付いてしまう、自分の行動の異様さに。憧れだった由衣ちゃんに話しかける野望——というより仲良くなる方法の“王道”——は未だ未達成のままだし、コソコソと履いているパンツを勝手に確認しているだけ(あれから週1回は、中庭以外の場所で能力を使っている。結衣ちゃんに対しては)。
もちろん
「やぁ。昨日のパンツ、大人びてて良かったよ」
なんて、自分の悪行を話題にするなどもってのほか。ただの変態だ(しかも犯罪行為との合わせ技)。
話しかける共通の話題が、ない。彼女との接点が、ない。結衣ちゃんだけでなく、顔だけ美少女の佐山ですら接点は、ない。
パンツを拝んだ美少女たちとの設定を気築くことも、自分をかっこよく見せるための努力もしていない。
ここにきて、浩介は自分の能力が、人に言えない秘密をただ増やし、抱えていくことを強制するだけのものだと気づいた(使い方の問題では……とは、残念ながら気づかないまま)。この行為は“偉業”ではなく“悪行”だと、自分への言い訳もすでに効かなくなっている。
結衣ちゃんのパンツを目撃してから4週間。
浩介はこっそりと、能力は封印する、二度と使わない! と自分に宣言。以来、この頃の自分を“黒歴史”として、記憶の彼方に——能力の使い方や見た光景を含めて——心の奥底にしまい込むのだった。
一応最初は頻繁に更新する予定です?




