表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/11

6:遺跡探索(3)

 鑑定能力で『財宝』の存在が明らかになったというのに、なぜ彼女は物憂げなため息を漏らすのだろう……

 少し考えたが、わからなかったので「まあ良いか」と思うことにした。

 何か、彼女には彼女なりの理由があるのだろう。

 もしかしたら、お宝が見つかるか見つからないか……みたいな、ドキドキを味わいたかったのかも知れない。

 だとしたら、俺の財宝あるよ(ネタばらし)で興をそがれたののかも……

 まあそんなの、俺には関係ないことだが。


「……とにかく、いこうぜ。気をつけろよ、古い遺跡だが、もしかしたら魔獣が隠れていることかも知れないからな」

 内心では「そんなわけない」と思いながら、念のために鑑定をする。

 遺跡の入り口に重なるようにして青い画面が表示された。


・魔獣:なし

・危険度:超安全


 思った通りの結果だったのだが、さっきみたいにため息をつかれても困るから、この結果は口にしないことにしよう。

「え、まさか魔獣なんていませんよね……鑑定は、しなくて良いですからね! ……私の能力なら大丈夫だと思うのですが」

 しなくて良いと言われても、すでにしているわけだが。

 言っても余計なことになるだけだし、話題を変えてごまかすことにしよう。

「そりゃ、スグメさんは女神(・・)だからな。神ってつくぐらいだからすごいんだろ? 何かあったら頼りにするからな!」

「……ぷぅたくん、神々のことを馬鹿にしていますか?」

「いや、いやいや、そんなわけじゃないんだが……」

「それなら、良いですが」


 突然圧が強くなった彼女に、たじろぎながら返事をすると、スグメは納得したように頷いた。

 なんだ? そういう宗教の人だったのか?

 彼女の前で、神のことを話題に出すのは止めた方が良いかもしれない。

 俺は彼女を鑑定できないが、できていたら『ネタバレ禁止』とか『やばめの宗教』とかが表示されていたかもしれない。

 ……もしかして、組む相手を間違えたか?

「ぷぅたくん、よからぬことを想像していませんか?」

「そんなわけないだろ。それより、とっとと遺跡を攻略しちまおうぜ! さあ、隠された財宝を俺たちの手で暴き出そう!」

 いや、気のせいだ。気のせいってことにしておこう。


 そうして俺たちは、遺跡に足を踏み入れた。

 俺はこの歳になって初めて遺跡に入るわけだが、中の様子は本で読んで想像したものとは少し違っていた。

 なんというかもっと、内部構造が入り組んでいて迷路みたいになっているのかと思っていた。

 だが実際は、そうではなくほぼ一直線の一本道だった。


 道なりに歩いて行くと、それだけで最奥にある部屋にたどり着いてしまう。

 さすがは危険度が『超安全』なだけはある。というか……

「お宝は……?」

「さあ、どこかに隠されているんじゃないですか?」

 彼女はどこか、遠くを見つめるようにしてそう呟いた。

 まあ確かに、そんな簡単に見つかるようなら、他の探索者たちが持ち帰らないわけがないか。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ