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5:遺跡探索(2)

 彼女の言うとおり、俺がここに来た目的はまさに仲間捜しのためだ。

 彼女の方から言い出すとは思わなかったので不意を突かれたけど、断る理由はもちろん無い。


「……わかりました。それじゃひとまず、お試し期間ということで」

「そうですね。そうしましょう」

「他にも誰か誘いますか? 俺の能力は『鑑定』なので、戦闘の役に立ちませんが」

「それなら大丈夫です……『女神』の能力は身体能力も上がりますから! まずは実際に探索してみて、二人では難しかったら仲間を募集しましょう」

「そうだな。確かに、無策に数だけ増やすより、そっちの方が良いかもしれないな……」


 遺跡探索と言えば、気の合う仲間と協力しながらやるものだと思っていたが、友達の少ない俺に贅沢はできない。

 別に性別にこだわるつもりはないが、それでも異性と二人っきりというのは緊張する。だが、まあ大丈夫だろうと割り切ることにして。

 俺と彼女はガヤガヤと盛り上がる集会場をこっそりと抜け出して、街に無数にある手頃な遺跡へ向かうことにした。


 遺跡の難易度は、大まかに『初級』『中級』『上級』に分けられる。

 俺たち駆け出し(ルーキー)が挑戦できるのは、そのうちの『初級』だけになる。

 いくつかの『初級』遺跡で任務を達成して、遺跡管理協会に実力を認められると、やがて『中級』や『上級』への挑戦権利を得ることができる。

 だがそれはまだ先のことなので、今は気にしなくても良いだろう。


 俺たちは、少し歩いて街の外れにある、小さな『初級』遺跡の前に来ていた。

 遺跡探索のルールとして、遺跡に入る前に入り口に、目印を置くことが義務づけられている。

 目印のある遺跡に入ってはいけない。というルールがあるわけではないが、少なくとも目印の有無で先客がいるかどうかを調べることができる。

 ちなみにこの遺跡には、目印が設置されていない。ということは、中で誰かと遭遇することは、とりあえず気にしなくても良さそうだ。


「これが遺跡か……ここにはどんなお宝が眠っているんだろうな」

「えっと、でも、聞いた話だとこういう初心者用の遺跡のほとんどは、すでに荒らされ尽くされて素寒貧みたいだよ? 現実的に、考えて……」

「スグメさん、わかってないな。わかってない。ロマンというのが全くわかってない! こういう初心者用の遺跡は、上級者が来ないから、見落としがあるんだ! だから、ちゃんと目をこらせばお宝がざくざく……」

「……そんなことないと、思うけど」

「わかった。じゃあ鑑定してみよう!」

「あ、ちょっと待ってそれは……」


 彼女は俺を引き留めようとしたような気もするが……いや、そんな理由はないか。

 遺跡をじっと睨み付けると、目の前に青白い窓が現れた。


・遺跡(初級)

・財宝(未発見)あり


「ほら見ろ!」

「……何が見えたのか、教えてくれます?」

「財宝があるって! しかも未発見だって!」

「……はぁ」

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