2:神々の
おい、吾輩が下界に下賜した伝説の剣はどうなった?
はいはい、調査しますね……おや?
どうした。まさかもう破損したのか? これだから下界の者は……!
相変わらずの早とちり。同じ神族として恥ずかしい……
別に壊れていませんよ。ただ、ステータスの末尾に「(偽)」と付いてますが。
なに? そんな馬鹿な……見せてみろ!
いや、これはまさか……鑑定されたのか?
鑑定? 名前やステータスが確認できる能力ですか?
馬鹿言え、なろう作品の読み過ぎだ。
鑑定と言えば「決めつける能力」のことだろう……
鑑定能力者が「赤」と言えば、黒い物でも「赤く」なる。
……やばくないですか、それ?
やばくない、わけではない。
そうだな、吾輩としては関わりたくもないのだが、気づいてしまった以上放置することもできぬ……
嫌な予感がします。用事を思い出したので、帰ります……
女神よ、お主に使命を授ける!
これより下界に赴き、鑑定使いを監視、誘導し、世界を良い方向に導くのだ!
そんなことをして、もし私が一般人と『鑑定』されたら、どうするつもりですか?
安心しろ、お前には強固な『鑑定妨害』を付与しておいた。
一般的な神話級能力も取りそろえておいた。
好きなのを好きなだけ持って行け。
それはまあ……それだけ聞くと面白そうですが……
なに、別に失敗しても何も構わぬ。
最悪、世界が一つ滅びるだけだ。そのときは「手を尽くしたのですが」と言っておけば良い。
せいぜい、楽しんでくるが良い!