3,生徒会室に行こう-1
校舎裏にある扉の開いていた用務員室を出る。その瞬間、真夏なのじゃないかと思うほどの閃光が両目を焼いた。
(季節は夏?用務員室で時計を確認すれば良かったな)
(しかし、学校が静かだな。授業中でももう少し物音が鳴っても良いと思うんだが)
今は日中のはずなのに、生徒の姿が見当たらない。
校庭まで歩き、時計を確認する。
(7時半か。そりゃ、生徒が居ない訳だ)
(他の生徒に見られたら、良いとこ保護者で、悪けりゃ不審者だもんな)
(そういえば、この時間軸の俺ってどうなってるんだ?映画、漫画とかだと…会ったら最悪消滅…!)
問答を繰り返しながら歩いていると、来賓用玄関の前に着いていた。
(まぁ、俺が考えた所でこの状況が分る訳がないもんな)
覚悟を決めて来賓玄関のドアを引こうとしたら、手がすり抜けた。
(はぁ!!?ここに来て「これまでの事はすべてドッキリでしたー!」ってオチか?もう訳が分からん!)
憤慨しながらドアを何度も握ろうと努力をしていると、後ろで偉丈夫が腕を組みながら仁王立ちしていた。
「トキオ、そのままじゃ何も出来ないぞ!リリーの奴に教わらなかったのか?」
厳つい顔の男。益田 良雄、俺のダチであった。
「良雄!!久しぶりじゃないか、高校卒業以来だな!」
「あぁ、トキオ。随分とオッサンになったなぁ」
「うるせぇ!そりゃ、17年も会ってなかったらオッサンになるわ!お前は若さも恰好も高校の時と全く変わってないじゃないか」
「そうか、それも聞いてないのか。説明するから一緒に生徒会室に行こうぜ」
「俺もオヤジに言われて生徒会室を目指してたんだ」
「お前、もうおやっさんと再会したのか!?リリーはどうしたんだ?」
「はぐれたというのか、導かれた結果というのか…よくわからん!」
「はぁ?なんだそりゃ?まぁ…お前の性分だもんな」
「これでも17年間は平和だったんだぞ!」
「嘘こけw」
我慢していたのか、良雄が破顔一笑。
俺も釣られて噴き出した。
お互いに17年分の軽口を言い合いながら生徒会室へ向かった。
やっと投稿出来ました。
読んで頂いている方、大変申し訳ございません。
この話からスピードアップしようと思います。(確約は出来ない)