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理髪店フルック2


「妖光ランプの灯りだけで部屋を照らしてる飲食店あったじゃない、その向かいにある店味落ちた?」


 ハーブ酒とナヤキと呼ばれる油を配合した髪用油を空の化粧瓶に詰め替え、リオは淡々と片付けや掃除を済ませながら私の“話し相手”になってくれている。


「…………」

「そうそう、マーメイドカフェに似たお店の」

「…………」

「そっか店長変わったんだ、どうりで……」


 他のお客がいないのもあって私達の談笑は弾む。

 黄緑の髪を後ろにゴムで束ねているクロエのように、私も今後髪が伸びたらしてみないかとリオに勧められる。

 腰どころか肩から下辺りまでほとんど髪を伸ばした事がない私に、ましてやリボンなどといった髪留めが似合うかどうか。

 師匠やスカーレットならまだしも。でも、リオの手にかかれば私だって彼女達のように遜色そんしょくなく仕上げてくれるのかもしれない。

 さて、そろそろソフィアとアナスタシアさんとの待ち合わせの時間ね。

 今日は商人通りで行われる流通在庫市場に三人で買い物をする予定だったのだ。

 なんでも【満屋まんや】の三代目がデザインした服が出回る噂を聞き付けたらしく、それはヴィンテージ物の特殊な服ゆえに普段着としては着れないのだが、アナスタシアさんがどうしても欲しいらしい。


「お代はいつも通りね」

「…………」

「もちろん。また珍しい品があればリオにも知らせるわ」


 リオは私からお代のアイテムを受け取る。私達二人だけで決めた支払い方法で私は髪を切ってもらい、お金の代わりに彼女の要望するアイテムを渡してそれが代金の代わりになるのだ。

 店の外まで見送る彼女、互いに姿が見えなくなるまで手を振り続けて別れた。

一言メモ【リオ本人は自覚ないみたいだけど、理容師としての腕は超一流なのよね。もっと宣伝してもいいと思うんだけどなぁ】アミュレット

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