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王様のいない王国2


 ーーとある国の手記に書かれている話。

 その王のいた街は帝都ドレンシアと交流が深く、戦後の現在は特に穀物の増産を成して産出、大いに栄えることになる。

 街の発展初期は麦と羊の国と呼ばれるほど周辺都市との貿易が盛んになった。

 しかし、戦争が始まるとそのゆたかだった繁栄都市は影を潜めることになり、帝都からの支援要請は無理難題を突きつけられる毎日。

 戦争中は不条理に売りたくもない物を売らされ、国民からは略奪者が現れだした。

 街の資源は底をつきかけ、わずかな胡椒こしょうを売りながら戦争終了までを耐えしのいだ。

 しかし。その後の国民からは武器を手放すとともに王の追放を望む声が広がる。

 戦後から歳月が経ったにも関わらず、威厳と立場を追われていた国王は今になって責任を取る形で街を出た。それがつい去年の事である……。



「それからしばらく国民達はパレードとパーティに明け暮れた?」

「……かもしれんな。過去にも世界中で数々の戦争はあったが、その国にとっては前例がない」

「前例がないのは怖い。疲弊ひへいの経験と慢心まんしんした国民の正しくない判断ね」


 彼は私が注いだお茶を飲み干すと足早に店の戸を開いた。


「では行くとするよ。達者でな、お嬢さん」

「言ってなかったわ。私の名前はアミュレット・タリスマン。またいつでもご贔屓ひいきに」


 そして次の日……。

 野心と希望に満ちた眼をもつ“元国王様”はフローディアから旅立った。

一言メモ【私の店には老若男女と人は来るのだけれど、なんだか変わり者が多い気がするのよね。なんでだろ?】アミュレット

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