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二日目3


 キレイな星空の下。しばらく尾行アイテムのサテラを追いかけていた私は、いつの間にか人気ひとけのない道を歩いていることに気が付いた。街灯もない。

 サテラが建物に入る気配もなし。

 こんな時間に外出? ますます怪しい。一人かしら?

 なんだか嫌な予感がする。もしかして誘い込まれてる?



 たどり着いた場所は街外れのとある古びた教会、階段を下った地下墓地跡。

 今はもう利用されず誰もいない。


「ようやく建物に入ったけど……」


 地下の広い場所に出た私は周囲を見渡す。

 ジメジメした天井や壁、まるで下水道にいるみたいだわ。

 途中まで掘られている墓穴、無造作に落ちているロザリオ、壊れた椅子、原形を留めていない石像。死者を冒涜ぼうとくできるほどの散らかりよう。

 なかなかに不気味だ。

 こんな大きな街だもの。手入れがされず伸びた雑草もほったらかし、ずさんな扱いの場所もそりゃあるわよね。

 なんだかダンジョンに挑もうとしてる気分。財宝は無さそうだけど。

 一度引き返すか、それとも勇気を出して進むか。

 ……戦闘になっても私魔法とか使えないからなぁ。


『コツコツ……』

「…………!」


 人? ハッキリと姿は見えなかったけど人影は見えた。その先の道は狭くて薄暗い。

 私は鞄からランタンと火打ち道具そして油を取り出し、すぐに火を付けて後を尾けた。

 追跡対象は例の男に間違いはないけど。なにか見落としてる気が。


「ーーーーっ!」


 再び広い場所に出た私は目を疑う。

 行き止まり! 消えた? サテラも見当たらないし完全に見失った。


「ドブネズミめ。文字どおり袋のネズミだな」


 急な圧迫感、そして背後からの気配と声に私はその場で振り返る。

 追いかけていた男とは別の男が姿を現した。

 少年? 何者にしろ罠だったか。

 初めての尾行にしては及第点きゅうだいてんだと思っていたけど早計だったわ。相手の方が一枚上手いちまいうわてだった。


「……チュ、チュ~」

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