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一日目2


 ジャビスウォーレンのオークションでは。

 聖金貨、金貨、聖銀貨の三種類しか硬貨を使わない。

 聖金貨がもっとも高い硬貨で、一枚で金貨十枚の価値がある。聖銀貨は二枚で金貨一枚の価値。国によっては多少異なるが、大体の基準は同じ。

 競りで参加者が金貨二枚と聖銀貨一枚を宣言する場合は【二の一】と唱える。これに聖金貨を一枚加えると金貨の単位の前に【部】を加え【一部二の一】と唱え、聖銀貨のみの場合は【半一】と唱える必要がある。

 自分の参加番号の札を挙げて値段を告げた場合、取り下げは不可能なので注意されたし。



「二部八の一!」

『…………他にいませんね。では、【エクレアーノ王女の恋文】十三番落札です』


 午後の部になり会場の熱気は絶えず、参加者の眼差しが一段と鋭くなった。

 私が今までで欲しいと思った品は四つ。

 様々な儀式に使われるソラベ族の埋葬具。箱も無傷。

 レハラ姫の短剣。鑑定書付き。

 ダラン国の正当な国王カシアン王のシンボル、アガ神仰の装飾品。

 フライボーンバレッツの牙。魔界に住むドラゴン達の次にレアなドラゴンの牙だ。魔界……ん? どこかで卵を見た気がする? どこだっけ?

 まぁどれもすぐに値がつり上がって手が出せなかったけど。


「お嬢様。先ほどの品の一つに競売人のかたが言っていた“青リンゴではない”という意味はなんですか?」

「あぁ……製作者の弟子による贋作がんさくのことよ。専門用語で青リンゴって言うの」

「なるほど」


 曲がりなりにも商人。私でも何とか知っていることだったわ。よかった。


『続いての品は……』

「……お嬢様」

「ん? あの年季の入ったパイプ競り落とすの?」

「いえ、そろそろ“確認”と“手配”の状況を見に行って参ります。少し席を外しますがよろしいでしょうか?」

「そっか、うん。お願いね。こっちは任せて」

「では……」


 ソフィアは私が昨日お願いしたことを確認しに向かう。

 頼んだわよソフィア。よし、私も怪しい者探し再開ね。

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