オークションへ3
まずはクロエの親方さんに渡す調合薬を作る。
ソフィアに教わった薬草を使うと風邪にスゴく効くらしい。
薬草、トゥワルの葉と根にミノタウロスの角を煎じて……完成。
「はい。ちゃんと親方さんに渡してね」
「ボクも行きたいなぁカルボルトに、荷物運びくらいは手伝えるよ」
「ありがとう。でも片道が大体五日くらいで、道中にモンスターが現れるかもしれないわ。たぶんジャビスウォーレンにしか行かないし。いつか観光としてなら一緒に行きましょ」
「……うん、わかった。じゃあお土産よろしくね」
ちゃっかりしてるわ。まぁいいか。
私が以前から節約していた理由はこの旅のため、なにより向こうは物価が高いらしい。
あとクロエには悪いけど実は目的地のジャビスウォーレンでソフィアと合流予定なのよね。
モンスターとの遭遇は極力避けるつもりだけれど、旅の途中にも関わらず、どうしても彼女が私の護衛をしたいらしい。技術屋見習いとして修行中のクロエよりかは、待機中調合師のソフィアの方がクロエのためにも都合がいい。
旅先での問題は、寝るときに基本裸なのよね……私。しばらく我慢するか。寝間着を用意しなきゃ。別に野宿をするつもりはないし、見られたとしてもソフィアだけど。
「気をつけてね。死なないでねアミュレット」
「……おいおい」
まったく、縁起でもないことを……。
一言メモ【オークションか。アミュレットの性格だと浮かれちゃってボクのお土産を買い忘れちゃう可能性があるなぁ、心配だなぁ】クロエ