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あと2400時間  作者: 下川
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序章

 2128年、突如押し寄せたタリヌ帝国軍は太平洋沿岸地域を攻撃・制圧し、日本は瞬く間に東京やその他の地域を奪われた。その後1年あまりであえなく降伏した日本は遷都を決行し、山内新都[さんないしんと]を新しい首都とした。

 山内新都は盆地で、沿岸地域を征服したように容易には攻められない。新都のすぐそばにまではこびるタリヌ帝国軍の更なる侵略を防ぐにはちょうどいい場所にあった。


 さて、その侵略戦争のあと、戦場には孤児が多く見受けられた。タリヌ帝国軍に殺されるのはあまりに惨いと、孤児は新都に連れて帰られた。

 一見普通の子供達だが、孤児院に引き取られた彼らが、ある奇妙な性質を持っていることが明らかになった。


 「異能」だった。ある者は火を操り、ある者は水を操った。引き取られた200人ほどの孤児全員が異能で、その能力や力の大きさなどは、何一つ同じものではなかった。恐らくはタリヌの核兵器の影響かと思われるが、正確なことはまだ分かっていない。そして、元々力が弱かった者の能力は、成長するにつれて消えていった。


 その後、15歳で孤児院を追われた孤児達は養子になるか、どこかで働き口を見つけるかして生活していたーーそう、今も。

 ただ、彼らが異能だということは、誰もほとんど知らない。彼らは異能を隠していたからだ。それは純粋に異能を嫌う故の行動であり、自らの身を守るための行動だった。

 異能は兵器にもなりうる、だから彼らは自らを兵器にしないためにも、異能であることを隠すのだった。


 孤児院から出て、異能を隠しながら生きている者は、現在130人ほどいると言う。そして、その多くが山内新都で生活している。


 鴫田イサも、そんな異能力者の中のひとりだった。 一見普通の子供達だが、孤児院に引き取られた彼らが、ある奇妙な性質を持っていることが明らかになった。


 「異能」だった。ある者は火を操り、ある者は水を操った。引き取られた200人ほどの孤児全員が異能で、その能力や力の大きさなどは、何一つ同じものではなかった。恐らくはタリヌの核兵器の影響かと思われるが、正確なことはまだ分かっていない。そして、元々力が弱かった者の能力は、成長するにつれて消えていった。


 その後、15歳で孤児院を追われた孤児達は養子になるか、どこかで働き口を見つけるかして生活していたーーそう、今も。

 ただ、彼らが異能だということは、誰もほとんど知らない。彼らは異能を隠していたからだ。それは純粋に異能を嫌う故の行動であり、自らの身を守るための行動だった。

 異能は兵器にもなりうる、だから彼らは自らを兵器にしないためにも、異能であることを隠すのだった。


 孤児院から出て、異能を隠しながら生きている者は、現在130人ほどいると言う。そして、その多くが山内新都で生活している。


 鴫田イサも、そんな異能力者の中のひとりだった。

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