13話
迷宮ダンジョン前にやってきた。
迷宮の場所は城門を出て5分歩けば着く場所だ。ダンジョンに近づくに連れて露天が多くなっていく冒険者の買い忘れを相手にした商売や屋台が中心となってるようだ。
迷宮のダンジョンの管理は都市が管理しているので、迷宮の入り口には騎士が立っている。騎士の役割は「魔物が出てきた場合の排除」・「入る人の確認」・「出て来ない者のギルドへの連絡」の3つが主な役割だ。出入りの確認は入り口の端末にステモをタッチするだけだ。
[ポン♪]
早速迷宮ダンジョンに入って行く。
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「明るい?」
迷宮へ入ると中は外の明るさと同じくらいと言っていい程普通に明るい。洞窟のイメージをしていたが全然違った。洞窟の壁自体が光っているのだろうか?変な感じだな。しかしやっとここまで来た。冒険に憧れ変なちびっ子の誘いに乗って来てみてば15年・・・長かったな・・・だが
「今日この日の為に俺はココ来たんだ!」
俺は力いっぱい喜びを叫んだ。
「うっせーぞ!坊主静かにしろ!」
「ひゃい。す・すみませーん・・・」
誰も居ないと思ったが直ぐ後ろに年配の冒険者が入って来てたみたいで、恥ずかしくなって俺はその場を走りさった。
「よし。気をとり直してここからスタートだ。先ずは昨日考えていた事を実験していこう。」
才能の制限が解除されたので、ヘルプさんとは頭の中での会話ができるようになった。今までの様子を人に見られるときっと、危ない人に見られるだろう。。。
「地図を起動して、現在地を確認」
不可抗力で、走ってきたけれど道は学校の廊下の様な感じかな。両壁までは、人が3名並んで武器を振り回せる位は広いな、天井は5mあるかな?
「地図をみて見ると学校の廊下の表現であってるか?通路の左右には部屋らしき空間がみたいだな。では、次に地図と重ねる感じで[索敵]を使ってみるとぉ~お??」
部屋らしき場所や通路に赤い点が表示された。
「おお成功かな?魔物は赤い色の警告だよね。確かめるには、近い赤い点に行ってみればいいから、次の通路を右に曲がってみるか。」
通路をゆっくると角まできて少し顔をだして覗いてみる。
「いた、あれはネズミかな?ちょっと遠くて見えにくいな。では次のテスト、赤い点を意識して[鑑定!]」
地図上に表示れている赤い点に、鑑定を掛ける。タップして
迷宮マウスLV1
ランクF
HP5
MP0
無属性
「よっしゃ成功だ!ここの魔物は外の森の魔獣より弱いみたいかな?いや、まだ1Fだしそんな物か。」
イメージ通りの結果が出てくる。
「[ヘルプ]今の作業を自動でできる?」
(自動化了解しました。追加でその他の区別も完了しました。)
「ん?その他の区別ってなにしたの?」
(サーバーの管理者権限を使い色分けしました。地図で確認しながら説明します緑色は人・黄色は魔道具です。)
見ると1Fには緑色の点が数個固まった物や単体で光っている点が表示されているのが確認できた。黄色はないな。
「お、おおヘルプさん助かります。便利だけど迷宮ダンジョンに魔道具なんてあるの?」
(ダンジョンの下層には罠があります、怪我だけじゃなく即死に繋がる罠など様々な罠がありその罠全部が魔道具になっています。)
1F表示から2F以降の階層を見ていく。5Fから所々に黄色い点を見かけるようになった。
「5Fから罠がでてくるのか、確かに罠って一度掛かると誰がまたセットするんだよ!って話だよな。魔道具なら説明がつくし納得だな。」
ダンジョン攻略なら、地図を見ながらなら罠に掛からないように進めるから安心かな?実験は一区切りにしてクエスト消化しながら雰囲気を掴まないとな。
受けたクエストを確認する。
迷宮ネズミの肉10個 100G(1個追加毎5G)
討伐数×10G
迷宮ダンジョンのデビューには簡単過ぎるだろう。肉なんて討伐していれば手に入るだろうし雰囲気を掴むには十分だろう。
「では、迷宮ネズミを探しながら通路に居る魔物を狩って行くとしますか。」
地図で通路先にある赤い点を目指し迷宮ネズミを探していく。
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記念すべき一匹目と出くわした。
「迷宮ラビットか、まだこちらには気づいてないな」
跳ねてるのが見えたので鑑定を使わなくてもわかった。そのまま気づかれずに近づいてゆく。
「せい!」(キー)
気づかれずに後ろから剣を突く。ウサギはひと突きされると呆気無く鳴き声と共に消えていった。消えた後には「肉の塊」が残ってた。
「凄い、本当に消えるのか。」
町の森で狩りをしていた時は「解体までで一区切り」だったがダンジョンでは「解体されたのが残る」とゆう不思議な体験を味わった。不思議な感じそのままに、「その塊」に鑑定を掛ける。
[迷宮ラビットの肉:普通品]
「迷宮ラビットの肉がドロップしたって事か。ゲーム見たいな感覚だな。しかし小さいな塊だな、解体した方がもう少し大きいぞ、この大きさで解体したヤツより値段が高いなんてダンジョンの方が人気が高いのはうなずけるな。」
そう言って、アイテムBOXに収納する為ステモで「タッチ」する。
「サックっと一突き簡単なお仕事だったな。この調子で次いってみよ~」
無事アイテムBOXに収納出来たのを確認してサクサク進んでいく。
サックっと
サックっと
サックっと
ここ迄でラビットの肉3つに・ネズミの肉3つゲットできた。今の所
「見つからずに後ろからの剣一突きだけでいけるんだな。次は遠くから狙ってみよう
[ファイヤーボール]
距離が離れている迷宮ラビットに狙いを定めるかのように[ステモ]をかざしてファイヤーボールを撃つバスケットボール位の丸い炎の球体が一直線に飛んでゆく。
(マスター後ろの通路の左右どちらでも良いので走って逃げて下さい。)
「へ?」
突然「ヘルプ」さんの声が聞こえてきた俺が戸惑っていると
(早く走って!)
なぜか焦ってる感じがしたので言われた通りに走る、通路を曲がった数秒後には今まで居たであろう方向から怒号の様な爆発音と炎が聞こえ見えた。
(マスターあなたはバカですか?手加減して下さい、こんな場所であんな威力を放つのは無謀です。)
ヘルプさんにバカ頂きました。しかも呆れられてる?確かにあの場所に留まって居れば怪我だけでは済まないだろう。
「これから気をつけます」
ヘルプさんに助けられたのだ素直に謝っておこう、しかし今まで話しかけて来なかったのにやっぱり、俺が死んだらヘルプ自身も死んじゃうからだろうか。
(とりあえず魔法の扱いはイメージによって左右される事を認識して下さい。今のは「倒せるかな?」と思った時に300位のMPが込められました。今のマスターの状態でFランクの魔獣・魔物も1−5MP程度でも倒せるでしょう。魔法の才能をSに変更し魔力を扱い易くした方がいいとお勧めします)
「あー確かにいくら込めたか迄は解らないけど、力んだのは確かだ。設定してくれ」
(設定しました。そろそろココを離れましょう、今の音で冒険者達が集まってくる様です。)
地図を見ると緑色の点が集まって来る
「それじゃあ面倒になる前に逃げますか。」
そう言って、集まってくる冒険者達から反対方向へ駆けて行った。