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魔法少女の日常  作者: 道の人
第一話
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1-(8)

 もしゃもしゃとトーストを頬張りながら牛乳を口に注ぐ。どうでもいいが、世間で弁当とか米類を食べている時に口に水分を注ぐと嫌悪されることがあるけれどこのようにパンを食べている時に水分を注いてでも嫌悪されないのはなんでだろう、どっちも食べたらボロボロになるから変わりないだろうに――げっ、マジでどうでもいいな。考えたところで明確な答えが返ってくる訳でもないし。もしこういう意見があるぞ、という方が居れば是非俺当てに葉書を送ってくれ。

 ふと、何気なくイアを横目で見る。

 するとそこにはくてーっと両手両足を伸ばし顔を机に擦り付けながら欠伸する幼女の姿があった。最早、こいつのテンプレと言ってもいいポージングだ。

「(こんな奴が一丁前に、魔法少女とはねえ)」

 魔法少女業界はどうなっているんだ。

 余程、上の年齢層の魔法少女がすくないのか?

 それとも魔法少女の試験官が余程のロリコンなのか?

 願ったり叶ったりだね!

 今の一文で俺のロリコン疑惑が浮上したのは錯覚と処理しておくとして、どうにもこうにも、にっちもさっちも。

「(本当、こんな奴に助けられたんだからなー……俺)」

 曰く、最強の魔法少女――らしいが。

 こんな普段はへっぽこなイアが最強て。

 助けられた俺からは何も文句の言いようがないが。

 眠ってしまった俺が文句を言う義理は無いが。

 そもそも、こいつが本当に俺を助けたのだろうか――そう考えていた頃も、確かにあった。出会って三日くらいの頃だ。

 けど説の立てようもなかった。

 仮説を立てるにも、その材料が少な過ぎたのだ。

 証言はイアの『助けたのは私です』『イアは最強の魔法少女なんだ』――これらの言葉くらいで第三者の証言が一切ないのだ。

 先生から言われたことを嘘だろうがなんだろうが、全てを信じてしまう小学生のように俺は信じるしかなかったのだ。

 まあ多分、助けたのは本当にイアなんだろうけどな。

「なぁ、イア」

「……なーにぃ?」

 アホ毛を立たせながら、目を擦り、小さく欠伸して、もごった声で言ってきたイアの姿はさながらエンジェルイアとでも表現しようか。

 保護者としてはこの状態のイアを抱き締めて愛で尽くしたい次第だが

「ちょっ、元春⁉ ど、どうして上から自分の頭に牛乳を掛けるの⁉」

「美肌効果美肌効果」

「頭皮を美肌にしても関係なくない?」

 的確なツッコミを受けた。

 いや、男だし頭皮は美肌にするべきじゃないのか? 毛根保護とか。

 医学的にはどうなんだろうか、美肌頭皮。


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