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「お前、パソコンのし過ぎは目にも良くないし教養にも宜しくないぜ」
俺はまるで親のような台詞を言う。
同居している身なら一応、俺は年齢序列的に保護者に当たるし別におかしくはないだろう。おかしいと感じたのは、恐らく、どうして高校生の俺と見た目十歳未満の少女もとい幼女が暮らしているか、という点だと察する。
まず一つ、俺の生活環境について。
俺は一人暮らしをしている。財力については仕送りとバイトで賄えるので問題は無い。
親が居ない、この時点でまず問題は一つクリアだ。
二つ目、なんで一緒に住んでいるのかということ。ていうか本題かもしれない。
俺を助けた(らしい)後、目を覚ました俺の視界に写っていたのは空腹で倒れ掛けていた普通の格好をした見た目十歳未満の女の子だった。
――あなたを助けたのは私です。
と、女の子は言った。
眠ってしまう前に見た服装とは違ったが顔や身長等の容姿は一致していたので俺はすぐにそれを信じ、慌てて端折ってポケットの中に入っていた飴を与えると、すぐさま俺の家へ運んだ。この文だけ抜粋してみると俺はただのロリコン誘拐犯じゃないか! と今更、言ってから気付いたが別に俺はロリコンでもないし誘拐犯でもないし本当のことなのだから特に触れないでおく。
とりあえず食べ物を与えると、その容姿に反した喰いっぷりを見せつけられて、ちょっとばかし動揺したのは今でも覚えている。
そうして元気を取り戻した彼女は言った。
「イアを一緒に住まわせてください!」
「リンクしただと!?」
そう、私を保護してください――そう、魔法少女は。魔法幼女イアは言ってきたのだ。
「へ? リンクってどうしたの?」
「ん……い、いや何でもないよ、イア」
突然、あの時と同じ台詞を叫んできたので驚いただけだ。
読心なのか、まさかの読心なのか!?
因みに先程からちょくちょく出ているイアというワードだがお察しのことだと思うがこの魔法幼女の名前だ。そこに日本人っぽさは無いが容姿は日本人だから困る。欧米人に比べて平べったい顔と黒髪が何よりアジア系人種を物語っている。イアの容姿を細かく説明すると、大きく見開いた瞳が特徴的で、先程黒髪、と言ったが厳密に言うとそれはほんの少し茶色がかっていたりするので念を押しておく。髪の毛は見た目からしてサラサラ、触ってもサラサラだったのは言うまでもない。背丈は一三〇センチに満たないくらいで細身。そしてどこか愛くるしさを感じるオーラを放っている。
俺は躊躇わずに言ってやるさ。
幼女最高!
「………………今、すっごい寒気がしたんだけど」
「察しが良いな」
「えぇ!? イア、今元春の頭の中で何されてるの!?」
「露天風呂最高!」
「イア、脱がされてる!?」
考えても無いことを言ってイアをからかう。というよりもイアで遊ぶ。
反応がいちいち可愛いんだよなぁ。