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魔法少女の日常  作者: 道の人
第一話
3/68

1-(2)

 以上でクイズを終了し賞品の贈呈へ移ろう。正解者の皆さんおめでとう、オークションに出さないでね!

 どうせ値は付かないだろうけど!

 ていうか出品者居ないだろうけど!

 と、まあ自分で言っておきながら正直落ち込んでいるのだが持ち直し、切り換えし、話題も切り換えることにしよう。

 俺を、助けてくれた存在。

 祈っていたらふと現れて。ふと怪物をぶっ倒したらしい存在。

 ここで、らしいという仮定形の言葉を用いたのは俺がその光景を目の当たりにしていないからだ。この目で見ることができていないからだ。

 それが現れたところまでは見た。

 けれども、怪物を倒し俺を救ったのは見ていない。そいつから聞いた話だ。

 というのも不意に、とんでもない眠気が俺を襲ったのである。突然の睡魔の登場のせいで、その場面を見兼ねたのである。

 して、いよいよ俺を助けてくれた存在について触れていくことにするが、それを説明するのには別に特別な言葉を用いたりはしないし、簡潔簡単シンプルに、ありきたりな誰もが知っている一言の言葉で済ますことが出来る。

 それは、魔法少女、という。

 もっと厳密に言うと、魔法幼女、という。

 後者のせいで俺に対して疑惑の目線が向けられたかもしれないがそんなものは気にせず続けることにするが、本当に幼女と呼べるくらいの見た目なのだから仕方がない。

 見た目十歳前後。いや、十歳未満と限定しよう。

 だがそれだけでは幼女とは呼べない。性格もそれでなくては幼女とは呼べない、とここまでで俺が一体何を熱心に幼女の定義について話しているのか、もうその当人が良くわからなくなってきたのでこの辺で自重の意味も含めて止めておこうと思う。深く入り込み過ぎて東京都を敵に回してしまうのは勘弁だ。

 という訳で彼女と出会って三週間。

 彼女と同居し始めて、三週間が経った。

「元春ぅー……」

 俺を呼ぶのは幼く可愛らしい声。

 同居を始めた次の日に買い与えたユニクロのフリースも様になっており、台詞調にそれを表すのならば「何これ超萌える」というのが相応しいだろう。

 ノートパソコンの前でだらしなく、背筋を曲げて、顔をデスクにくっつけて、ぶらりと垂れ下がった両腕をたまに動かすだけで他はどこも動かさず、ただ画面と向き合う見た目十歳未満の魔法少女が、そこにはいた。


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