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魔法少女の日常  作者: 道の人
第一話
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2-(4)


 世の中に絶対は無いと言うがつい最近まで俺はその考えは間違っている、と思っていた。例えば、夏にシャンメリーが絶対に売っている筈など無い、とか。

「ふぅー……」

 バイト帰りの夜道をとぼとぼと疲労した体で歩く。蒸し暑いのがムカつくね。

 まいったまいった。

 まさか本当にシャンメリーが売っているとは思ってもみなかった。

 飲み物が並べられている棚の端にひっそりと、季節外れの飲み物が売っていたのだ。

 我ながらうちのコンビニ凄ぇ……。

 品揃え半端じゃねぇ……。

 小説にとっては季節感を壊されてしまうから迷惑だけどな……!

「しっかしなんでシャンメリー飲みたい、なんて言いだすかね」

 あいつのプロフィールに『シャンメリーが好きです』なんて書いてあったか? 

 出会ってから一度もそんなことを言っていた記憶は俺にはないが。

 ふと、そのシャンメリーを手に取り頬にあてる。

 まだコンビニから出てあまり経っていないためその冷え冷え感は保たれたままだった。蒸し暑さ故、 シャンメリーの冷たさがとてつもなく心地よい。

「くぅーっ……」

 思わず、週末仕事明けのサラリーマンが冷えたビールを飲んだ時のような声を漏らしてしまう。

 それほどに心地よい冷たさなのだ。

 この心地よさは惜しいがこれ以上頬にくっつけていると温度が逃げてしまうので袋にしまう。瞬間、 その心地よさは消え失せ再び蒸し暑さが俺を支配する。

 心頭滅却すれば火もまた涼し。

 こんな言葉が日本にはあるが暑いもんは暑いだろうと作った奴にツッコミを入れたいね。

「暑っちー……」

 家までは今俺がいる地点からだと徒歩十分ちょっとくらい掛かる。

 あと十分ちょっともこんな暑い思いをしなきゃ行けないのか、うーむ。

 何か考えるか。

 アレだ、寝る直前に目を瞑りながらなんとなく考え事をするような感じだ。

 とは言え急に考え事と言っても浮かばないものだ。寝る直前だと自然に何となく浮かんでくるけれど 意図的に考え事をするとなるとな。

 道端に何か落っこちていないものかね。

 道を這うようにして見るも特に何も落ちていないのはまあ当然というか予想通りと言うか。

 もし魔法とか能力とか使えたらこんな苦労しないんだろうけどなぁ。

「あ」

 思いついた。

 自分の地の文で思いついてしまった。

 

 そういえば、俺は未だにイアが魔法使っている場面を目にしたことが無いのだ。


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